ストレスが虫歯の原因になる!?ストレスと虫歯の意外な関係

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虫歯 原因 ストレス

お口のケア不足や甘いお菓子の食べ過ぎなどのほかに、ストレスが虫歯の原因になることもあります。

この記事では、ストレスが虫歯に影響するメカニズムや虫歯を予防するための方法について掲載しています。また、応急処置方法についても紹介していますので、ストレスと虫歯の関係が気になる方だけでなく、虫歯の痛みに悩んでいる方もぜひ参考にしてみてください。

 

この記事の目次

1.ストレスも虫歯の原因に?

1-1.ストレスが原因で虫歯になる理由

虫歯は、お口のなかに住み着いている虫歯菌が歯を溶かすことで発症します。その虫歯菌が出す酸を中和させるのが、お口のなかを常に潤している唾液です。ストレスが影響して自律神経が乱れると、唾液の分泌が減少します。

その理由は、自律神経のなかにある副交感神経と交感神経の働きにあります。

虫歯予防に重要な役割をもつ唾液は、副交感神経が耳下腺(じかせん)、交感神経が舌下腺(ぜっかせん)と顎下腺(がっかせん)を刺激することで分泌されます。この唾液の質はサラサラとネバネバにわかれていて、交感神経が活発になったときの唾液はネバネバしているためお口のなかがねばつき、ドライマウスの状態になりやすくなります。そのため、交感神経が活発になるストレスは虫歯の原因になりやすいと考えられています。

また、自律神経以外にストレスは新陳代謝を低下させ血のめぐりを悪くさせる傾向にあります。

血液には虫歯菌などと戦う白血球やリンパが含まれているため、血行障害が悪い菌に対する抵抗力を弱めてしまうと言われているようです。

そのほか、歯に負荷がかかりやすい歯ぎしりもストレスによって引き起こされると考えられています。

これらがストレスによる虫歯の理由と考えられています。

 

虫歯 原因 ストレス

2.ストレス虫歯を予防する方法

2-1.趣味を見つける

毎日の生活からストレスをなくすのは難しいですが、1日のなかにリラックスできる時間をつくることで自律神経のバランスが整いやすくなります。たとえば、1日の終わりにゆっくりとバスタイムを楽しんだり、好きな音楽を聴いたり、日常を忘れさせる映画や読書など自身にあったリフレッシュ方法を見つけましょう。

 

2-2.生活習慣の改善

仕事や家事などが忙しすぎると、生活が不規則になりがちです。不規則な生活はストレスをためこんでしまう可能性があります。たとえば、寝不足は倦怠感が抜けないだけでなくイライラや食欲不振につながりやすく、ストレスから暴飲暴食をすることで夜寝付けなかったりお肌の調子が悪くなったりします。

ストレスフルな悪循環を断ち切るためには無理をせず、睡眠時間を大切にして、栄養を考えた食生活を心がけましょう。

 

2-3.マウスピースで歯の負担を軽減

歯に負担をかけてしまいがちな歯ぎしりですが、実はストレスを軽減するための反応とも言われています。歯ぎしりによって歯に大きな力がかかりヒビが入ってしまった場合、そこから細菌が入り込んで虫歯ができることがあります。

歯ぎしりや食いしばりの対症療法にはマウスピースを使用するのが一般的です。お口の型取りをして作製したマウスピースを夜寝る前に装着することで、歯や歯茎にかかる負担を緩和します。歯ぎしり用のマウスピースは、保険適用でつくることもできます。

 

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3.すぐに歯医者さんへ行けないときの応急処置

痛みがあるほどの虫歯は早めに歯医者さんで治療するのがいいですが、忙しくてすぐには行けないという方もいらっしゃいます。そこであくまでも応急処置ですが、虫歯による歯の痛みを一時的に緩和する方法を紹介していきます。

 

3-1.痛みがある患部を冷やす

冷やすことで症状が緩和することがあります。冷たい水でしぼったタオルや氷ぶくろを頬にあてて、痛む部分を外側から冷やします。ただし、患部の状態によっては痛みが増してしまうこともあるので、様子をみながら試してみましょう。

 

3-2.お口のなかを清潔にする

汚れや歯垢を落とすことで痛みが緩和することもあります。歯磨きをしたり、常温の水かぬるま湯で軽く口をゆすいだりしてみましょう。ただし、歯ブラシが患部にふれることで痛みが増す場合もあるので、気をつけておこなうようにしましょう。

 

3-3.市販の鎮痛剤を服用する

歯が痛くて眠れない場合、それが原因で体力が落ちてしまい症状が重くなるケースもあるため、市販の鎮痛剤を服用して一時的に痛みを緩和させるのもひとつの手です。

 

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4.ストレスが及ぼす虫歯以外の病気

4-1.ストレスによって起こる歯や歯茎の痛み

お口のなかに虫歯や歯周病などの疾患がないのに、歯や歯茎が痛むことがあります。たとえば、治療が終わっている歯が痛みだしたりするのは、ストレスによる免疫力の低下が症状の伝達を混乱させて起こると考えられています。また、ストレスが重なることで分泌されるカテコールアミンという物質は、歯や歯茎の神経を圧迫したり刺激したりして痛みにつながると言われています。

 

4-2.歯ぎしりや食いしばりによる顎関節症

「口が開きにくい」や「顎の奥でコキコキ音が鳴る」などの症状がある顎関節症は、顎の筋肉や靭帯の損傷などによって発症します。その原因は噛み合わせにあると考えられていましたが、近年ではストレスや歯ぎしりなども要因のひとつとして挙げられています。

顎関節症を進行させがちな歯ぎしりや食いしばりは、自身の癖に気づくことが大切です。意識して深呼吸をしたりキシリトール入りのガムをゆっくり噛んだりするなど、お口の力を抜くリフレッシュタイムを設けましょう。

 

虫歯 原因 ストレス

5.まとめ

ストレスが虫歯の原因になるメカニズムについて紹介してきました。毎日の暮らしのなかでストレスを感じることなく過ごすのは難しいですが、お口の不調の原因がわかると対処しやすいのではないでしょうか。リラックスすることを心がけ、お口の健康につながる毎日を過ごしましょう。

 

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監修医

小川 隆介先生

後楽園デンタルオフィス 院長

経歴

2005年 日本歯科大学 卒業
2005~2006年 東京医科歯科大学摂食機能構築学 医員
2007~2011年 東京都内歯科医院 副院長
2011年 後楽園デンタルオフィス 院長就任
現在に至る

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