虫歯予防のために知っておくべき!子どものお菓子の選び方

子ども お菓子

虫歯予防のために知っておくべき!子どものお菓子の選び方

子どもは、お菓子の時間が大好き。しかし、おやつにだすお菓子の選び方によっては虫歯になるリスクを高めてしまうので気をつけなければなりません。「どのようなお菓子をあげると虫歯になりやすいのか」「虫歯になりにくくするためにはどのようなおやつをあげたらいいのか」といった疑問に具体例をだしてお答えします。なにも考えずに子どもが食べたいものを好きな時間にあげていると、虫歯だらけの歯になってしまうかもしれませんよ。

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この記事の目次

1.子どもにはお菓子は不可欠

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お菓子は大事な栄養補給源

子どもの成長には、毎日の食事と同様にお菓子は欠かせません。どちらも大切な栄養素を摂取するために必要なのです。
大人と違って子どもは消化機能が十分に発達していませんから、1度の食事でたくさんの量を食べることができません。そのため、小分けにして栄養をとり込まなければならないというわけです。
ですから、子どもにとっては、お菓子は3度の食事をおぎなうための軽い食事と考えてください。決して甘いものを食べる時間とは限らないのです。おやつの時間に甘いものをあげると、次のごはんをしっかりと食べられなくなってしまう可能性もあるでしょう。

おやつを食べさせる時間とタイミング

お菓子は、子どもが欲しがるときに与えるものではありません。食事の時間と同じく、おやつの時間もきちんと決めておきましょう。幼児の場合には、朝食と昼食の間の午前10時と、昼食と夕食の間の午後3時の2回をおやつタイムにするのが一般的です。
小学生になると学校や塾、習い事などの予定があって、おやつの時間を決めるのは難しいでしょう。そのような場合でも、夕食に影響がでないようにタイミングと量を調節しましょう。欲しがるままに与えてしまうと、夕食を食べられなくなってしまうかもしれません。
お子さんによって適量が異なるでしょうから、このタイミングであればどのくらいの量におさえておくのがいいか経験を積んで考えていきましょう。小学生の場合には運動量も多いですし、お菓子よりも腹持ちがよく満足感を得られる小さめのサンドイッチやおにぎりなどのほうがいいかもしれません。

2.子どものためのお菓子の選び方

虫歯になる危険の高いお菓子

砂糖が多く含まれていて、お口の中に長い間残るようなものは虫歯になる可能性が高いのでおすすめできません。特に砂糖や果糖、ブドウ糖といった成分には注意しましょう。
また、味覚が発達する3歳ころまでは甘いものを積極的に食べさせる必要はないでしょう。味を知らなければ、食べたがることがありません。甘いものはおいしいですから、味を知ってしまうと欲しがるのは仕方ないですよね。甘いものを我慢させるのは大変ですから、早いうちに甘いものを食べさせなくてもいいでしょう。

虫歯になる危険が高いとされる代表的なお菓子は次のとおりです。

・クッキー……糖分が多く、バターが大量に練り込んであります。歯にくっつきやすく、食べかすもお口に残りやすいでしょう。
・あめ、キャラメル……糖分のかたまりを食べているようなものと考えましょう。お口の中の滞在時間も長いので注意してください。
・チョコレート……糖分が高く、歯につきやすいだけでなく、習慣化しやすいという特徴があります。
・ケーキ……糖分が多く、歯にくっつきやすいものが多いでしょう。食べさせるときには、少量に切り分けてください。

このほかにもカステラ、和菓子、ビスケット、マドレーヌ、かりんとう、ウエハースなどがあてはまります。

虫歯に比較的なりにくいお菓子

虫歯を防ぐためには、糖分が少なく、歯にくっつきにくいお菓子が理想です。とはいえ、お菓子のほとんどには糖分が含まれていますよね。ですから、糖分がはいっていてもすぐに食べ終わって、歯にくっつきにくいものを選びましょう。

たとえば、次のようなお菓子がおすすめです。

・おせんべい……砂糖があまりふくまれていません。
・スナック菓子……比較的砂糖が少ないうえに、サクサクとした食感で砕けやすいのが特徴です。
・アイス……お口の中にはいっている時間が短いでしょう。

そのほかにも砂糖を使っていないビスケットやクラッカー、プリン、ゼリー、ナッツ類のほか、お菓子ではないですが果物、さつまいも、かぼちゃ、するめなどがおすすめです。
砂糖の代わりとしてキシリトールやソルビトール、ステビアなどの甘味料を使っているお菓子を選ぶのもひとつの方法です。

3.お菓子をあげる際の注意点

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ダラダラ食べはNG

長い時間なにかを食べているとお口の中が虫歯になりやすい酸性にかたむくので、ダラダラ食べの習慣はつけないようにしましょう。
砂糖を含んだものを食べると虫歯菌が活発になり、酸をつくりだします。歯は酸に弱いので、溶けて虫歯の原因になるのです。食べ始めてから数分たつと歯の表面が溶け始めますが、だ液に中和されて歯の表面が元に戻ります。これを再石灰化といいます。
ところが、頻繁に食べ物やジュースをお口にいれていると、再石灰化する間もなく歯が溶けていって虫歯になってしまうのです。

お菓子の組み合わせを考える

おやつのときに一緒にだす飲み物にも気をつけてください。
炭酸飲料やジュース、イオン飲料などは砂糖がたっぷりはいっているので、虫歯予防の点からはおすすめできません。おやつの時間には、お水やお茶、牛乳を飲ませるといいでしょう。

乳歯は食べかすがつまりやすい

乳歯の奥歯は溝が深く、食べ物がつまりやすい形をしています。さらに、歯の表面にあるエナメル質も永久歯に比べて薄くて弱いので、虫歯になりやすい状態であることを頭にいれておきましょう。

おやつのあとも歯みがきを

これまでお伝えしたように、砂糖は虫歯になりやすいので注意しなければなりません。とはいえ、甘いものを一切食べてはいけないわけではありません。甘いものを食べる喜びもありますから、楽しみのために甘いものを食べる時間を大切にしてもいいでしょう。しかし、食べさせた後にはしっかりと歯みがきをするように気をつけてください。
歯みがきは3度の食事の後にするものだと思っている人が多いようですが、お菓子を食べた後にも歯みがきをする習慣をつけましょう。ただし、おやつの後に歯みがきをできない場合も多いでしょう。そういったときには、ブクブクうがいをするだけでもかまいません。もしくは、お水やお茶を飲んでお口に残った食べかすや汚れを洗い流しましょう。

4.まとめ

虫歯を予防するためには、お菓子の選び方が重要です。
毎日のことですから、なにも意識せずに甘いものばかりを与えていては虫歯になるリスクが高まってしまいます。幼いころから虫歯になりにくいおやつの習慣をつけていれば、お子さんも苦に感じることはないでしょう。
ある程度大きくなったお子さんには、虫歯になる仕組みを説明して、おやつの食べ方を親子で一緒に考えてもいいですね。
歯医者さんでの定期的な検診も忘れずに受けましょう。

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      監修医 高橋貫之先生

      本町通りデンタルクリニック

      【経歴】
      2003年 大阪歯科大学 卒業
      2003年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 入学
      2007年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 修了
      2008年 大阪歯科大学 勤務
      2016年 大阪歯科大学(歯周病学 助教)退職
      2016年 本町通りデンタルクリニック 勤務
      現在に至る。
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