【歯科医師が教える】パッチタイプの口内炎薬のメリット・デメリット

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口内炎になったら、市販薬を使って早めに治してしまうのも一つの手です。お医者さんで処方された薬なら治りは早いですが、仕事などが忙しいとなかなか受診することもできませんよね。

そこで今回は、口内炎の市販薬の種類のなかから、パッチタイプについてご紹介します。どんな特徴があるのか、メリット・デメリットがあるのかなど、まさに今口内炎に悩んでいて、薬を買おうと思っている方向けに役立つ情報をお届けします。

この記事の目次

1.パッチタイプの口内炎薬とは?

パッチタイプの口内炎薬は、患部にシールを貼るようにして使います。薬が染み込んだシールを直接患部に貼るので、長時間作用を持続させられます。口内炎の薬にはステロイド系と非ステロイド系があり、パッチタイプもこの2つに分かれています。

また、自然と溶けるタイプと溶けないタイプがあり、状態や利用するシーンによって使い分けることで、よりスムーズに口内炎を治すことができます。

2.パッチタイプの薬のメリット

 

薬の効果が長時間持続する

粘膜にシールのようなパッチタイプの薬を貼っても、「すぐに剥がれるのでは?」と思いますよね。しかし、使ってみると意外と長くとどまるので心配はいりません。飲食をしても剥がれることはほとんどないため、薬を長時間持続させることが大きなメリットです。

軟膏やジェル、スプレータイプなどは、唾液などで流れてしまえば効果が薄れます。しかしパッチタイプであれば、患部にくっついている間は塗り直すことなく効果が続きます。これが大きなメリットといえるでしょう。

 

痛みが苦手な方でも使える

炎症部分を覆うようにして貼れるパッチタイプは、外部刺激を防げるので痛みを軽減できます。飲食による刺激も抑えられるので、痛みが苦手な方にもおすすめです。

 

舌にできた口内炎にも使える

塗り薬の場合、舌に塗ってもすぐに唾液で流れてしまうことがあります。しかし、パッチなら舌でも貼ることができ、薬をとどめやすいです。あまり奥の方だと貼れない可能性もありますが、手前にある口内炎になら、十分にパッチを貼ることが可能でしょう。

3.パッチタイプの薬のデメリット

多少の違和感がある

パッチタイプのデメリットは、パッチを貼るので口の中に違和感が生まれてしまうことです。軟膏やジェルタイプの薬、スプレータイプなら違和感が少ないでしょうが、パッチタイプはその場にとどまるので気になりやすいかもしれません。

ただ、その違和感には個人差があり、耐えられない人もいれば気にならない人もいます。また、触ってしまうとパッチタイプはペロンと剥がれるので、それが人によっては厄介に感じることもあるでしょう。どちらにしても、初めて使う際には違和感があるかもしれないことを認識して使うようにしましょう。

 

場所によっては貼るのが難しい

パッチタイプの薬は、口内炎ができた場所によっては貼るのが難しくなります。例えば、手鏡で見ることができる舌先などであれば貼りやすいかもしれませんが、唇をめくらなければいけない歯茎付近や、口を横にしっかりと引っ張らなければいけない頬の内側などは、貼る際に工夫が必要です。

また、よく見えない場所にパッチタイプの薬を貼る際には、不用意に患部に触れてしまい、痛みを感じてしまう可能性もあります。やってみるとわかりますが、鏡を見ながら的確な場所にパッチを貼るのは、最初は少し難しいかもしれません。

4.パッチタイプの薬の選び方

パッチタイプの口内炎薬には、成分の違いや、溶ける・溶けないといった、いくつかの種類があります。ここでは、薬の選び方について紹介していきます。

 

口内炎の症状に合わせて選ぶ

パッチタイプの口内炎薬にはステロイド系と非ステロイド系があります。成分は、口内炎の症状に合わせて選ぶと良いでしょう。

 

炎症がひどいとき:ステロイド系

炎症がひどい場合は、ステロイド系を選ぶと良いでしょう。これは、ステロイド系の薬が炎症を抑えるのに優れていて、即効性が高いという特徴があるためです。より早く改善させたい場合は、ステロイド系を選びましょう。

 

治りかけているとき:非ステロイド系

非ステロイド系の薬には、炎症を抑える成分や殺菌作用のある成分が配合されています。症状が治まってきて痛みが少ない場合は、非ステロイド系を選ぶと良いでしょう。

 

使うシーンに合わせて選ぶ

パッチタイプの口内炎薬には自然に溶けるタイプと溶けないタイプがあります。使うシーンに合わせて、どちらにするか決めましょう。

 

効果を持続させたいとき:溶けないタイプ

成分を長く患部にとどめたい場合は、溶けないタイプを選ぶと良いでしょう。溶けないタイプは、唾液や飲食中でも剥がれることはほとんどないため、薬を長時間持続させることができます。

 

就寝時:溶けるタイプ

就寝時は、溶けるタイプを選ぶと良いでしょう。
溶けないタイプの場合、もし剥がれてしまったら寝ている間に誤飲や誤嚥の可能性も出てきますが、溶けるタイプだと、だんだんと溶けてなくなるので、就寝時でも誤嚥などを防ぐことができるでしょう。

5.パッチタイプの薬の使い方

ここでは、パッチタイプの口内炎薬の正しい使い方をご説明します。

 

まずは口の中をきれいに

歯みがきなどで口の中をきれいにしておきます。これはどんなタイプの薬を使う場合も同じですが、まずは口の中の細菌やバイ菌を除去してから薬をつけるようにします。口の中をきれいにする時には、ただの歯みがきだけではなく、デンタルフロスも使うのがおすすめです。これは、プラークにたくさんの細菌が潜んでいるためです。

しっかりときれいにするなら、歯と歯の間の歯垢もスッキリと落とす必要があるのです。口内炎は口の中を清潔にするのが対処法の一つなので、多少面倒でもきれいにしてから薬を使用しましょう。

 

手を洗ってパッチを手に取る

パッチを貼る手にバイ菌がついていれば、どんなに口の中をきれいにしても意味がありません。そのため、薬に触れる前に手を清潔に洗いましょう。爪のすき間の汚れなども落ちるようにして、きれいなタオルできちんと水気を拭き取ってから、パッチ薬を手にしてください。

 

患部にパッチを貼る

パッチを台紙から剥がしたら、口内炎の部分にパッチを貼ります。可能な限り患部の周囲は水分をとっておくと、密着して剥がれにくくなります。綿棒などを患部の上に転がせば、水分を吸い取ることができます。

まれに表裏を間違えてしまうことがありますので、表裏があっているかも注意して台紙から剥がしてください。貼るときには、優しくのせるようにするのがポイントです。強く押したりすると、炎症部分が傷ついたり、痛みが発生したりするためです。最後に、指で数秒押さえたら、ゆっくりと指を患部から離します。

6.まとめ

パッチタイプの口内炎薬は、飲食による痛みや刺激などを緩和するのにもとても効果的です。状態や利用するシーンによって使い分けることで、よりスムーズに口内炎を治すことができるでしょう。

ただし、できる場所によってはパッチを貼るのが難しいこともあります。市販薬が使いづらい場合は、歯科医院を受診するようにしてください。どのタイプの薬にもメリット・デメリットがありますので、自分に合ったものを使うようにしてくださいね。

監修医

鄭 尚賢先生

アイボリー歯科クリニック 顧問

経歴

1999年 渋谷教育学園幕張高等学校 卒業
2005年 東京歯科大学 卒業
2005年 ドルフィン歯科(千葉県佐倉市) 勤務
2005年 スウェーデンデンタルセンター (東京都千代田区) 勤務
2007年 駿河台下デンタルオフィス 開業 (東京都千代田区)
2008年 アイボリー歯科クリニック 開業 (東京都八王子市)
2010年 医療法人社団パーフェクトスマイル 設立
2014年 三鷹駅前デンタルオフィス開業 (東京都三鷹市)
2016年 荻窪駅前デンタルオフィス 開業 (東京都杉並区)
2018年 吉祥寺デンタルオフィス 開業 (東京都武蔵野市)
2024年 顧問 就任
現在に至る

取得資格・専門医資格
日本歯周病学会 歯周病専門医

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