高橋デンタルクリニック

簡単に言えば、「歯だけを診てはいけない」ということです。歯科医師は、虫歯や歯周病、口の中の患部だけを診るのではなく、ライフスタイル全般への影響も考えて診なくてはいけません。私は、大学で「歯大工」になるなよ、と先生や先輩から言われました。「歯だけを治す仕事をして喜ぶのではなく、医科の一部として、患者さまの健康を維持するための、歯科が専門の医者だということを大事にしろ」という意味です。病院の歯科に勤務していたとき、入院していた患者さまに急に熱が出たことがあり、いろいろ調べたら歯周病が原因だったということがありました。「口の中から健康をサポートする」と言っておりますが、歯科医師は歯が専門の医者であるということを実感しています。

患者さまの希望することを、納得のいく状態まで持っていけるよう妥協しないことだと思います。例えば入れ歯も、患者さまがきちんと噛めるようになるまで、何回も、とことん付き合っていこうと思ってます。これは自分の治療に対するプライドでもあるのですが、自分が作った入れ歯に違和感があるというのであれば、患者さまの健康はもちろん、生活を損なっているという意味もありますので、妥協することなく細部まで調整させていただいてます。また、保険診療と自由診療では、扱う素材や器具の違いはありますが、技術の質を変える、ということはありません。患者さまにとことん付き合う、これが私の考える治療ですね。

患者さまによく誤解されるのが、自由診療と保険診療を提示して「保険で」というと「手を抜かれそう」と思われてしまうことですね。当院では、保険診療と自由診療のメリット・デメリットを患者さまにご提示し、どちらも治療技術に差はないことをしっかりとお伝えします。もちろん自由診療であれば、主に見た目の差はどうしても出てしまいます。しかし、機能的な部分は変わらないというお話をし、ご理解いただけたうえで、決めていただいてます。治療の延長線上に保険と保険外があるだけで、やっていることはほとんど変わらないということをしっかりと患者さまにお伝えするときには、とても気をつけています。

スタッフと私は同じチームの一員であって、対等な立場だと思っています。もちろん、医院としての方針を決定するのは私なので、それについてきてもらうというのはありますが、私からスタッフの教育や指導というのはまったくしておりません。当院の歯科衛生士は実力ある方々ですので、患者さまとの信頼関係作りや、歯に興味をもってもらう意識作りのお手伝いなどは、自主的に行ってくれています。
当院の方針は、「患者さまのためにできることは何でもやる」というものですので、スタッフ一同、一人ひとりが一生懸命に患者さまのために仕事をしています。スタッフの人数が多いわけではないので、時々井戸端会議をして、情報を共有するようにしております。

急性の炎症を放置してしまうことです。急に歯茎が腫れたり、痛みが出たり、頬っぺが腫れたりという炎症ですね。親知らずや虫歯が原因ということもありますが、そのまま放置してしまうのは非常に危険です。私が経験した中では、数名の方が命を落としかけたこともあります。炎症が起き「すぐ良くなるかな？」と放置したまま2、3日痛みが続くようであれば、何か危ないことが起きている証拠です。そういった症状の患者さまがいらっしゃいましたら、すぐに歯科医院へ行っていただきたいと思います。特に、糖尿病をお持ちの方など、身体の状態が悪い方は、あっと言う間に菌が回ってしまいますのでご注意していただきたいです。
それから、親知らずも、一度でも痛かったり腫れたりうずいたことがあれば、それは抜いた方が良い親知らずと言えます。前科のある親知らずは、とっておいても役に立つ歯ではありません。逆に、症状が出ていない親知らずは、抜かなくても問題はありません。

祖父の代から、この場所で3代やらせていただいていると、昔私の父や祖父に「診てもらった」という方が尋ねて来てくださることがあります。父や祖父の時代からの信頼関係がある、ということは、とてもありがたいことですし、患者さまに対して何かお返しを、恩返しをしていかなければいけないと思っています。
この辺りは昔から「医者町」と呼ばれる、医院がとても多い地域であるので、歯科医院もたくさんあります。町の発展と共に医院も増えましたが、現在では街も医院も高齢化してしまい、新しい医院は少ない状況です。ですが、この辺りも近い将来、再開発の手が入り、世代交代する時代がやってくると思います。そのときに、「しっかりとした治療、新しい治療をしてくれる歯科医院」として地域の皆さまに認知されたいと思っております。歯のトラブルが起きたとき、「高橋デンタルクリニックに行ったら？」と言ってもらえるような歯科医院を目指します。父や祖父の築いた、患者さまとの信頼関係を私も守り続けたい、地域の皆さまに恩返しがしたいと心から思っております。