歯周病や虫歯といった歯の病気、事故などで失った歯を補う方法はいくつかあります。当院ではできるだけ元のお口の状態に戻してあげたいと考え、インプラントを推しています。インプラントが、義歯を入れる方法の中でも自分の歯に近く、しっかり噛めるものだからです。天然の歯は戻ってきませんが、すでに歯を失ってしまったところはインプラントで補い、そのほかの自分の歯はそれ以上失わないように保護していくことが可能です。
当院長はインディアナ大学の医学部でも解剖学を学びました。歯が直接つながっているのは歯茎ですが、その歯茎にはあごの骨があり、上の歯の周りに鼻があるという具合に、歯は頭蓋とつながっています。そのため、頭蓋すべてを解剖学で総合的に学びました。それにより、口の中だけを見るのではなく、頭蓋全体を見たインプラントの治療を提供しています。例えば、鼻に近いインプラントや、神経に近いインプラントなどの対応は容易ではないのですが、頭蓋全体を知っていることで対応出来るようにしています。ただインプラントを埋め込むだけではなく、全体を見てほかの器官との調和を考えてインプラントの治療を行うことが、私たちのインプラントのやり方です。
現在私は、大阪大学歯学部の総合診療部の臨床准教授として在籍しております。歯学部の中の総合診療部では、虫歯や根管の治療、歯茎だけではなく、歯科口腔外科なども含めた総合的な診療を行っています。大学で治療を教え、研究をしていると、総合的な新しい知識やデータが非常に早く入ってきます。その知識を治療にも反映することで、当院で新しい治療をご提供し続けられると考えています。
インプラントで重要になることは、もう一つあります。それはアフターケアです。ご自身の歯と同じく、インプラント治療を行った部分も定期的にメンテナンスすることで、インプラントの持ちを良くし、長くインプラントを使い続けることができます。当院では、手術直後には月に1度ご来院いただき、インプラントの状態を拝見しています。状態が安定してきてからはご来院の頻度を数か月に1度とし、その都度インプラントのメンテナンスを行っています。