自分では落とせない歯の着色汚れに効果があるのは?

自分では落とせない歯の着色汚れに効果があるのは?

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歯の着色はとても気になるものですし、自分で手軽に白くできるならなるべくそうしたいと思うはずです。しかし、ホワイトニング歯磨き粉を使ったり、ホームホワイトニングなどを行ったりして自分で白くしようとしても、まったく効果がなかったという人もいるはずです。

それは、自分では落とせない着色である可能性が高いからです。自分であれこれ試す前に、まず強くおすすめしたいのは歯医者さんに相談することです。この記事では、歯医者さんに相談すべき理由やさまざまな着色の原因、それぞれの改善法などについて詳しくご説明いたします。

この記事の目次

1.歯の着色はまず歯医者さんに相談すべき理由

歯のホワイトニング

一口に歯の着色といっても、実はさまざまな種類の着色があり、比較的簡単に落とせるものもあれば特殊な施術を行わないと落とせないものもあります。
さらに、複数の着色の原因が重なっているケースもあり、その着色がどのような種類のものなのかは自分で判断しにくいものです。まずは歯医者さんで見極めてもらう必要があるのです。主な着色(着色のように見えるものも含め)を列挙してみましょう。

・ステイン

飲食物や喫煙による着色。「茶渋」や「ヤニ」とも言われます。

・歯石

歯垢が唾液の中のカルシウムやリンと結合して固まったもので、歯の表面に黄白色のザラザラした石のようなものが付着します。歯肉の状態が悪いと、血液が混ざった黒い歯石が着くこともあります。

・虫歯

初期の虫歯では艶のない白色で、進行すると茶色や黒に変色します。

・神経を抜いた歯

神経を抜いた歯は、そのままにしておくと次第に歯の材質が劣化を起こし、くすんだ茶色やグレーに変色していきます。

・詰め物の着色

レジン(主に保険診療で使用されるプラスチック素材)の詰め物は、着色しやすく、年数が経つと徐々に劣化して黄色くなっていきます。

・加齢

加齢が進むと、歯の中の象牙質が茶褐色に変色していき、歯全体が黄色~褐色っぽくなって見えるようになっていきます。

・エナメル質の形成不全

体の中で歯が作られる段階で、なんらかの原因により表面のエナメル質が正しく形成されないと、部分的に白濁が起こったり部分的に凸凹になって黄色や茶褐色になったりします。乳歯の時に重度の虫歯が起こると、その影響で永久歯に形成不全が見られるケースが多いです。

・テトラサイクリン歯

テトラサイクリンとは1960 年代から使用されている抗生剤の一種で、妊婦さんや永久歯を形成している時期のお子さんが服用すると、いずれ生えてくる永久歯が全体的にグレーがかった状態で生えてくる恐れがあります。

・歯ぎしり

歯ぎしりによって歯が摩耗すると、表面のエナメル質が削れて中の象牙質がむき出しになるので、部分的に黄色く見えます。

2.この着色は自分で落とせるの?

歯の着色

結論から先に言えば、自分で落とせるのはステインレベルの着色のみで、それ以外の着色は、歯医者さんに相談して原因を見極め、適切な治療をしてもらうことを強くおすすめします。ちなみに、原因別の着色(着色のようにみえるケースも含む)の対処法は下記のとおりとなります。

2-1 ステインや加齢

・オフィスホワイトニングやホームホワイトニング

過酸化水素の漂白作用によって、エナメル層や象牙質の着色汚れを除去します。

・ホワイトニング歯磨き粉

ホワイトニングに特化した歯磨き粉は、薬事法によりホワイトニング成分(過酸化水素)を配合できないため、漂白作用はありませんが歯の表面のペリクル層の着色汚れを除去することができます。

2-2 歯石

・スケーリング

歯医者さんでスケーラーという特殊な刃物を使って削り落とします。

・PMTC

プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略で、歯科で専用器具を使って歯の清掃をする事をさします。超音波スケーラーや回転ブラシなどといった器具を使います。

歯のホワイトニング

2-3 虫歯

・虫歯の治療

虫歯は取り除いて治療する事で改善する必要があります。初期虫歯という早期の段階であれば、歯の表面が点状・帯状に白濁している状態に見えます。これは、エナメル質からカルシウムなどといったミネラル成分が一時的に溶け出してしまっているだけの状態で、歯を綺麗に保ち、フッ素を塗布することでミネラルが再び歯に取りこんで再石灰化を促せば、白濁を消すことも期待できます。

2-4 レジンの詰め物の着色

・詰め物の新調

詰め物を新しくしたり、着色しないセラミック素材などに交換します。

2-5 神経を抜いた歯やテトラサイクリン歯

・ウォーキングブリーチ

通常のホワイトニングでは落とせません。ウォーキングブリーチという、歯の内部にホワイトニング剤を注入する治療法などがあります。

2-6 エナメル質形成不全

・高濃度のフッ素塗布

エナメル質の形成状態が悪く、歯質の改善は難しいのですが、高濃度のフッ素を塗布してエナメル質の強化を促したり、それでも改善が見込めない場合は、樹脂を詰める事で補強したり、被せ物にしたりすることもあります。

2-7 歯ぎしり

・マウスピースや噛み合わせ治療

まずは、歯ぎしりの治療が最優先。マウスピースを使って食いしばりを和らげたり、噛合せの治療などを行います。

3.自宅で着色を落とすリスク

歯科治療器具

  • ホームホワイトニングの効果が出ない

前述した通り、自分で落とせるのは主にステインによる着色となります。従って他の原因がある場合には、ホワイトニングの効果がまったく得られない結果となり、そこにかけた費用もすべて無駄になってしまいます。

  • 虫歯の痛みが増す

虫歯によって黄変していたり黒ずんでいたりして、さらに痛みがある状態でホワイトニングをすると虫歯の痛みが増してしまうリスクがあります。

  • エナメル層を傷つけてしまう

磨けば白くなるものと思い込み、研磨性の強い歯磨きでゴシゴシこすってしまうと、エナメル質を傷つけて逆に着色しやすい状態になってしまいます。また、加齢によってエナメル質が薄くなっているような場合も歯を強く研磨するような歯磨きは禁物です。

4.まとめ

とても気になる歯の着色ですが、その原因は数多くあって、しかも自分で落とせる着色は非常に限られていることがお分かりいただけたはずです。ステイン系の着色でない限り、ネット通販などでさまざまなホワイトニング系の薬剤を試してみてもほとんどが無駄になってしまう可能性が高いのです。自分であれこれ試す前に、まずは歯医者さんでその原因を見極めることをおすすめします。

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監修医矢島昇悟先生

青山通り歯科 院長

■院長略歴

2007年 日本歯科大学 生命歯学部卒業
2008年 埼玉県羽生市 医療法人社団正匡会 木村歯科医院
2010年 埼玉県新座市 おぐら歯科医院
2011年 東京都文京区 後楽園デンタルオフィス
2015年 東京都港区 青山通り歯科 院長
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