痛い!子どもの口内炎、どうやって治す?

痛い!子どもの口内炎、どうやって治す?

大人でも出来てしまうと痛くてイライラする口内炎。ついつい気になって舌の先で触ってしまったり、せっかく治りかけてたのにうっかり噛んでしまったり、治ったと思ったら別のところに出来てしまったり……一度できると中々なぜか治らない、なんて経験をしたことありませんか?小さな子どもがこんな口内炎になったら大人以上に我慢し難くてイライラ不機嫌になってかわいそうですよね。何度も繰り返してしまう、全然治らない、しつこい口内炎の治し方をご紹介します。

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この記事の目次

1.子どもの口内炎の原因

傷、やけどなどで起こる口内炎

傷や、やけどを負ってしまい、それがそのまま口内炎になってしまうことがあります。熱い食べ物で火傷したり、食事の時にうっかり口を噛んでしまったり、強い力で歯みがきをしていて歯ブラシのヘッドで口の中を傷つけてしまったり、遊んでいる時に顔をぶつけて、歯で口の中を切ってしまったりと、子どもが口の中を怪我してしまう危険性は日常の中で意外と多いものです。また、歯並びの矯正をしている際、矯正器具が原因で口内に傷が出来てそれが口内炎になることもあります。

免疫トラブル、ストレスの影響で起こる口内炎

体を守るために必要な「免疫力」。これがストレスなどによって低下してしまうと口内炎になります。睡眠不足や不健康な生活が続くと免疫力は下がってしまいます。深夜のテレビや、スマートフォンが原因でつい夜更かししてしまうお子さんも多いとは思いますが、免疫力が下がると口内炎以外にも風邪などの病気にかかるリスクが高くなりますので、十分な睡眠や健康的な食事をするようにしましょう。

カビの一種で起こる口内炎

前述した免疫力の低下したため、「カンジタ」など、カビの一種が口の中で増えて、口内炎になることがあります。健康であれば滅多にならないタイプの口内炎なので、何かの病気を併発している可能性が高いので注意が必要です。

食べ物、薬物、金属が刺激となりアレルギー反応で口内炎

食べ物や薬物などのアレルギー反応で口内炎になることがあります。最近では食物アレルギーを持つ子どもが増えてきていますし、薬の副作用なども心配です。また、前述した矯正器具の金属によってアレルギー反応が出てしまうこともあります。

口内環境が不衛生

口内環境が不衛生であった場合に口内炎になります。口の中に常にある菌である「カンジタ」も口の中が清潔で無かった場合に増えることがあります。また、口内が不衛生だと虫歯や歯周病の原因にもなります。

2.子どもの口内炎の種類と特徴

アフタ性口内炎

最も一般的な口内炎が「アフタ性口内炎」です。ぽつっと小さいできもので、真ん中がくぼんでおり、白か黄色の膜で覆われていて、そのまわりが赤くなります。痛みがあり、特に食事した時に食べものがしみることがあります。免疫力の低下やストレス、ビタミン不足などが原因言われており、普通は1~2週間くらいで治りますが、何度も出来てしまう「再発性アフタ性口内炎」というものもあります。

ウイルス性口内炎(ヘルペス性口内炎・ヘルパンギーナ)

口内炎はウイルスに感染することでなることがありますが、その中でも「ヘルペス性口内炎」は小さな子どもがかかることが多い口内炎です。特徴としては痛みが強く、熱がでます。また、口の中だけではなく、唇の外側や、喉にも小さな水ぶくれがたくさんできます。また原因はエンテロウイルスというものですが、「ヘルパンギーナ」という病気も、痛みが強い口内炎ができ、水ぶくれ、発熱など、ヘルペス性歯肉口内炎と似たような症状がでます。夏にかかることが多いため、「夏かぜ」と呼ばれています。同じエンテロウイルスによる「手足口病」もその名の通り口と手足に小さな水ぶくれができます。

カタル性口内炎

「胃が弱っていると口内炎ができる」と聞いたことがある人もいるかと思います。「カタル性口内炎」はまさしく、胃が弱っていると出来てしまう口内炎です。他には口の中を怪我したり、口の中が不衛生で虫歯があったり、熱い食べ物で火傷したときにできることも多いです。小さな子どもはおもちゃなど口に入れておしゃぶりした際に出来てしまうことがあります。

カンジタ性口内炎

体が弱って免疫力が下がっていたり、口の中が清潔で無かった場合、「カンジタ」という口の中にある菌(カビの一種)が増殖してしまって出来た口内炎を「カンジタ性口内炎」と言います。痛みがあり、口中に白い苔のようなものが地図状に広がるのが特徴です。重い病気を持っている人や、免疫力が低い妊娠中のお母さん、小さな子どもがかかることが多いと言われています。

アレルギー性口内炎

「アレルギー性口内炎」は口の中でアレルギー反応が起こってできる口内炎です。果物や野菜を食べた時にできる口内炎は、花粉症と関係してる場合が多く、花粉症の原因であるスギやヒノキ等の植物と同じ系統の果物や植物を食べるとなることがあるそうです。また、人によってチョコレートや牛乳、そばでもアレルギー性口内炎になってしまう場合も。

3.口内炎を小児歯科で治療する場合

小児歯科で治療。発熱を伴う場合は小児科へ

口内炎の治療と言うと、口腔外科のイメージがありますが、子どもの口内炎は、小児歯科、もしくは小児科で治療することが出来ます。アフタ性口内炎やカタル性口内炎は、小児歯科で治療ができますが、ウイルス性のものは発熱などの症状が出る場合もあるので、小児科へ行くと良いでしょう。

口内炎の薬の処方

お医者さんでは、直接口内炎に塗る軟膏や口内炎の進行や悪化を防ぐためのうがい薬を出してもらえます。アフタ性口内炎のように、1~2週間で治癒するものもあったり、薬局で口内炎の薬やパッチが市販されていますが、心配な場合はお医者さんに相談することをおすすめします。

歯の調整

口の中が傷つくと口内炎の原因になります。なので、歯のとがった部分や、歯を治療した時の詰め物が口の中を傷つけて、口内炎を引き起すこともあるのです。歯の鋭さや、詰め物が原因だった場合はそれらを削ることで治療を行います。

歯科検診で口内を清潔に

口の中が不衛生だと口内炎になってしまうことがありますが、「虫歯」自体も口内炎の原因になることがあります。口の中には元々たくさんの菌がいますが、虫歯のせいで細菌が増えてしまい、バランスが崩れてしまうのです。家での虫歯予防も必要ですが、歯医者さんでも定期的に検診してもらいましょう。

噛み合わせが原因の場合も

ごはんを食べてる最中に口の端を噛んでしまったり、頬を噛んでしまったりして、それがそのまま口内炎になってしまうことがありますよね?しかも、治りかけの時に限ってまた噛んでしまって再発することもあります。このように何度も口の中を噛んでしまって口内炎が出来る場合は、噛み合わせに問題がある可能性もあります。一度、歯医者さんで噛み合わせを見てもらいましょう。

4.口内炎の治療方法、小児科での治療

アフタ性口内炎とカタル性口内炎の治療

小児科、小児歯科で口内炎の軟膏や口内炎の進行や悪化を防ぐためのうがい薬を出してくれます。アフタ性もカタル性も早く治すには口の中を清潔に保つことが大事です。また、免疫力の低下が原因のこともあるので、規則正しい生活を心がけましょう。

ウイルス性口内炎の治療

ヘルペス性口内炎やへルパンギーナ、手足口病はウイルス性のため、お医者さんにかかるのが一番です。ヘルペス性口内炎は薬を飲むことによって10日ほどで落ち着きますが、一度なってしまうと度々再発することがあります。これらのウイルス性の口内炎は痛みが強いので、痛み止めや軟膏を処方してもらえます。

カンジタ口内炎の治療

カンジタ口内炎の治療には抗真菌薬のフロリードゲルやアンホテンシンBを処方してもらえます。ただ、カンジダ性口内炎は、重い病気がとあわせて発症することが多いので、心配であったり、心当たりがある場合はすぐにお医者さんにいきましょう。

アレルギー口内炎の治療

症状に合わせて、抗ヒスタミン剤もしくは副腎皮質ホルモン剤が処方されます。アレルギー性故にアナフィラキシー反応などの危険性も考えて、ちゃんとお医者さんに相談しましょう。

お医者さんに行きましょう

アフタ性口内炎であれば、1~2週間で自然治癒する場合もありますが、ウイルス性のものや、アレルギー性のもは病院での治療が必要になることもあります。また、カンジタ菌が原因であった場合、他に病気がある可能性もあるため、自己診断せずに病院に行きましょう。

5.口内炎の自宅ケア

水分をたくさんとる

口の中が乾燥していると、唾液が減ってしまいます。唾液には免疫機能があるため、少なくなると菌が増殖したり、虫歯や歯周病になったり、結果口内炎につながってしまうのです。また、ヘルパンギーナは夏になることが多く、口内炎に強い痛みを伴う為、脱水症状になることがあります。ちゃんと水分をとって、乾燥やウィルスの増殖を防ぎましょう。

食事に気を付ける

栄養不足が口内炎の原因になることがあります。また、胃が弱っていると口内炎になることもあります。口内炎になっている時はスープ類や、茶碗蒸しなどの、ちゃんと栄養がとれて、食べやすく、胃に優しい食事がおすすめです。

避けるべき食品は?

口内炎にしみたり、胃に刺激を与えるような食品は控えるようにしましょう。スパイスや炭酸飲料、しょう油などのしょっぱい調味料も口内炎にしみてしまいます。また、甘いもの食べ過ぎも胃に良くありませんので、食べ過ぎに注意しましょう。

ビタミン摂取を心がけましょう

ビタミン類の不足で口内炎ができる場合もありますので、ビタミンB2(レバー、青魚、乳製品、大豆)、ビタミンB6 (レバー、ナッツ、バナナ)、ビタミンC、ビタミンA(緑黄色野菜、果物)をバランスよく食べましょう。

口の中を清潔に

口の中が清潔でないと、口内炎以外にも虫歯や歯周病になってしまうことがあります。普段の歯磨きも大事ですが、よく噛んで食事をすることで口の中の唾液が増え、免疫力が上がり、胃に負担もかかりません。生活の中で虫歯と口内炎予防をしていきましょう。

6.まとめ

様々な口内炎がありますが、アフタ性口内炎である場合、子どもが使える塗り薬、スプレー薬、貼り薬など、薬局に市販されていますので、薬剤師さんに相談してみるといいかもしれません。それでも治らない場合や、何度も口内炎を繰り返してしまう場合はお医者さんに行きましょう。なにより、普段から口内炎にならないような健康的な生活を送れると良いですね!

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監修医 高橋貫之先生

本町通りデンタルクリニック

【経歴】
2003年 大阪歯科大学 卒業
2003年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 入学
2007年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 修了
2008年 大阪歯科大学 勤務
2016年 大阪歯科大学(歯周病学 助教)退職
2016年 本町通りデンタルクリニック 勤務
現在に至る。
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