摩耗症(歯の摩耗)とは?

    【この記事の要約】

    摩耗症とは:歯が本来の形や高さよりもすり減ってしまった状態(歯の摩耗)を指します。

    摩耗症の症状:知覚過敏、歯の欠け・ヒビ、歯のくぼみなどが現れ、放置すると悪化します。

    摩耗症の原因:強すぎるブラッシング、硬い歯ブラシや研磨剤の使用など複数の要因が関与する多因子性です。

    摩耗症の診断・検査:歯のすり減り方や形の変化、噛み合わせなどを口腔内写真やレントゲンで確認します。

    摩耗症の治療:マウスピースの装着や歯の修復処置、ブラッシング指導や生活習慣の改善を行います。

    摩耗症の予防:歯ぎしり対策や正しい歯磨き、酸性飲食物の摂取頻度の見直しが重要です。

    摩耗症に似ている病気:非う蝕性歯頸部欠損(くさび状欠損)や酸蝕症などが類似した症状を示します。

    摩耗症の治療を行っている診療科:一般的な歯科

    この記事の目次

    1.摩耗症とは

    摩耗症とは、歯が本来の形や高さよりもすり減ってしまった状態(歯の摩耗)を指します。
    歯の摩耗は、主に以下の3つに分類されます。


    • 咬耗(attrition):歯ぎしり・食いしばりによる摩耗
    • 摩耗(abrasion):強いブラッシングなど外的刺激による摩耗
    • 酸蝕(erosion):酸による化学的な歯の溶解


    実際の臨床では、これらは単独ではなく複合的に起こることが多く、複数の要因が重なって歯の摩耗が進行します。
    特に就寝中の歯ぎしりや食いしばりは自覚しにくく、気づかないうちに歯の形が変化したり、噛み合わせに影響を及ぼすことがあります。

    2.摩耗症の症状

    知覚過敏
    エナメル質がすり減ることで象牙質が露出し、冷たいものや甘いもの、歯ブラシの刺激でしみる症状(象牙質知覚過敏)が現れます。

    歯の欠け・ヒビ
    歯ぎしりや強い咬合力により、歯にヒビ(クラック)が入ったり、一部が欠けたりすることがあります。特に、歯がすり減っている場合は、より欠けやすくなる傾向があります。

    歯のくぼみ
    歯の表面や歯ぐきとの境目にくぼみ(非う蝕性歯頸部欠損)が見られることがあります。汚れが溜まりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まります。

    3.摩耗症の原因

    摩耗症は複数の要因が関与する多因子性の状態です。
    主な原因は

    • 強すぎるブラッシング
    • 硬い歯ブラシや研磨剤の使用
    • 酸性飲食物(炭酸飲料・柑橘類など)
    • 胃酸(逆流性食道炎など)
    • ブラキシズム(歯をこすり合わせる・食いしばったりする無意識の口腔習癖)
    • 咬み合わせの問題やストレス

    特に、酸によって歯が軟らかくなった後にブラッシングなどの刺激が加わると、摩耗が進行しやすくなります。

    4.摩耗症の検査・診断

    歯科医院では以下を総合的に評価します。
    • 歯のすり減り方や形の変化
    • 摩耗の部位やパターン
    • 噛み合わせの状態
    • 知覚過敏の有無

    必要に応じて
    • レントゲン撮影
    • 口腔内写真
    などを用いて経過を確認します。

    5.摩耗症の治療

    マウスピース(ナイトガード)

    歯ぎしりや食いしばりによる負担を軽減し、歯の摩耗の進行を抑えることが期待されます。

    歯の修復治療

    症状に応じて
    • コンポジットレジン
    • セラミック
    • クラウン
    などで歯の形を回復します。
    ※近年は歯をできるだけ削らない「最小侵襲治療(MI)」が重視されています。

    ブラッシング指導・生活習慣改善

    • 適切なブラッシング圧
    • 歯磨き粉の見直し
    • 食生活の改善
    などを行います。

    6.摩耗症の予防

    予防では原因ごとの対策が重要です。

    • 力の対策 → ナイトガード・ストレス管理
    • 摩擦の対策 → 正しい歯磨き
    • 酸の対策 → 摂取頻度の見直し

    また、酸性飲食後はすぐに歯を磨かず、時間を空けることも有効です。

    7.摩耗症に似ている病気

    非う蝕性歯頸部欠損(くさび状欠損)
    歯の根元にくさび状の欠損が生じる状態で、摩耗・咬合・酸など複数の要因が関与します。

    酸蝕症
    酸によって歯が溶ける状態で、広範囲に歯が薄くなる特徴があります。

    8.まとめ

    摩耗症(歯の摩耗)は、強いブラッシングや歯ぎしり、酸性飲食物など、さまざまな要因が重なって歯がすり減る状態です。
    初期の段階では自覚症状が少ないこともありますが、進行すると知覚過敏や歯の欠け、噛み合わせの変化などにつながる可能性があります。とくに、歯ぎしりや食いしばりがある場合や、歯がすり減っている場合には、歯への負担が大きくなりやすいため注意が必要です。
    治療では症状や原因に応じた対応が重要になります。また、日頃から正しいブラッシングや食習慣を意識することが、歯の摩耗の予防につながります。
    気になる症状がある場合は早めに歯科医院で相談し、適切な診断とケアを受けることが大切です。

    9.この病気・疾患に対応している歯科の診療科目

    一般的な歯科

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    監修医

    古橋 淳一先生

    あおぞら歯科クリニック本院 理事長・院長

    経歴

    2000年 広島大学歯学部 卒業
    2000年~2001年 医療法人社団 不二見会 ふじみ歯科医院浦安診療所 勤務
    2001年~2005年 医療法人社団 不二見会 ふじみ歯科医院南行徳診療所 勤務(所長)
    2005年 あおぞら歯科クリニック 開院
    2007年 医療法人社団爽晴会 設立・理事長就任
    2010年 あおぞら歯科クリニック鎌ヶ谷 開院
    2012年 あおぞら歯科クリニック新館 開院
    2015年 なないろ歯科クリニック 開院
    2017年 あおぞら歯科クリニック下総中山 開院
    現在に至る

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