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 矯正装置が外れてしまった時の応急処置

矯正装置にはさまざまなものがあり、また人によって歯の使い方や口の動かし方が違うため、外れてしまう原因もさまざまです。なかでも多いとされているものとして、固いものをかんだ時、運動などで歯をくいしばった時などが挙げられます。歯に負荷をかけてしまった後に口の中に違和感を感じたら、矯正装置が外れていないか確認してみるとよいでしょう。ここでは矯正装置別に、外れてしまった時の対処法をご紹介します。

ブラケットが外れてしまった場合

矯正装置で最も外れやすいとされているのがブラケットです(ブラケットが外れやすい理由は2-3でご紹介します)。ブラケットが外れてワイヤーの上でプラプラと動く状態になってしまったら、歯医者さんでもらったワックスを使って、外れたブラケットをワイヤーに固定しましょう。奥歯のブラケットが外れてしまった場合、その影響でワイヤーも外れてしまうことがあります。そのような事態を防ぐため、ワイヤーの先端を折り曲げるなどして対処しましょう。ただし、自分でワイヤーを折り曲げることを繰り返していると、ワイヤーが折れてしまうことがあります。あまりに何度もブラケットが外れる場合には、歯医者さんに相談してみてください。

ブラケットが完全にワイヤーから外れてしまったら、清潔な状態で保管し歯医者さんに持参しましょう。状態によっては再利用できる場合もあります。

ワイヤーが外れてしまった場合

◆メインワイヤーが外れたら

ワイヤーは、無理な力が加わることでブラケットから抜けてしまったり、飛び出てくることがあります。ブラケットから抜けてしまった場合、元の位置に差し込むことができるならば、自分で差し込んでも問題ありません。

飛び出たワイヤーが口の中を刺激する場合は、ワイヤーとブラケットをワックスで固定するか、飛び出た部分を爪切りなどを使って切断します。切断する際は、切ったワイヤーが口の中に飛んでいくことを防ぐため、切り離す側をしっかりと指でおさえておくことが重要です。万一の場合、切断したワイヤーを飲み込んでしまう恐れもあるので、十分注意してください。

◆リガチャーワイヤーが外れたら

ブラケットとメインワイヤーを結ぶ役目を担っているリガチャーワイヤーは、ブラケットの横でつくった結び目がメインワイヤーの内側にあるのが正常な状態です。しかし歯みがきなどの影響で、この結び目が飛び出てきてしまうことがあります。この場合の応急処置としては、ようじや割り箸を使って、結び目をメインワイヤーの内側に押し込みます。

パワーチェーンが外れてしまった場合

パワーチェーンが外れて口の中でプラプラしてしまったら、ハサミなどを使って切断します。パワーチェーンはゴム製なのである程度簡単に切ることができますが、切る際に口の中を傷つけたりしないよう注意しましょう。切った後でも口当たりが悪い場合は、歯医者さんに相談してください。

パワーチェーンはつけ始めてから2週間経っていれば、そのままにしておいてよいとされています。2週間以内に外れてしまった場合はパワーチェーンが担う役目を果たせていない恐れがあるので、すぐに歯医者さんに相談しましょう。

バンドが外れてしまった場合

バンドは奥歯につける輪っか状の矯正装置ですが、奥歯には日常的に大きな負荷がかかるので、外れたり、壊れたりすることがあります。カタカタと動いたり、浮き上がった感じがする場合には、バンドが外れている可能性があります。放置すると矯正効果を得られないばかりか、奥歯が虫歯になってしまう恐れもあるので、すぐに歯医者さんに相談してください。

セパレーターが外れてしまった場合

セパレーターは、矯正装置を装着するために歯と歯の間に隙間を作る時に使われる装置です。ゴム製のものが一般的ですが、真鍮製のものもあります。隙間を作るためのものなので、セパレーターが適切に作用していると歯と歯の間に隙間ができ、自然と外れることがあります。

次回の診察までの期間が4〜5日程度であれば外れたままにしておいてよいですが、10日以上間があいてしまうと、せっかくできた隙間が閉じてしまう恐れもあるので、受診日を早めるなどして対処しましょう。

矯正装置,外れた

矯正装置が外れてしまう理由

矯正装置は外すことが前提

矯正装置は他の被せ物とは異なり、治療後に外すことを前提につけられています。「取れにくく、外しやすい」という絶妙な強度で装着されているので、100%外れなくすることはできません。ですから外れてしまった場合には、その都度対処してくほかありませんが、あまりに頻繁に外れてしまうようでは矯正効果が得られなかったり、治療期間が長引いてしまうので、歯医者さんに相談してみるとよいでしょう。

かみ方の癖や食べるもの、歯みがきの仕方が原因となっている場合もあるので、ご自身の生活を見直すことも大切です。(3章で、矯正装置を外れにくくするために気をつけることをご紹介しています)

矯正により歯が動いてきている

矯正治療が進んでいくにつれて歯並びが変化していき、その結果、矯正装置が外れやすくなることがあります。1章でご紹介した応急処置は、あくまで一時的なものです。短期間の内に何度も外れるような場合で、次回の診察までに期間がある時には、歯医者さんに連絡して受診日を早め、歯と装置の状態を確認してもらうとよいでしょう。

ブラケットが外れる代表的な理由

特に外れることが多いブラケットについて、考えうる代表的な原因をご紹介します。当てはまることがないかをチェックして、必要に応じて歯医者さんに相談してみるとよいでしょう。

◆金属やセラミック治療をした歯

ブラケットは矯正歯科用の接着剤で歯につけていますが、この接着剤は歯の表面にあるエナメル質に接着することを前提に作られています。そのため本来の歯と比較して、銀歯などの金属やセラミックの歯にはつきにくいのです。このような歯の場合、特殊な処理をしてから接着剤を使用しますが、それでも外れてしまうことがあります。

◆フッ素を塗った歯

フッ素を塗っている歯も、矯正歯科用の接着剤と相性がよくありません。ブラケットをつける際には歯に前処理を行いますが、フッ素を塗った歯はエナメル質が強化されており、十分に前処理を行うことができないのです。このような歯に対しては、前処理の時間を長くするなどして対処します。

◆歯の湿り気が強い

接着剤は水分に弱いため、唾液の分泌が多い人もブラケットが外れやすくなります。

◆噛み合わせが深い

過蓋咬合と呼ばれる深い噛み合わせも、ブラケットが外れる原因となります。過蓋咬合とは、上の前歯で下の前歯が隠れるほどに噛み合わせが深い状態のことで、ブラケットがそれぞれの歯に当たり、外れやすくなります。

◆ブラケットの上で固いものをかんだ

矯正装置に慣れない内は、ブラケットの上で固いものをかんでしまうことがありますが、これによりブラケットに負荷がかかり、外れやすくなってしまいます。慣れるまでは固いものを食べることは控えるとよいでしょう。

矯正装置を外れにくくするために

食べ方・かみ方に注意

矯正装置は、強い力が加わることで外れやすくなります。食事をする際には固いものを避けたり、もし食べる場合でも小さく切って、かみやすいようにしてから口の中に入れてください。またかみちぎって食べることも避けた方がよいでしょう。

食べ物に注意

矯正期間中は、リンゴや煎餅、肉などの固い食べ物はなるべく控えましょう。アメや氷などをかんでしまう癖がある人も、注意が必要です。

また、キャラメルや餅、ガムなど、粘着性の高い食べ物は矯正装置にくっつきやすく、装置が外れたり、歯みがきの際のみがき残しにつながってしまうので、避けることをおすすめします。

触りすぎないように注意

矯正を始めたばかりの頃は、どうしても口の中にある装置が気になって、指や舌で触りたくなってしまうかもしれません。しかし触り続けると、外れたり、折れたりといった矯正装置の不具合につながってしまうので、意識して触らないよう心がけましょう。

入念な歯みがきを

直接的に矯正装置が外れることにはつながりませんが、矯正期間中に気をつけるべきこととして、入念な歯みがきがあります。矯正装置をつけていると、十分な歯みがきができずに汚れがたまってしまい、虫歯や歯周病の原因となってしまいます。常に歯ブラシを携帯して、食後すぐに歯みがきをしましょう。この際、強くみがきすぎると装置が外れたり、壊れやすくなったりするので、丁寧に優しくみがくことを意識してください。

矯正装置が外れることによる影響

矯正装置が外れたまま放置するのはやめましょう。一見、問題ないようにみえても、矯正装置は絶妙な力加減で歯を動かしています。装置が正しく機能していないと、目的とする歯並びになるまでに想定よりも長い時間がかかってしまったり、せっかく動いてきた歯が後戻りしてしまう可能性もあります。

矯正装置が外れたら自己判断で放置したりせず、必ず歯医者さんに相談してください。

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2022-08-16T14:54:53+00:00