赤ちゃんは歯みがきを嫌がることがあります。赤ちゃんのイヤイヤに困ったときの対処法や、歯みがきに慣れさせるちょっとしたコツなども合わせて紹介していきます。
この記事の目次
1.歯が生える前後で違う赤ちゃんの歯みがき方法
歯が生える前はガーゼ、生えたら歯ブラシ
赤ちゃんの歯みがきケアは、歯が生える前にはガーゼで、生えたあとには専用歯ブラシで磨くのが基本となります。
歯みがき=歯ブラシで磨くことと思いがちですが、まだ歯が生え揃っていない赤ちゃんに対して、焦って歯ブラシで磨く必要はありません。赤ちゃんはよだれをたくさん出して、さまざまなばい菌からお口の中を守っています。そのため、慌ててケアをしなくても、口内は十分きれいに保たれているのです。
また、始めのころは、赤ちゃん専用歯ブラシを嫌がる赤ちゃんもいます。ぐずるようなら、ガーゼや綿棒でやさしくこするように磨くケアをしながら、少しずつ歯ブラシに慣れさせていきましょう。
歯が生える前のガーゼ歯みがきのやり方
歯が生える前の赤ちゃんには、ガーゼを使って歯みがきケアを行います。
まずは、授乳や離乳食のあとにお茶を飲ませて、お口の中の食べ残しをきれいにしましょう。次に、親御さんの膝の上に赤ちゃんを仰向けに寝かせます。その状態で、ガーゼを人差し指に巻き、ぬるま湯や水で湿らせてください。湿らせたガーゼを、赤ちゃんのお口の中に入れ、汚れをやさしくなぞるように取り、拭き取れば完了です。
ガーゼ歯みがきの注意点
ガーゼ歯みがきをする際には、以下のことに注意してください。
・ガーゼの誤飲に注意
ガーゼを指に巻かずに赤ちゃんのお口の中に入れてしまうと、赤ちゃんが誤って飲み込んでしまう可能性があります。また、繊維がお口の中に残り、誤飲してしまう可能性もあります。必ずガーゼは指に巻くようにして、お口の中に残らないように注意しましょう。
・指は奥まで入れすぎない
赤ちゃんのお口の中は小さく狭いです。指を奥まで入れすぎてしまうと、気持ち悪くなって嘔吐する可能性もあります。胃の内容物が逆流すれば、それが気管内に入る誤嚥などに繋がる可能性もあります。ガーゼ歯みがきの際には、指を入れすぎないように細心の注意を払いましょう。
・お口の中に触れるときは、力を入れすぎないように
お口の中をきれいにしようとゴシゴシこすってしまうと、それが原因で口内を傷つけてしまうことに繋がります。やさしく撫でて、力を入れすぎないように注意してください。
・衛生上、使用後のガーゼは使い捨てに
中には、洗って再度使用する人もいるようです。しかし、赤ちゃんのお口の中に入れるものですので、衛生面を考えるとガーゼは使い捨てた方がよいでしょう。
赤ちゃん専用歯ブラシでの歯みがきのやり方
赤ちゃんに乳歯が生えてきたら、赤ちゃん専用歯ブラシを使ったケアに移行していきましょう(移行時期の目安は2章で紹介します)。
持ち方は鉛筆を持つようにして、力を入れすぎないように注意しましょう。力加減の目安は100~150g程度で、思った以上にやさしい力加減です。磨くときも、力を入れてゴシゴシする必要はありません。弱い力でも歯の汚れは十分に落ちます。
ブラシは4mm幅程度で動かすようにしましょう。歯の面にブラシを直角に当てて、歯茎がブラシで傷つかないように、人差し指で保護するようにして磨きます。奥歯を磨くときには、歯ブラシを持っていない指で口の脇を広げ、顎や頬などに歯ブラシを持った手を固定して磨きます。
最後に、ガーゼなどで余分な歯みがき粉を拭き取ったら完了です。
赤ちゃん専用歯ブラシの使用上の注意
赤ちゃん専用歯ブラシで歯みがきをするようになったら、専用の歯みがき粉を使って歯みがきしましょう。泡立ちにくくやわらかめの、ジェルタイプの歯みがきを選ぶようにし、可能な限り赤ちゃん用・小児用の歯みがき粉を選ぶようにしてください。赤ちゃん用や小児用の歯みがき粉には研磨剤が入っていないため、やわらかい赤ちゃんの歯を傷つけずにすみます。
赤ちゃんは口をすすげないので、歯みがき粉は少なめにつけることが大切です。歯みがき粉に記載の容量などを参考に、歯ブラシに取りましょう。大人にとって定番のミントの歯みがき粉は、赤ちゃんには刺激的なので使わないようにしてください。
また、歯みがきをする際には、決まった時間に磨くようにすると、赤ちゃんも習慣だと認識していきます。時間帯をある程度決めて行いますが、赤ちゃんの歯みがきは1日1回程度で十分です。虫歯が怖いからと磨きすぎないようにしましょう。
赤ちゃんに自分で歯ブラシを持たせて歯みがきに慣れさせる場合は、喉をつかないように注意をしてください。喉をつかないようなストッパーの付いた歯ブラシを使うようにしましょう。
歯を磨く時間帯は?
歯みがきをする時間帯は、ガーゼで磨く場合、専用歯ブラシで磨く場合、どちらの方法でも寝る前が効果的です。寝ている間はよだれの分泌も少なく、口中に菌が繁殖しやすくなります。
夜寝ている間に雑菌の繁殖を減らすためにも、なるべく寝る前に歯みがきをするようにしましょう。
2.ガーゼから専用歯ブラシへ移行する時期の詳細
赤ちゃん専用歯ブラシでの歯みがきケアの時期
下の前歯2本が生えてきたら、ガーゼから専用ブラシに移行していきましょう。月齢の目安としては6か月程度です。1歳になると前歯が4本揃うので、この6か月~1歳の時期を目安にするとよいでしょう。ただし、歯が生え始める時期には個人差があります。遅いからといって心配しなくても大丈夫です。歯が生えかけの時期は、ガーゼや綿棒で磨いても問題ありません。
嫌がって歯みがきできない…でも、大丈夫?
歯みがきしなくても、赤ちゃんはよだれが多く、虫歯菌に侵されにくいという特徴があります。歯みがきが長時間になると、どうしても赤ちゃんがぐずりやすくなるので、ストレスを感じない程度に留めましょう。赤ちゃんは神経質に歯みがきを徹底しなくても大丈夫なのです。
3.歯みがき用のガーゼ・専用歯ブラシの選び方
歯みがき用ガーゼの選び方
歯みがきに使うガーゼは、蛍光剤などが使われていないものを選びましょう。繊維は綿100%のものを使います。使用するときには、人差し指に巻きつける程度の大きさにカットして使うと、誤飲などを防げて磨きやすくなります。
専用歯ブラシの選び方
専用歯ブラシといっても、さまざまな形や特徴のものがあります。どのような歯ブラシを選べばよいのでしょうか。以下に歯ブラシ選びのポイントを挙げますので、参考にしてみてください。
・柄が握りやすいもの
・ブラシの毛先が長め
・毛質のやわらかいもの
・毛束が密集していないもの
・毛先の形は丸く細いものより、なめらかな処理がされているもの(カットはギザギザよりフラットなものがベスト)
・色のついたカラフルな歯ブラシ
赤ちゃんに歯ブラシを握らせ、歯みがき習慣に慣れさせるための歯ブラシを選ぶ方もいるでしょう。その際には、赤ちゃんに握らせても問題ないものを選ぶようにしてください。
最初は磨くのではなく、お口に入れることを習慣づけさせるために持たせます。そのため、持っていて楽しいカラフルな歯ブラシがおすすめです。また、お口に入れても痛くない、毛質のやわらかいものがよいでしょう。大人が仕上げ用に使う歯ブラシは、磨きやすい長い柄のものを別で用意します。赤ちゃんの安全のためにも、歯の健康のためにも、面倒ですが使い分けをするのがおすすめです。
4.歯みがきを嫌がる…知っておきたい対処法
お口に触れる遊びを取り入れて楽しく
磨かなきゃ!という気持ちよりも、遊びのひとつのように取り入れるのがコツです。歌ったり、話しかけながら歯みがきをし、歯みがきタイムが楽しくなるようにしてください。頬をポンポンと叩いて遊んだり、口などに触りながら、遊びの一貫のように歯みがきをしていくと、赤ちゃんはストレスになりません。寝かせると嫌がる赤ちゃんは、寝かしながら身体を揺らしたりして寝姿勢自体に慣れさせます。遊びの要素を取り入れるなら、例えば、いないいないばぁなどをして、寝かせ磨きに慣れさせましょう。
歯みがきをしたら褒める
磨いたあとには褒めることを徹底してください。歯みがきを嫌がる赤ちゃんが多いので、歯みがき後は褒めて気分よくしてあげる習慣をつけると、だんだん歯みがきへの抵抗がなくなっていきます。赤ちゃんでも褒められると機嫌がよくなりますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
マイ歯ブラシを持たせるときは…
自分で歯を磨く習慣を身につけさせたいなら、お父さんお母さんも歯ブラシを持って、歯を磨くふりをしましょう。赤ちゃんも真似るので、歯みがきの動きが身についていきます。赤ちゃんや子どもだけの歯みがきタイムではなく、家族全員の歯みがきタイムにしてください。
赤ちゃんの心地のよい体勢で
赤ちゃんが歯みがきを嫌がったら、体勢に問題があるのかもしれません。おっぱいをあげるときのように胸の前で抱っこしたり、膝の上に乗せるなど、赤ちゃんの落ち着く体勢を選ぶのが大切です。日々赤ちゃんを歯みがきしながら、落ち着ける体勢を探っていけるといいですね。
5.まとめ
小さいころからの習慣づけが、そのあとの歯ブラシ習慣の礎となる場合もあります。赤ちゃんのころから、できるだけ楽しい雰囲気の中で歯みがきをする習慣を身につけましょう。
よだれが多い時期は虫歯にはなりにくく、比較的赤ちゃんのペースに合わせて歯みがきをすることができます。様子を見ながら、歯みがき嫌いにならないように、楽しい雰囲気の中で遊びの一環のようにして取り入れてみてください。