痛くないホワイトニングはある?種類や痛みを抑える対策法を紹介

    ホワイトニングは独特の痛みがあるものです。施術中は、ツンツンする感じがしたり、施術後は知覚過敏のようにしみる感じがします。この痛みは時間が経てば消えていくものですが、この痛みが苦手で、ホワイトニングが億劫になってしまうという方もいるはずです。

    この記事では、痛みの少ないホワイトニング法や、痛みを軽減するための事前対策などについて詳しくご紹介いたします。

    この記事の目次

    1.痛みの少ないホワイトニングの特徴

    ホワイトニングでしみるような痛みを引き起こすのは、ホワイトニング剤の成分である過酸化水素です。ここでは、痛みの少ないホワイトニングについて、その概要をご紹介します。

     

    過酸化水素の濃度が低いもの

    ホワイトニングの代表的な主成分である過酸化水素が、知覚過敏にも似た、しみる痛みを引き起こす原因です。従って、過酸化水素の濃度が低いものであれば、こうした痛みを軽減できます。歯医者さんで施術を行うオフィスホワイトニングでは、主に高濃度の過酸化水素を配合したホワイトニング剤を扱いますが、自分でマウスピースを使って施術するホームホワイトニング剤は、低濃度の薬剤となっています。

     

    日本人向けに考慮されたもの

    一般的に、欧米で定評のあるホワイトニング施術は、日本人にとって痛みを強く感じるリスクがあります。これは、日本人のエナメル質が薄く、神経に刺激が伝わりやすいためです。しかし、過酸化水素の濃度が高い薬剤を使用しても、反応を促進する光の照射を適切にコントロールすることで、痛みを軽減できることもあります。

     

    過酸化水素を使わないもの

    過酸化水素を使わないホワイトニングが、もっとも刺激の少ない方法です。過酸化水素に代わる薬剤の主成分として、二酸化チタン、酸化チタン、ポリリン酸、メタリン酸などが上げられます。ただし、現在のホワイトニングにおいては、過酸化水素が染み付いた色素を分解するのに最も優れた成分とされています。過酸化水素と比較すると、他の成分ではあまり大きな効果が見込めないというデメリットもあります。

    2.痛みの少ないホワイトニングの種類

    ここでは具体的に、痛みの少ないホワイトニングの種類をご紹介します。痛みに不安がある方は、事前に歯医者さんで確認してみましょう。

     

    ティオンホワイトニング

    歯の色素を分解する能力は、過酸化水素の濃度に比例します。また、濃度が高いほどしみる刺激も強くなります。ティオンホワイトニングは、比較的低濃度(23%程度)の薬剤で、刺激が少なく、なおかつ漂白効果を高めることを目指した施術です。特殊な触媒(化学反応を促進させる物質)を使うことで、低濃度の過酸化水素でも、漂白効果を高めることができます。

     

    松風ハイライト

    松風ハイライトは、エナメル質の薄い日本人の歯を考慮して作られたものです。過酸化水素濃度は35%程度ですが、反応をマイルドに保つ成分が配合されており、施術時の刺激が少ないものとなっています。厚生労働省で認可された、数少ないホワイトニング剤の1つです。

     

    ピュールホワイト

    過酸化水素を使わず、二酸化チタンをホワイトニング剤の主成分としているのが、ピュールホワイトです。過酸化水素特有のツンツンするような刺激がなく、施術後の痛みもほとんどないのが特徴です。白くする効果は過酸化水素に劣るものの、どうしても過酸化水素のホワイトニングに馴染めないという方におすすめです。

    3.痛みを抑えるためのポイント

    ホワイトニングを行う前に、しっかりと歯のコンディションを整えておくことも、痛みを抑えるためのポイントとなります。詳しくご紹介します。

     

    知覚過敏を改善しておく

    知覚過敏とは、冷たいものやブラッシングなどのちょっとした刺激がしみる症状です。これは、エナメル質が薄くなったり欠けたりすることで、象牙質内の神経に刺激が伝わりやすくなるために起こります。普段から知覚過敏の症状がある方は、ホワイトニングの刺激をより強く感じることがあります。したがって、歯質を強くして知覚過敏を改善しておくことが重要です。

     

    歯のクリーニング直後は避ける

    歯医者さんでホワイトニングを行う場合、薬剤が行き届くように事前に歯のクリーニングを行います。ただし、歯石が多い場合には、歯石の除去とともにエナメル質が剥がれ、知覚過敏を引き起こす可能性があります。そのため、歯をクリーニングして知覚過敏の症状が落ち着いてからホワイトニングを行うのが望ましいです。

     

    虫歯・歯周病は治療しておく

    重度の虫歯や歯周病がある場合、過酸化水素を使ったホワイトニングはできません。過酸化水素の刺激によって強い痛みが生じるためです。軽度の虫歯や歯周病でも、エナメル質の表面が損なわれているとホワイトニングの痛みが強まる可能性があります。

    歯医者さんで提供されるホワイトニングであれば、事前にホワイトニングが可能かどうかチェックできます。ホワイトニングを行う前に、虫歯や歯周病を治療することが先決です。

     

    歯のすり減りや亀裂をカバーする

    歯ぎしりや噛み締めの癖がある方は、エナメル質が大きくすり減ったり、小さな亀裂が入っていることがあります。そのため、象牙質に直接薬剤が触れて、しみる痛みが強くなることがあります。すり減った箇所を薬剤で保護したり、レジン(プラスチック素材)でカバーすることで、こうした刺激を軽減できます。こうした癖がある方は、あらかじめ歯医者さんに相談してみましょう。

    4.施術後に痛くなったときの対処法

    過酸化水素を使ったホワイトニングでは、施術中にピリピリとした痛みを感じることがあります。また、施術後も知覚過敏のような痛みが一定時間続くことがあります。ここでは、施術後に痛みを感じた場合の対処法をご紹介します。

     

    冷たい飲食物や刺激があるものは避ける

    ホワイトニング直後の歯は、刺激に弱くなっています。ペリクル層が剥がれて脱灰しているので、着色もしやすくなっています。辛いものなど刺激のあるものや、冷たい飲食物などは控え、安静にしましょう。歯は数時間程度で自然に再石灰化され、痛みがおさまります。

     

    知覚過敏用の歯磨き粉を使う

    知覚過敏を抑え、歯の脱灰を修復することが、施術後の痛みを軽減するポイントとなります。市販の知覚過敏用歯磨き粉には、刺激を鈍らせるカリウムイオンが配合されています。また、フッ素配合のジェルには、歯の再石灰化を促す作用があります。こうしたものを使うことで、施術後の痛みを緩和できます。

     

    痛み止めを服用する

    痛みが強い場合には、市販の痛み止めを服用しましょう。あらかじめ用意しておくのも良いですし、事前に歯医者さんに相談すれば、痛み止めの薬を処方してくれるケースもあります。

    5.まとめ

    過酸化水素を主成分とした薬剤によるホワイトニングでは、多少のしみる痛みが伴います。施術後の痛みは時間の経過とともに和らぎますが、人によっては馴染めないこともあります。ご紹介した通り、痛みを軽減するホワイトニング法も数多くあるので、これらを扱っている歯医者さんを探してみましょう。また、ホワイトニング前に歯のコンディションを整えておくことも、痛みを軽減するために重要です。

    監修医

    松岡 浩司先生

    松岡歯科クリニック 院長

    経歴

    1986年 日本歯科大学 卒業
    1988年 パール歯科医院 勤務
    1995年 松岡歯科クリニック 院長就任
    現在に至る

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