当院では、歯科治療の主役は患者さまであるという考えに基づき、歯科医師の一人よがりにならないよう心がけながら診療を行っています。歯科治療の方法は、必ずしも一つだけとは限りません。治療法一つひとつについてご説明し、患者さまのお望みを伺います。しっかりと患者さまの同意を得ることこそが大切です。初診の際には問診票を書いていただくのですが、その際に悪いところは全部治療したいのか、今痛みを感じているところだけ治療すればいいのか、通院日時は決めたほうがいいのかといった治療や通院についてのご要望を伺います。そしてご要望に基づいて、どのような治療をどれだけの期間行うかなどを決めていきます。
通院の日程や時間については、患者さまのご要望に合わせ、無理なく通院していただけるスケジュールを立てるようにしています。今週は比較的時間があるので頻繁に来たい、来週は忙しくて来られないというのであれば、それに合わせて治療計画を立てます。患者さまは歯科治療以外にも仕事や勉強、遊びなどさまざまなスケジュールをお持ちです。その中で時間を割いてご来院いただくわけですから、無理なスケジュールを組むと、歯科医院に通うのは面倒だという意識が芽生えがちです。通院や治療に対する苦手意識が生まれ、歯科医院から足が遠のいてしまうことになりかねません。無理なく自然にご来院いただけるようなスケジュールを立てることで、定期的に通院していただき、診療を続けていただければと考えています。
治療にあたっては、「より良い口腔環境をつくること」を念頭に置いています。具体的にはできるだけ自然な噛み合わせにすることです。歯並びや噛み合わせが自然の状態に近くなれば、その分ブラッシングがしやすくなります。ブラッシングがしやすくなれば、歯や歯茎を健康に保ちやすくなります。考えるべきは、その場限りの治療ではなく、長い目でトータルで見た治療です。5年後、10年後のお口の環境を予想しながら、治療方法をご提示し選んでいただいて、それに沿って進めていきます。
患者さまが主役の歯科治療を実現するために、当院は対話を大切にしています。そのために気をつけているのが、医院内の雰囲気づくりです。たとえば、治療に対して痛いのは嫌だ、歯を抜きたくないといった要望は患者さまも口に出しやすいものです。しかし、ちょっとしたご意見・ご要望は、「こんなことをいちいち言うのは」と口に出すことを遠慮しがちです。そのようなちょっとしたご要望もきちんと汲み入れ、無理することなく通院していただきたいと考えています。
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