生えかけの親知らず、抜歯は必要?痛む原因とは

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親知らずは歯並びの一番奥にあり、永久歯の中で一番最後に生えてきます。親元を離れた年齢に生え始め、親が認知することが無いことからこの名前がついています。

親知らずが生えかけてきた際に、痛んだり腫れたりして悩む方も多くいらっしゃいます。抜歯して良いのか、そのままでも良いのか等、対処方法の疑問を解消するために親知らずに関する知識をまとめてみましたので、是非参考にしてみてください。

この記事の目次

1.生えかけの親知らずが痛む4つの原因

 

ここでは、生えかけの親知らずが痛む4つの原因について紹介していきます。

 

親知らずが歯茎を突き破っている

親知らずが生えてくる際には無理やり歯茎を突き破ってしまいますので、歯茎を圧迫したり切れる時に痛みが伴います。正常な歯と同様に生えてくれれば比較的痛みを感じにくいのですが、横向きや斜め向きなどの変則的な生え方をしたり、歯の奥の骨に引っ掛かってしまうと親知らずがスムーズに生えてくることが出来ず、長期にわたってひどく痛みます。

親知らずが歯茎を突き破ると傷口のような状態になってしまうため、汚れや細菌がどうしても溜まってしまいます。すると細菌感染を起こして歯茎が腫れて痛み、生えてくる痛みも加わって辛い痛みを招きます。

 

歯茎が圧迫されている

親知らずが生えかけているとき、横や斜めに向いて生えてくると手前の歯との間に食べカスが詰まりやすくなります。これによって歯茎が圧迫されてしまいます。これも親知らずが生えてくると痛みを感じる原因の一つです。

なかなか除去できない食べカスは、どんどん奥に押し込まれて歯茎を圧迫し続けるため痛みがひどくなります。また詰まった食べカスは細菌の温床となり、繁殖した細菌が歯茎を腫れさせます。そのため親知らずが生えかけているときは極力食べカスが詰まらないように注意することが重要です。

 

虫歯ができている

生えかけの親知らずは歯並びの一番奥に位置するため歯ブラシも届きにくく、磨き残しが生まれるため非常に虫歯になりやすい歯です。虫歯の症状が進行すると通常の虫歯と同じように痛みが出てきます。歯の周りの歯根膜という組織まで虫歯菌が入りこむことで痛みが起こり始めます。

また繁殖した虫歯菌は歯茎の腫れの原因にもなります。そして親知らずの周囲の歯にも影響を及ぼし、隣接する歯が虫歯になって歯茎が腫れてしまい同じように痛みます。親知らずは、痛みなどの自覚症状が無くても知らない間に虫歯になっていたり虫歯菌が繁殖していたりする可能性が高いので、注意が必要です。

 

歯周病になっている

親知らずは虫歯と同様、歯周病にもなりやすい歯です。歯垢や歯石が歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の隙間の部分に溜まり、それが原因で細菌が繁殖して腫れや痛み、酷い場合は膿んだりします。口臭の原因にもなりますし、酷くなると歯周ポケットの周りの骨が溶けてしまうこともあります。

親知らずは横向きや斜め向きなど変則的な生え方をすることが多いため、周辺に深い歯周ポケットを作ってしまいます。そのため親知らずが生えかけの時期は、非常に歯周病菌が繁殖しやすい環境になるのです。

2.痛みがあるときの4つの応急処置

 

親知らずが生え始めたときの痛みに有効な応急処置の方法を紹介していきます。仕事や学校などで忙しく、すぐには通院できないときに参考にしてみてください。

 

親知らずの近くを冷やす

親知らず周辺が痛むときは、保冷材や氷嚢などを頬に当てて冷やすと痛みを軽減させることができます。しかし、冷やしすぎると刺激により痛みが増す場合もありますので、ある程度冷やして痛みが治まったら様子を見ましょう。

 

市販の鎮痛剤を服用する

あまりにも痛みが強く、我慢ができないけれど、すぐに歯医者さんへ行くことができないという場合は市販の鎮痛剤を飲むと痛みが和らぎます。

おすすめは「ロキソニンS」で、歯科医院で処方される痛み止めと近しい成分を持っているため、辛い痛みを和らげてくれます。「ロキソニンS」は、痛みを抑える効果だけではなく、腫れを抑える効果も持ち合わせているため親知らずの生えかけの痛みには非常に効果的なお薬です。その際、説明書は良く読み、使用方法と使用量をきちんと守りましょう。

 

優しく歯みがきをする

歯茎の腫れや痛みは、口内に繁殖した細菌が原因です。そのため歯磨きによって、口内に存在する細菌の数を減らすことが効果的な対策となります。その際、腫れている歯茎の周辺を歯ブラシで傷つけないように、柔らかい歯ブラシを用いて優しく磨きましょう。

さらに歯間ブラシやデンタルフロスも使用すると、より効果的に細菌を減らすことができますので、こちらも是非活用してみてください。

 

柔らかい食べ物を食べる

痛みや腫れがあまりにも酷く、食事をするのが困難な場合は、痛みがひどい期間だけ高カロリーゼリーなどを食事の替わりにしてもよいでしょう。生えかけの親知らずは歯茎を突き破っているので痛みを感じ、炎症を起こしたり、腫れたりすることもあります。そのため煎餅のような硬いものを食べると、患部に接触して傷が悪化する原因となってしまう可能性があります。

また、刺激の強い食品も痛みを悪化させる原因となりますので控えましょう。なるべく柔らかくて刺激の少ない食べ物を食べるようにし、患部に負担をかけないように心がけましょう。”

3.生えかけの親知らずは抜歯すべき?

 

「親知らず=抜歯が必要」と思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、必ずしも抜歯が必要な歯というわけではありません。ここでは、抜歯したほうがいい場合、抜歯しないほうがいい場合について解説していきます。

 

抜歯したほうがいい場合

虫歯になっている親知らずは抜歯をしなければなりません。親知らずにできた虫歯を治療しても、その後のケアが難しく、高確率で虫歯を再発するので抜歯をするのが良いでしょう。また、生え方が悪い親知らずの場合も同様にメンテナンスが難しく、他の歯に干渉して歯並びを悪くする可能性もあるため、抜歯したほうがいいと言えます。

 

抜歯しないほうがいい場合

逆に抜歯をしないほうがいいのは、通常の歯と同じように、まっすぐ生えていて歯磨きがしやすく、他の歯に悪影響を及ぼす可能性が無い場合です。健康な親知らずは残しておくと、歯を失った際に移植して代替として使用したり、ブリッジを入れる際の土台として使用したりできます。

 

親知らずを抜歯するメリット

親知らずを抜歯するメリットは多いため、正常に生えていて特に問題の原因にもならず残しておいた方が良い場合を除けば、抜いてしまった方が得策です。

メリット①
歯茎を押したり隣の歯を干渉したりして痛みや腫れの原因となっている場合、親知らずを抜歯することによりそれらの症状からスッキリと解放されます。

メリット②
親知らずがまっすぐに生えず歯並びに悪影響を与えている場合は、圧迫されて位置がずれていた歯が元に戻ることにより歯並びが良くなり、周囲の歯を押すことにより生じていた痛みからも解放されます。

メリット③
虫歯や歯周病になりやすい親知らずを抜歯することにより、周囲の歯を守ることにも繋がります。

メリット④
虫歯菌や歯周病菌が繁殖して口臭の原因となることがありますが、その場合口臭の改善が期待できます。

4.親知らずの抜歯にかかる費用と時間

 

親知らずの抜歯を検討しているけれど、どれくらいの費用や期間がかかるのか気になっている方もいらっしゃるでしょう。親知らずはその生え方や状態によって費用も期間も異なってきますので、それぞれのケース別に分けてご紹介します。

 

まっすぐに生えている場合

費用:2,000円程度
所要時間:10分程度
通院回数:3回程度

 

横向きに生えている場合

※歯茎を切開して歯の本体と根っこの部分を分けて施術する場合

費用:3,000円程度
所要時間:20分程度
通院回数:3~4回程度(抜歯後の状態にもよります)

 

歯茎に埋まってしまっている場合

※覆っている歯ぐきや骨を除去したり、歯をいくつかに砕いて抜歯しますので、施術工程が多めにかかります。

費用:4,000円程度
所要時間:30分前後
通院回数:3~4回程度

 

その他の費用

抜歯後の状態にもよりますが、また、別途かかる費用として、親知らずの抜歯の際には口の中の状態を把握するためにパノラマレントゲンを撮影しますので、これにも1,500円程度の費用がかかります。親知らずが埋まっていたり、神経の傍にある場合にはCTレントゲンでの撮影が必要になりますので、その際の費用は3,000円程度かかります。

 

※今回ご紹介した料金は保険診療の場合の大体の目安で、他に初診料や処方される薬の内容によって費用は上下しますので、まずはかかりつけの歯科医院で相談してみましょう。

監修医

高村 剛先生

高村歯科医院 院長

経歴

出身校(最終学歴) 北海道医療大学 歯学部

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