舌が黒い、黒い点が付いているなど、鏡を見てこんな症状があったらびっくりしますよね。舌が黒くなるのは黒毛舌(こくもうぜつ)という症状かもしれません。ここでは、あまり知られていない黒毛舌の原因や、治療法についてご紹介します。
1.黒毛舌になってしまう原因とは?
舌の色といえばピンク、舌苔がついていても白が一般的です。ある日鏡を見たら舌の色が黒!なんてことがあったら、驚いてしまいますよね。
黒毛舌は見た目の問題だけでなく、味覚や口臭にも影響を与えるため、原因を知り改善の糸口を見つけることが望まれます。
1-1 抗生物質の服用
抗生物質や抗菌剤、ステロイドや抗ガン剤を長期間服用している場合は、口内細菌のバランスが変わりやすくなり、カンジダ菌が増えることで黒毛舌を発症します。
カンジダ菌が増えたことで硫黄化合物が発生し、血液中にあるヘモグロビンと結びつくことが黒さの原因です。
1-2 体力低下や精神的ストレス
薬の影響だけでなく、体力の低下やストレスでも口内細菌のバランスは変化し、カンジダ菌が増え黒毛舌を発症しやすくなります。また発熱や胃腸障害によってビタミンなどの栄養が不足することでも、口内環境は変化し、黒毛舌を発症しやすくなります。体調不良が続いている場合は、舌の様子にも気を配ることが大切です。
特に妊娠中や授乳中はホルモンバランスの変化や睡眠不足で体調を崩しやすいので注意が必要です。
2.黒毛舌はどう治療する?
ただ黒いだけでなく口臭や味覚障害をも引き起こす黒毛舌。治療せずに放置しておくとカンジダ症の症状にも苦しむことになりますので、早めの治療が必要です。ここでは、自宅でできるケアや医師が行うケアについてお伝えします。
2-1 医師による治療法
薬が原因の場合は、主治医に相談し投薬の中止や薬を替えることで改善が見込まれます。
これだけで解決することもありますが、カンジダ菌が多い場合は、フロリードゲルというカンジダ用の薬を14日間使用し改善を図ります。
2-2 自宅でのケア
黒毛舌は黒い舌苔のような存在なので、自宅でのケア方法も似ています。うがい薬や舌用ブラシを使用し、口内を清潔に保ちましょう。
とはいえ、やり過ぎると口や舌の粘膜を傷つけ悪化させてしまうため、歯医者さんで指導を受けながらケアすることが大切です。
3.まとめ
黒毛舌は口内細菌のバランスが崩れることで発症します。根本的に改善するためには口内だけでなく体調の管理が必要です。この機会に体調管理のあり方を見なおしてみるのもいいでしょう。
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監修医
貝塚 浩二先生
コージ歯科 院長
経歴
1980年 岐阜歯科大学 卒業
1980年~ (医)友歯会ユー歯科~ 箱根、横浜、青山、身延の診療所 勤務
1985年 コージ歯科 開業
1996年~2002年 日本大学松戸歯学部生化学教室 研究生
歯学博士号 取得
2014年 昭和大学 客員講師
現在に至る
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