5歳の子どもの歯の状態は? 気をつけることは?

5歳 歯

5歳の子どもの歯の状態は? 気をつけることは?

子どもの成長が実感できるシチュエーションのひとつとして、お口の状態の変化があります。乳歯が生えてきたとき、乳歯が抜けたとき、そして永久歯が生えてきたときなどは、本当に嬉しいものですよね。しかし分かりやすく成長が見える一方で、同い年の子どもと比べたり、一般的な成長の目安と見比べたりして、少しでも違っている点があると心配になってしまうのが親心というものです。特に、永久歯が生えてくる時期はナーバスになってしまいがちですが、子どもの成長には個人差があります。日々、お子さんの口の中を観察して状態を把握してさえおけば、さほど神経質になる必要はありません。ここでは5歳の子どもの一般的な歯の状態と、この年齢で気をつけておくとよいことをご紹介します。

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この記事の目次

1.5歳の歯の状態

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永久歯への生えかわりを待つ時期

5歳の子どもの歯は一般的に、20本の乳歯がすべて生えそろい、永久歯への生えかわりを待っている状態となります。それ以前のように、日々新しい歯が生えてくるということはないので、お口の中の状態に大きな変化が見られないことが特徴です。

生えかわりが始まる子どももいる

永久歯への生えかわりは6歳ころが目安とされています。しかし、近ごろの子どもは成長が早い傾向があり、5歳ころから生えかわりが始まるお子さんもいます。どこかに強くぶつけたなど特別なことがあったわけではないのに、自然に歯がグラグラし始めたら、そろそろ生えかわる時期だととらえてください。

目安の年齢よりも少しタイミングが早いために、心配になってしまう親御さんもいるかもしれませんが、子どもの成長には個人差があります。もっと早くにグラグラし始める子どももいるので、問題はありません。乳歯から永久歯への生えかわりは6歳を起点に前後2年くらいと考えておくとよいでしょう。

歯と歯の間に隙間ができてくる

乳歯が生えそろってから永久歯への生えかわりまでの間に、だんだんと歯と歯の間に隙間ができてきます。これは永久歯が生えてくるための準備としてあごが発達段階に入っているためです。歯の隙間が気になり、歯並びを心配してしまう親御さんもいるかもしれませんが、順調に成長している証なので心配はいりませんよ。

5歳の子どもの歯で気をつけてあげること

子どもは甘いものが好きだったり、しっかりと歯みがきができていなかったりという理由から、虫歯になりやすいものです。前歯の裏側や歯と歯の間、歯茎の境目は、常に磨き残しがないか確認しましょう。

なかでも5歳の子どもは、奥歯と奥歯の間が虫歯になりやすいといわれています。仕上げ磨きをするときなどはこの点を意識するとよいでしょう。(5歳の子どもの歯みがきについては3章でくわしくご紹介します)

あごの成長をチェック

1-3で紹介した通り、5歳の子どもは永久歯への生えかわりに向けて、歯と歯の間に隙間ができてきます。隙間が適切に広がってこない場合、あごの成長が十分でないかもしれません。成長していないあごには、永久歯が生えてくるスペースが十分ではありません。そのため、いざ永久歯が生えてきたときに、でこぼことな歯並びになる恐れがあります。

そのような兆候が見られたら、まずは子どもによく噛む習慣を身につけさせるとよいでしょう。噛むことであごの筋肉が刺激され、骨が発達することで、あごが成長していきます。

歯がグラグラしてきたら

この時期に乳歯がグラグラしてきたら、永久歯へ生えかわるサインです。グラグラしている歯はとても気になるものです。子どもが舌や手で触りすぎてしまわないよう注意してあげてください。歯は特別な事情がない限り、自然に抜けるのを待つのが一番です。無理やり抜いたり折ったりしてしまわないように気をつけましょう。どこかに強くぶつけたなどの理由で歯がグラグラしている場合には、歯医者さんに相談してください。

すぐに永久歯が生えてこないことも

5歳のころに乳歯が抜けた場合、そのあとすぐに永久歯が出てこない可能性もあります。しかし、歯茎の中では確実に永久歯が生える準備がなされているので、歯茎のムズムズ感や違和感などで、歯みがきを嫌がってしまうお子さんもいます。

いくら歯がないからといって、歯みがきを怠ってしまうと、そのあとに生えてくる永久歯が虫歯になってしまう恐れがあります。特に初期の永久歯はやわらかく虫歯になりやすいので、口の中を清潔に保ってあげるよう心がけましょう。

2.5歳の歯みがき

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親と一緒に楽しい歯みがきタイム

なんでも大人の真似をしたがる5歳ころの子どもは、ひとりでの歯みがきに慣れるのに適した時期です。前歯、奥歯、歯の裏側などのブラッシング方法を、丁寧に教えてあげましょう。

お父さんやお母さんと一緒に、見せあいっこをしながら歯みがきをするのもよいですね。そうすることで、正しい歯ブラシの動かし方などを実際に見せながら教えることができます。また磨き残している箇所をその場で指摘してあげられるので、歯みがきが早く上達していきますよ。

必ず仕上げ磨きを

いくらひとりで歯みがきができる年齢といっても、やはり大人による仕上げ磨きは必要です。この時期に虫歯になりやすい奥歯と奥歯の間は、特に丁寧に磨いてあげましょう。

歯ブラシだけでは十分でないと感じたら、フロスを使うのも効果的です。この場合は、小さな子どもの歯と歯の間に通しても歯茎を傷つけないような、細い糸のものを使用してください。

歯みがきを嫌がる場合には

永久歯への生えかわりのタイミングで、痛みや違和感を覚えて歯みがきを嫌がったり、そもそも歯みがき自体が嫌いなお子さんには、歯みがきが楽しくなるような演出をしてあげましょう。お子さんが好きなキャラクターの絵がついている歯ブラシを選んだり、口の中のバイキン退治という目的を持たせることも効果的です。

また歯みがきの必要性や、歯みがきをしないとどうなってしまうかを、歯みがきを題材とした絵本を活用するなどして丁寧に理解させてあげましょう。親子で一緒に歯みがきをする場合には、お母さんの歯を子どもが、子どもの歯をお母さんが、というように、楽しく磨きあいをしながら歯をきれいにしていくのもよいですね。

3.まとめ

子どもが5歳くらいのころは、きたるべき永久歯への生えかわりをワクワクしながら待つ時期です。あまり大きな変化がないのが一般的ですが、だからこそ意識して口の中をチェックすることで、日々の状態を正しく把握し、お子さんの歯の健康を守ってあげましょうね。

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監修医 飯田尚良先生

飯田歯科医院

院長

【経歴】
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る
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