子どもの小さな歯はとても白くて綺麗ですよね。年齢を重ねるとともに、歯は黄ばみを帯びてきます。人によっては黄ばみを気にするあまり、笑うことをためらってしまう方もいます。黄ばみは人付き合いにも大きく影響することがあります。
お肌のお手入れ同様に、歯のお手入れは自分の自信へと繋がる大切なことです。この記事では、歯が黄ばむ原因から自宅でできるお手入れの方法、歯医者さんで行われている対策など詳しくご紹介していきます。
※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。
1.歯の黄ばみを落とす方法
黄ばみは放置しても改善しません。歯の黄ばみは普通の歯磨きを繰り返すだけでは白くなりませんので、黄ばみが気になっている方は「黄ばみを落とす」という意志を持ち、行動することが大切です。では、どうやって黄ばみを落としていくのでしょうか。いつの間にか蓄積してしまった歯の黄ばみを落とす方法は、何種類あるのでしょうか。この章では、歯の黄ばみを落とすために、自宅や歯医者さんで行う方法を紹介していきます。
1-1 自宅で歯の黄ばみを落とす方法
・歯磨き粉
黄ばみケアの中でもお手軽な方法は、歯磨き粉をホワイトニング専用のものに変えることです。その時の注意点は研磨剤が多く含まれていないものを選ぶことです。研磨剤は継続して使うと歯の表面のエナメルを傷つけ薄くしてしまうので避けましょう。
ホワイトニング効果が高い歯磨き粉は1万円程度のものありますが、クリニックのホワイトニングに比べると安価なものもあります。※国内で販売されているホワイトニング歯磨き粉は、薬事法によりホワイトニング(過酸化水素)成分は含まれていません。漂白ではなく、汚れを落とすことで歯が白くなったように感じるのです。
・重層
汚れを落とす研磨剤効果が高いので使い方に注意して週に1回程度の頻度にしましょう。使い方は重曹大さじ1に歯磨き粉くらいの硬さになるよう水を加えます。そして10分放置して歯を磨きます。
このとき摩擦を強くしないで、優しく磨いてください。重曹を歯につけて少し置いておくと歯の汚れが浮き出し、汚れを落とすことができます。その重層が入った歯磨き粉も販売されています。
・ペン
ペン本体にホワイトニングジェルが入っているので、塗るだけで歯を白くする働きがあります。朝晩繰り返し塗ることで白い歯になり、手間なく持ち運びしやすいのも選ばれる理由です。ホワイトニング効果はそんなに高くはありませんが、白い歯をキープするためのメンテナンスに最適です。
・テープ
ホワイトニングテープとはホワイトニングジェルが付いているテープのことで歯に貼り付けてホワイトニングする方法です。
・消しゴム
歯磨きで落とすことのできない歯の黄ばみを落としたい方向けに歯専用の消しゴムが販売されています。研磨剤配合のペーストをつけ、消しゴム状のもので磨いていきます。歯の表面の汚れやタバコのヤニなどの汚れに効果的です。
1-2 歯医者さんで歯の黄ばみを落とす方法
・ホワイトニング
歯医者さんでのホワイトニングは自宅のホワイトニングにくらべ高濃度の薬剤を使用することができるので短期間、短時間で高いホワイトニング効果を実感できます。
さらに歯茎に液剤が染み込まないようカバーしたり、薬剤を効率的に歯に染みこませる光照射をしてくれたりと痛みもなくホワイトニング効果も高いです。歯医者さんで行うホワイトニングには以下の3通りが用意されています。
特徴:すぐに歯を白くしたい人に適している 特徴:歯を白く保つ期間が長く、自宅でホワイトニングしたい人向け 特徴:オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの2つを併用。 |
・クリーニング
歯医者さんで行うクリーニングは歯の表面の黄ばみや汚れを落とし、本来の歯の持つ白さを取り戻します。さらに歯の表面を磨いてくれるので、つるつるとツヤのある歯になり清潔感と爽快感を得られます。
値段は1回3,000円前後、着色除去をメインで行うと美容目的とされ保険適用外になるので5,000円~1万円前後とばらつきがあります。
・ラミネートベニア
ラミネートベニアというホワイトニング方法は、汚れた歯の表面を削り、天然歯に近く白さを調節したセラミックを、削った自分の歯に貼り付ける方法です。短期間で白く輝く歯にできることが特徴で、歯医者に通うのも2~3回で済みます。
また歯の矯正などと合わせてキレイにすることができる手法です。値段は1本5万円程度かかります。
2.人によって合う方法が違う
歯の黄ばみには個人差があり、また、黄ばみを改善したいと思うことや、その人が置かれた状況にも個人差があります。目的や予算に応じても求められる方法は変わり、画一的にこうすればいいというものでもありません。
大きくは自宅でできる方法と、歯医者さんでできる方法に大別されますが、あなたの希望と生活スタイルに合う方法であることが望ましいのです。この章では、自宅と歯医者さんのどちらのケアが合っているのかを紹介します。
2-1 自宅でのケアが合っている人
自宅でのケアが合っている人は子どもが小さく預けることができない、歯医者に通う時間が取れない、低コストに収めたい人におすすめです。
2-2 歯医者さんでのケアが合っている人
歯医者さんでのケアが合っている人は結婚式が迫っている、短期間で白い歯にしたい、自宅で手間をかけたくない、はっきりした効果がすぐ欲しい人に合う方法といえます。
3.きれいになった歯を保つために
現在、美しく白い歯は、美容院やエステ、マッサージなどに通う、美意識の高い女性や男性などのお手入れに当たり前のように組み込まれています。
ただ、一時的にきれいになっても、手を抜けば歯は再び黄ばんでいきます。きれいな歯を維持するにはきちんとケアすることが必要で、適切な知識を持つことが、黄ばみの改善、予防に結びつきます。この章では、きれいな歯を維持するために学んでおきたい、歯が黄ばむ原因と予防方法を考えます。
3-1 歯が黄ばむ原因
歯が黄ばむ原因の1つは食べ物です。着色料を多く含む食べ物、飲み物が歯の黄ばみに大きく関係していることがわかっています。下記に黄ばみの原因になりやすい代表的な飲食物を挙げます。
①色の濃い物
・カレー
・醤油
・ソース
②歯の汚れになりやすいもの
・コーヒー
・紅茶
・ワイン
③その他
・チョコレート
・ぶどう
・ブルーベリー
ただ、1回食べたからといって歯が黄ばむわけではありません。継続的に食べることで歯を黄色くさせてしまうことにつながります。
2つ目の原因は、歯磨きのときに力を入れ過ぎることが原因で歯の表面のエナメル層に傷がつき、そこに汚れがたまり黄ばんで見えてしまうことです。
さらに歯を構成している歯内部の象牙質は元々乳白色~白色で黄みを帯びている人もいます。年々老化とともに象牙質の色が黄みよりに濃くなってしまうことでエナメル層が薄くなり、その象牙質が透けて見えることが歯の黄ばみの原因となります。
3つ目の原因は虫歯です。虫歯を放置すると歯が黄ばみ、ひどくなると茶色や黒くなる原因になります。さらに虫歯がひどくなると神経を取ることもありますが、神経を取った歯は黄色や茶色に変色することが多いことがわかっています。また、虫歯を治療したあとに施す銀歯などの詰め物は、劣化により金属がイオンとなって溶け出し、歯の黒ずみや黄ばみの原因になります。
3-2 気を付けておきたいこと
歯が黄ばんでしまわないように、予防法としては着色料の多い食材に気を付けることです。コーヒーや紅茶などホットは無理でもアイスならストローを使って直接飲料が歯につかないようにするのも日々できる予防の1つです。
基本的なことですが、虫歯は歯の黄ばみの大きな原因の1つなので虫歯にならないように食べたら磨く、うがいをすることを心がけましょう。
定期的に歯医者の検診を受けて虫歯のない歯をキープし、歯の表面を傷つけないように歯磨き時には力を入れ過ぎないよう注意しましょう。
4.まとめ
どれくらい黄ばみの解消を望むのか、さらにそれにかかる値段や期間など参考にしてみてください。自分の希望と生活スタイルに合う長く続けやすいものを選びましょう。
この記事は役に立った!
監修医飯田尚良先生
飯田歯科医院 院長
■院長経歴
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る