黒いけど痛くないのは虫歯?気になったときにチェックしておきたいこと

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虫歯 黒い 痛くない

口の中を鏡で見たとき、歯が黒いと「虫歯かな?」と心配になる方も多いのではないでしょうか。実は、黒いからといって虫歯とは限らず、ほかの要因も考えられるのです。痛くないから、とそのままにしておかないほうがよいこともあります。この記事では、歯に黒い箇所が見られるけれど痛みは出ていないという症状について、その原因や考えられる病気について紹介しています。歯に黒い部分があって気になっているという方は、ぜひ読んでみてください。

この記事の目次

1.歯の黒くなっている箇所で異なる原因

1-1.歯のすきまや溝、歯茎との境が黒い

歯の噛みあわせや溝の部分、歯茎との境のところが黒くなっている場合は、

・虫歯
・詰め物や被せ物の変色
・歯石の付着

といった原因が考えられます。

奥歯の噛みあわせの凹部のみぞや歯と歯の間が黒い場合には、虫歯である恐れがあります。初期虫歯であれば痛みが出ない場合もあるため、痛くないから虫歯じゃないとは限りません。
また、以前に受けた処置で詰め物をした部分が黒い場合には、治療に使用した化学樹脂が変色していることが考えられます。また、20年以上前に治療した詰め物の中には「アマルガム」という材料が使われていることがあり、その場合、それ自体や詰めた周囲の歯が黒く変色しているケースもあります。
歯石が原因の場合には、歯と歯茎の境に黒いものが見られます。白い、というイメージを持っている方も多い歯石ですが、歯石に血液が混ざると黒い歯石になるのです。

 

1-2.歯の表面が黒い

歯の表面の一部、または全体が黒ずんでいる場合には、次のような原因が考えられます。

・タバコのヤニやステインが付着。
・治療により歯の神経を取ったことが影響。
・外傷性破折や歯髄炎など、神経がダメージを受けた。

ステインやヤニの付着が疑われる場合は、黒というより茶色に近い色をしていることが多いです。日常的にコーヒーやワイン、タバコ、濃いお茶をたしなむ方は注意が必要です。

過去に歯科治療で神経を取っている方は、その影響が疑れます。
神経を失った歯には水分や栄養がいきわたりません。そのため、だんだんと黒ずんでいくのです。

「歯髄壊死」といって歯の神経が死んでしまった状態や、神経内で出血が起きた状態になると、歯が変色するため黒っぽく見えるケースがあります。
これらの症状の原因には、外傷によって歯の神経が充血を起こし、そのまま死んでしまうことや、もともとかなり深い虫歯で、何とか神経を抜かずにレジンという樹脂を詰めて治療された歯が少し時間を経て重症化し、神経が死んでしまった場合が挙げられます。虫歯は進行するとやがて歯の神経にまで達し、「歯髄炎」を引き起こします。歯髄炎になると痛みを感じますが、これを放置すると歯髄壊死となり、痛みをあまり感じなくなります。痛みがなくなっても、虫歯が治ったわけではないので注意が必要です。

2.歯が黒い原因別、対処の仕方や通院の必要性

2-1.嗜好品などによる着色汚れ

コーヒーをはじめとする飲み物や食べ物、タバコなどの嗜好品により歯の表面が汚れている場合には、まずはていねいにホームクリーニングをしてみましょう。

着色しやすい飲食物には、着色成分が含まれるコーヒーやお茶、紅茶があるほか、カレーなど色の濃いものは意外なものも着色汚れにつながるケースがあります。

しっかりと汚れを落としたい方や頑固な汚れを除去したい方は、歯医者さんへ行くことをおすすめします。
専用の機械でおこなうクリーニング(PMTC:Professional Mechanical Tooth Cleaning)では、普段の歯磨きで落とせない汚れをきれいにするだけでなく、歯の表面を整えます。歯がツルツルになり、汚れが付きにくくなるのがメリットです。
表面にこびりついた汚れや着色ではなく、歯そのものの色といった見た目だけの問題であれば、ホワイトニングやラミネートベニアといった美容診療による処置が選べるケースもありますので、まずは歯医者さんで相談することが大切です。

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2-2.詰め物の変色や劣化

以前に治療を受けた際に使用した銀歯、プラスチックが変色している場合には、歯医者さんに相談して新しい詰め物・被せ物に交換しましょう。

詰め物や被せ物は、使用する素材によって変色しやすいものとそうでないものがあります。より自然な色合いで長持ちする詰め物・被せ物を選びたい場合は、セラミックなど保険適用外の素材を視野に入れることもひとつの手です。
また、万が一詰め物や被せ物の下に虫歯があって黒く見えている場合には、早めに虫歯の治療をする必要があります。

2-3.虫歯ができている

点状の黒いものは虫歯である恐れがあるため、痛くないからと油断せず、歯医者さんを受診しましょう。

歯の表面にある「エナメル質」という層にとどまっている初期虫歯であれば、削らずに経過観察になる場合もあります。
しかし、きちんとケアをしていないとやがてエナメル質が割れて穴があき、治療が必要になります。歯の内部で虫歯が広がっていることもあるため、安易な判断はせず、歯医者さんで虫歯の進み具合を調べてもらうことをおすすめします。

2-4.歯石や歯垢が付着している、歯周病になっている場合

白い歯石はどの年代の方にもできるものですが、歯茎との境に黒い歯石がある場合は歯茎の出血が原因となっていて、歯周病が進行している恐れがあります。

歯周病は悪化すると、歯肉が腫れ、歯を支える骨を溶かすため、歯がぐらついたり抜けたりします。
歯周病は進み具合により治療方法が異なりますので、まずは歯医者さんで状況を診療してもらうことが大切です。

2-5.神経を取ったあとに黒くなってきた場合

神経がない歯を白くしたい場合、一般的なホワイトニングはあまり有効ではありません。
そのため神経がない歯には、歯の内側に1本ずつ薬剤を流し込むホワイトニング法や、表面に白い材料を塗る歯のマニキュア、白いセラミックの被せ物をする処置などがおこなわれます。

ただし、ホワイトニングも含め見た目を改善する治療は自由診療となっているほか、それぞれの方法にメリットやデメリットがあります。

歯やお口の中の状態によって受けられない場合もあるので、まずは歯医者さんに相談してみましょう。

3.まとめ

歯が黒いけれど痛くない場合に考えられる原因や対処法をご紹介しました。

歯に黒い部分があって気になったときは、虫歯の恐れもありますので歯医者さんで受診するのがおすすめです。

歯の状態により処置が異なるうえ、時間がかかるものなどもありますので、気になる方は早めに歯医者さんを受診しましょう。

 

参考サイト

e-ヘルスネット(厚生労働省)
歯の外傷治療ガイドライン – 日本外傷歯学会
たばこによる口への影響:練馬区公式ホームページ

 

【監修医 遠藤三樹夫先生のコメント】  

歯が黒い原因は多様なため、まずは歯医者さんに行って診てもらうことが大切だと思います。

 

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監修医

遠藤 三樹夫先生

遠藤歯科クリニック 院長

経歴

1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
 現在に至る

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