五十嵐歯科医院

私の祖父も父も歯科医師をやっていまして、祖父がこの土地で歯科医院を開いて、私で3代目になります。
開業したのが昭和7年ですから、もう80年以上になりますね。
私の場合は、親からの薦めもありましたし、気が付いたときには自分も歯科医師を目指していました。
人の役に立つ仕事ですし、信頼関係を築く仕事ですから…やってみようかな、と思いました。

横須賀は、横浜まで30分、東京まで1時間と都市に近い距離にあるのに、海も山もあって自然が豊かなところです。魚なんかもお手頃で新鮮で、とても美味しいんですよ。半島ですから、東京湾と相模湾どちらの海の幸も楽しめます。
住んでいる人たちが、どこかのんびりしていて温かいのも、横須賀の良いところで、心の安らぎというか、余裕のある方が多いと感じますね。

ご来院される患者様の中には、畑を持っていて農作業を楽しんでいるという方も結構いるんですよ。都会のような大きなビルに囲まれて…というのではなく、ここみたいに、山があって緑や空が綺麗に見えて…というような場所で仕事ができるのは幸せですね。

痛みを取るとか、噛めないものを噛めるようにするとか、困っている方の役に立てるところでしょう。
以前、大学病院に勤務していた時は、急患で酷い症状の方がよくいらっしゃったんです。転んで前歯を折っちゃったお子さんとかねそういった方を急いで処置して、本人や親御さんに喜んでもらえると、本当に嬉しいです。

今は開業医ですから緊急の患者さまはあまりありませんが、治療を継続していくことで患者さまとの信頼関係が築き上げられるところがやりがいですね。「先生の顔を見るとほっとする」とか「落ち着く」などとおっしゃっていただけると、継続して治療してきたかいがありますね。

特にうちの場合は、古くから同じ場所で開業していますから、祖父の代から治療している患者さまもいらっしゃいます。祖父が入れたかぶせ物を私がチェックする、なんてこともあるんですよ。これは長く治療を続けてきたからこそ感じられるやりがいですね。

私は子供が2人いるのですが、その子供たちと一緒にいろいろな体験をすることです。
最近は芋堀りに行きましたし、栗拾いにも行きますよ。夏は海に泳ぎに行ったりと、子供と遊ぶことが趣味なんです。最近の子供たちは自然と触れ合う機会も少なくなっていますし、四季を感じる行事を大切にしたいなって思ってるんですよね。

横須賀に住んでいるメリットはここにもあって、オタマジャクシやザリガニも捕りに行けるし、子供がもう少し大きくなったら魚釣りも一緒にしたいですね。子供たちには、手と身体と頭で自然や四季をしっかり感じてもらいたいと思っています。

でも、ただ楽しいだけじゃなくて、この体験が私自身の患者さまへの接し方や診療にもつながります。小さなお子さんの患者さまに対して、「この子が自分の子供だったらこうするだろうな」と考えながら治療することもあるんです。子供との時間を大切にすることで、患者さまの気持ちが分かるようになってきたな、と感じます。

実は、パワースポット巡りが趣味なんです。父や矯正治療を担当していただいている先生に教えていただいたのですが、気合いを入れて治療するときとか仕事をするときって、気を出しちゃうから疲れちゃうんですよ。歯科医師は細かい作業がありどうしても神経を使うんです。そんな時にパワースポットに行くと、パワーをもらって元気になれるんですよね。

湖とか神社仏閣とか気持ちいいところへ行って、空になったエナジーをチャージする、という感じですかね。最近は日光へ行ってきました。東照宮の裏に滝尾神社というところがあって、そこが元々の日光発祥の地なんですよ。昔は東照宮しか知らなかったんですけど、今ではすっかりマニアになっちゃいましたね。

開業から90年、100年を迎えることを目標に頑張っていきたいです。100年続いている医院って、そんなにありませんからね。

僕が祖父から数えて3代目であるように、患者さまの中にも3代目の方がいらっしゃいます。そういったつながりを大切にしてしていくと同時に、新しく当院を訪ねてきてくださった患者さまも、インターネットなどの媒体や、口コミでご来院された患者さまも一つのご縁ですから、お一人おひとり、大切に治療していきたいと考えています。

そしてこのご縁を、将来は自分の子供にも引き継いでもらえればいいなと思います。