智歯周囲炎に罹る原因と症状、治療法をご紹介!

智歯周囲炎に罹る原因と症状、治療法をご紹介!

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あなたは歯医者さんでレントゲンを撮ったことはありますか?自分に親知らずが何本あるのか、把握している人は意外と少ないかもしれません。親知らずは誰でも必ずある歯ではなく、元から1本もない人もいれば、2本だけあったり4本ともあったりとバラバラです。もしまだ生えていなくても、歯茎の中に親知らずが埋まっていれば、将来智歯周囲炎になるかもしれません。

智歯周囲炎はズキズキと痛み重い症状も出ます。また、智歯のあたりに痛みを感じる原因は虫歯だけではありません。智歯歯周炎になってしまう原因やその症状、治療法や予防法について詳しく紹介していきます。

この記事の目次

1.重い症状も出る智歯周囲炎の症状とは?

1-1 様々な辛い痛みが発生する

そもそも智歯(ちし)とは親知らずのことで、智歯周囲炎とは親知らずの周囲に炎症が起きる疾患のことです。智歯周囲炎になるとはじめは歯茎の一番奥に鈍い痛みを感じるようになり、押したり噛んだりすると痛みが出ます。悪化するとズキズキとした痛みになり、食事やつばを飲み込んだだけでも痛みを感じるようになります。

親知らずの周りに膿が溜まり、腫れがひどくなって口を開ける筋肉にまで炎症が波及すると口を開けにくくなります。そうなると食事を摂ることも憂鬱になってしまいます。

また、痛みがある方の顎の下から首にかけてしこりができる場合や、37度~38度の発熱や頭痛が出る場合もあります。ほとんどの場合は1週間で落ち着きますが、繰り返す可能性もあります。放っておくと我慢できず、夜も眠れないような痛みになることもありますので、できるだけ早めに歯医者さんへ行くようにましょう。

1-2 腫れや膿が出ることも

親知らずは一番奥に生えていて、正しい方向に生えないことも多く歯磨きがしにくい部分です。そのため汚れが残りやすく、細菌感染してしまう可能性が高いのです。智歯周囲炎になると膿が出たり、親知らずの周りの歯茎が赤く腫れたりします。腫れたときは冷やしてあげると痛みが少し和らぎます。

1-3 口臭が出るケースもある

智歯周囲炎は汚れなどの細菌から身体を守るために、身体の細胞が抵抗することで起こります。白血球が細菌から体を守ってくれるのですが、その白血球の死骸などが膿として出てきます。その膿が原因となり口臭のもとになってしまうのです。

2.智歯周囲炎になってしまう原因とは?

2-1 智歯周囲炎の原因は細菌感染です

親知らずは口の中で一番奥に生えていて、横を向いていたり斜めに生えていたりしているので、他の歯に比べて歯ブラシが届きにくく、歯磨きがしにくい場所です。そのため、歯周ポケットが他の歯より深かったり、汚れがたまっていたりすることが多く、虫歯にもなりやすくなっています。智歯まわりの歯肉が細菌感染することによる炎症の痛みと、虫歯が原因の歯髄炎による痛みが複合してより強い痛みを感じることもあります。

2-2 口内を不潔にしていると罹いやすい

智歯周囲炎の原因として大きなものに、口内の衛生環境があります。当然、歯磨きを怠ったりした場合の不衛生な環境の方が罹りやすくなります。上述した通り、親知らずは一番奥に生えているため、汚れが残りやすい部位になります。それに加えて、十分に生えるスペースが無いために半分くらいしか生えない状態や斜めに生えて引っかかったようになっているために、歯の表面が完全に露出出来ず、一部に歯茎が被さったような状況もよく見受けられます。

汚れがたまってしまうと、歯周ポケットもどんどん深くなってしまうので、余計に清掃しにくくなり、細菌が繁殖しやすい環境が出来上がってしまいます。
歯周ポケットは歯ブラシなどでは届かないため、自分でお手入れをすることが難しいのです。ですから口内の中でも、特に親知らず周辺は清潔に保つように意識することが大切です。

2-3 ストレスも智歯周囲炎の誘因になる場合も

ストレスが溜まると体の免疫力が低下してしまいます。普段なら問題ない細菌の量でも、ストレスにより免疫力が低下してしまうと、いつものようには体を守ることができなくなってしまいます。そのため細菌と闘う力が弱まり、どんどん炎症が強くなり、智歯歯周炎になってしまうことがあるのです。

2-4 生活習慣の悪化で罹りやすくなる

夜更かしや睡眠不足などの不規則な生活、食生活の乱れや仕事などの疲れが溜まっている場合も、免疫力が低下し、智歯周囲炎に罹りやすい体になってしまいます。自分でも気付かないうちにそうなっていることもあるので、意識して規則正しい生活を送るようにしましょう。

3.自宅でできる智歯周囲炎の予防について

3-1 正しいブラッシングの実践

親知らずに限らず、日頃の歯磨きはとても大切です。親知らずは一番奥にあるので、通常の歯ブラシでは奥までしっかり磨けていない場合が多いです。ブラシが柔らかく、ヘッド部分が小さく作られた歯ブラシを使うと、奥まで届きやすいので親知らずも磨きやすくなります。

歯磨きのポイントは、よく歯列に対して斜め45度に歯ブラシを入れるといいと言われています。毎回45度に当てるのが難しい場合は、歯だけではなく歯茎に当たるように意識して歯ブラシを小刻みに動かしてみてください。汚れは歯と歯茎の境目に溜まりやすいので、これを意識することで比較的簡単に口内をきれいにすることができます。

また、たまに口を閉じて歯磨きをする人がいますが、歯の外側を磨くときは口を閉じて磨くと、頬っぺたの内側の筋肉が緊張し歯ブラシが奥まで届きにくくなります。口を軽く開けて磨くと、頬っぺたの内側の筋肉が緩むので、奥まで磨きやすくなります。このとき、口を開けすぎても奥まで歯ブラシが入らないので注意してください。

普通の歯ブラシではどうしても届きにくい場合は、タフトブラシなどを使うと効果的です。タフトブラシは最近、薬局などでも売られていますし、歯医者さんでも売られています。そして、どの歯ブラシを使う時も力を入れすぎないように気を付けましょう。

3-2 正しい食事やサプリメントの併用

普段からバランスの取れた食事を摂るように心がけ、免疫を上げて細菌に負けない健康な体作りをしていきましょう。また、足りない栄養素はサプリメントなどで補うことも大切です。食事に気を付け、しっかり栄養を摂ることで智歯周囲炎を予防できるだけでなく、その他の病気や体の不調を防ぐことができます。

4.歯科で治療法について

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4-1 抗生剤や炎症を抑える薬の処方

智歯周囲炎になり、症状が強い場合には抜歯を行うことはできません。痛みが強い場合は麻酔が効きにくく、抜歯後の出血が止まらないこともあるためです。

痛みなど炎症がある場合には、親知らずの周りを消毒し抗生剤などを服用して炎症を抑えます。痛みがある場合は痛み止めも一緒に処方され、消毒をしながら痛み止めで痛みを抑え、炎症や痛みが引くのを待ちます。

あまりに炎症が強いと痛み止めも効かない場合がありますが、それでも炎症や痛みが引くまで待たなければ、なかなか治療ができないのです。

4-2 抜歯を行う

レントゲンで親知らずがどのように生えているのかなどを確認し、痛みや炎症が引けば抜歯を行うことができます。上に生えている親知らずは、比較的簡単に抜けることが多いです。下の親知らずは顎に通っている神経に近いため、生え方や向きなどによっては難しい場合もあります。

水平埋伏といって下の親知らずが真横を向いている場合は、紹介状などを書いてもらい、大学病院などで抜歯してもらいに行くこともあります。

また、親知らずが大きな虫歯になっている場合は歯がもろくなっているため、抜歯の処置中に歯が割れてしまい、抜くのに時間がかかることもあります。ですから、虫歯が酷くなる前に歯医者に行くことが大切です。

5.まとめ

智歯周囲炎は虫歯だけが原因ではなく、口腔内の不衛生、ストレスや睡眠不足などによる免疫力の低下なども原因になります。普段から食事や生活に気を付けて、しっかりと歯磨きを行い予防しましょう。

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監修医遠藤三樹夫先生

遠藤歯科クリニック 院長

■院長略歴

1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業

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