予防歯科は、あらかじめ虫歯や歯周病にかからないために行う、歯のクリーニングや歯科検診がメインです。しかし、日本では病気にかかってから歯科医院へ行かれる患者さまが多く、まだまだ予防への意識が成熟しているとはいえません。当院は、大人の方へはもちろん、特にお子さまにしっかり予防をしていただけるよう努めています。
小さい頃はまだ歯も柔らかく虫歯にかかりやすい時期で、その頃に虫歯にかかったかどうかが、成長後の歯の丈夫さに大きな影響を与えます。乳歯のうちはフッ素塗布(※)をしたり、歯磨きで歯を強くしたりと、大人とは少し異なる処置もしています。個人差はありますが、だいたい小学校低学年から高校1年生くらいまでは、予防を継続していただくことが大切です。
大人の場合、25歳を過ぎてくると、虫歯ではなく歯周病の予防がメインとなってきます。だいたい30歳を過ぎる頃には歯周病にかかりやすくなり、その進行具合によっても治療や予防の方法は変わってきます。これまでほとんど歯の病気にかかったことがないという方でも、年を重ねるごとにそのリスクは上昇しますので、やはり定期的に歯科医院へ来ていただいて、検査と予防をしっかりと行っていただくのが良いでしょう。
※自由診療です。料金は料金表を確認してください。
歯周病の治療は、まず歯に付いた歯石取りをしていきます。その後検査を行ってどの程度の進行具合であるかを判断し、検査結果によって治療内容が異なってきます。症状が軽いうちであれば外科処置を施す必要もありませんが、歯茎が炎症を起こして腫れ上がっている段階ですと、歯周ポケットが深くなっていくことにもつながります。そのため、まずは歯周ポケット内の汚れを取り除くスケーリングをしていきましょう。
汚れは8時間もすると取り除くのが難しいバイオフィルムに、そして1週間程度で歯石へと変化し、だんだんと除去が難しくなっていきます。症状を食い止めるためには、歯に直接影響を及ぼしやすい骨に接している歯石を除去していくことが、何よりも重要です。歯周ポケットが4ミリ程度の初期の歯周病は、一度処置を受けていただくと、ご自身のケアで汚れを掻き出すことができる3ミリ程度に改善させることが可能です。
当院は定期健診の際に歯石が付いているようであれば患者さまご自身の口内を手鏡でお見せしながら説明し、歯周病は決して口内だけの問題ではなく、悪化すれば糖尿病への悪影響などさまざまな疾患につながることをお伝えしています。単に治療をするだけではなく、口内の病気がどのような影響をもたらすかという知識、いわゆるデンタルIQを高めていただくことにも力を入れ、高い意識を持って歯の健康維持に努めていただけるようご提案しています。