【歯科医師監修】口臭予防の歯磨き粉、選び方やおすすめの成分は?

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口内の健康を守るための毎日の習慣として歯磨きは欠かせないものです。意外と悩んでいる方が多い口臭ですが、口臭対策用の歯磨き粉を使うなど日々のケアが大切です。また、歯磨きの方法によっては逆に口臭の原因になってしまうこともありますので注意が必要です。

この記事では、口臭対策のための歯磨き粉の選び方やおすすめの成分、そして歯磨きをする際の注意点などを挙げていきます。

この記事の目次

1.口臭対策のための歯磨き粉の選び方

口臭対策のための歯磨き粉を選ぶ際、チェックしておきたいポイントをご紹介します。

 

合成界面活性剤不使用のものを選ぶ

口臭予防には、できるだけ合成界面活性剤を使用していない歯磨き粉が適しています。歯磨き粉の多くは、合成界面活性剤が使用されています。この成分は主に歯磨き粉の泡立ちをよくするために含まれているものです。

しかし、実際には泡立ちと汚れを落とすことには直接的な関係はなく、使い心地をよくする目的で泡立ちをよくするために使用されています。つまり、本来の歯磨き粉の用途としては特に関係がない成分であるといってもよいでしょう。

また、合成界面活性剤を使用した歯磨き粉は唾液の分泌量を減らしてしまうこともあり、その結果口内の清浄がうまく行えずに細菌が繁殖してしまう可能性があります。ですので、逆に虫歯の原因や口臭が発生してしまう原因にもなりかねないのです。

 

口臭予防の成分配合のものを選ぶ

数ある歯磨き粉の中でも、特に口臭を予防するための成分が配合されているものを選ぶのもポイントの1つです。口臭予防のための成分には、以下のようなものがあります。

・塩酸クロルヘキシジン(抗菌作用)
・塩化亜鉛(口臭の原因となる細菌を抑制)
・銅クロロフィリンナトリウム(口臭の原因となる細菌を抑制)
・フッ素(虫歯予防)

フッ素は、歯磨き粉の成分として耳にしたことがある方も多いでしょう。フッ素は、虫歯になりかけた歯を再石灰化し、口臭の原因となる虫歯を予防してくれます。

 

歯周病予防の成分配合のものを選ぶ

歯周病も口臭の原因になるため、歯周病を予防するための成分が配合されているものを選ぶのもいいでしょう。歯周病予防のための成分には、以下のようなものがあります。

・ピロリン酸ナトリウム(歯石を防ぐ)
・塩化ナトリウム(歯周病を予防し口内の粘膜を健康に保つ)

また、歯周病をもたらす歯肉炎も口臭の原因となりますから、その症状を和らげてくれる塩化セチルピリジニウムで歯肉炎を改善するのも1つの方法でしょう。

 

使用する目的に合わせてプラスαの成分で選ぶ

虫歯や歯の黄ばみなど、口臭以外にも悩みがある人は、プラスαの成分にも注目してください。各社いろいろな歯磨き粉を出していますので、たとえばどのような成分や特徴のものがあるか、参考まで紹介しましょう。

・アロエベラエキス、米ぬかを発酵させたエキス、なた豆エキス
植物の有効成分で口臭、歯垢、口内のネバつきなどに有効

・カキタンニン
ポリフェノールの一種を配合し、口臭の原因となる細菌対策や歯茎引き締めも図る

・ミツバチ由来のプロポリス
口臭はもちろんのこと歯周病や色素沈着にもアプローチ

・乳酸菌
歯垢を取り除き、口臭や歯周病の原因となる細菌の増殖を抑制

・フッ素
口臭と併せて虫歯対策も図る

・ポリリン酸ナトリウム
汚れを吸着する

・β-グリチルレチン酸
歯肉炎などを改善する

2.口臭の原因になることも?知っておきたい歯磨きの注意点

歯磨き粉の量は1cm程度

歯磨き粉をたくさんつければ、その分洗浄効果が増すのではないかと思う方が多くいらっしゃいますが、たくさんつけたからといって効果が上がるというわけではありません。むしろ泡がたくさん立ってしまって磨きにくくなるのです。

1回の歯磨きでつける歯磨き粉の量は歯ブラシの3分の1くらい(およそ1cm程度)十分です。少量の歯磨き粉でゆっくりとすみずみまで磨くようにしましょう。

 

研磨剤入りの歯磨き粉は使いすぎに注意

多くの歯磨き粉には歯垢をより効率的に落とすために研磨剤が含まれています。もちろん汚れを落とすのには効果的ですが、使いすぎることで歯の表面や歯茎に傷ができることがあります。

また、場合によっては研磨剤が歯と歯茎の間に入ってトラブル繋がるケースもあるため、使用する際には注意しましょう。

 

優しい力で磨く

必要以上に強い力を入れてゴシゴシと磨くことも歯と歯茎を傷つけてしまう原因となります。それだけではなく、歯茎が下がって歯根が出てしまい、その部分から知覚過敏を起こすこともあるのです。

また、歯茎の傷から細菌が侵入し、炎症を起こすケースも見られます。歯磨きをするときは優しい力でマッサージするように磨きましょう。

 

舌磨きも優しく撫でるように

口内では歯だけではなく舌にも汚れがたまっているものです。舌の上に苔のようになっている舌苔と呼ばれる汚れも口臭を引き起こす原因になります。舌クリーナーで軽く掃除をするのは効果的です。ただし、気になるからといってゴシゴシと擦りすぎると舌乳頭と呼ばれる組織に傷がつき、味覚を感じる機能が低下してしまいます。

さらに唾液が口内にとどまらず、乾燥状態になるため、細菌が増殖しやすくなり口臭を引き起こす原因にもなってしまうのです。舌磨きは1日1回、専用の舌クリーナーで優しく撫でるように行い歯ブラシや歯磨き粉は使わないようにしましょう。

3.まとめ

口臭は人に不快感を与えてしまうこともありますので、日頃から注意してケアしておきたいものです。口臭を予防する歯磨き粉にもいろいろな種類がありますし、また歯磨き粉の成分にも気を付けて選べば気になる口臭もスッキリ解消できるでしょう。

歯磨きもやりすぎると逆に口臭の原因になってしまいますので、磨き方には注意して健康で爽やかな口内を保ちましょう。

監修医

飯田 尚良先生

飯田歯科医院 院長

経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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