歯をきれいに保ちたい、歯医者さんでクリーニングを受けたいと考えている方にとって、歯石がきちんと取れるのか、料金はいくらかかるのかは気になるポイントですよね。普段の歯磨きで取りきれなかった歯垢や歯石は、長期間蓄積されると虫歯や歯周病の原因になります。これを防ぐためには、歯医者さんでの定期的なクリーニングがおすすめです。
この記事では、歯のクリーニングについての知識、相場、メリットを詳しくお伝えします。
※掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。
この記事の目次
1.歯のクリーニングにかかる料金は?
歯医者さんで受けられる歯のクリーニングには、「保険診療」と「自由診療」の2種類があります。クリーニングの目的に応じて料金が変わるため、予約時にはその目的をしっかり伝えましょう。
保険適用でのクリーニングにかかる料金
料金目安:3,000円程度
保険診療でクリーニングを行う場合、3割負担の方なら料金は約3,000円です。ただし、健康保険の規制により、保険診療のクリーニングは歯周病などの治療として扱う場合にのみ適用されます。予防目的や美容目的のクリーニングには保険が適用されません。
また、治療を目的としているため、処置前には検査が必要であり、料金には「検査料」「レントゲン撮影料金」「初診料」なども含まれます。
自由診療でのクリーニングにかかる料金
料金目安:5,000円〜20,000円程度
自由診療のクリーニングの相場には幅があります。料金に差があるのは、自由診療特有の理由によります。自由診療では、患者さんの希望や口の状態に合わせた治療方法を選ぶことができ、歯医者さんが個々に料金を設定できるのです。
保険診療とは異なり、通院回数を短縮したり、一人ひとりに合った方法でクリーニングを行えるため、「一回の施術ですべての汚れを落としたい」「歯にもっとツヤを出したい」「着色汚れをきれいにしたい」など、様々な要望に応えることができます。
2.保険適用と自由診療のクリーニングの違いは?
ここでは、保険適用と自由診療での詳しい施術内容や、かかる時間の違いについてご紹介します。
保険適用でのクリーニングの施術内容と時間
施術内容
保険適用のクリーニングは歯周病治療が主な目的です。そのため、歯周病の悪化を防ぐための「歯石取り」がメインとなります。
まず、歯と歯茎の状態をチェックし、虫歯や歯周病の状態を調べます。検査が終わったら、先端が鉤状になった「ハンドスケーラー」や「超音波スケーラー」といった専用器具を使って、こびりついた歯石をこそぎ落とします。
施術時間
歯石の付着がひどい場合は2〜4回に分けて行うこともありますが、定期的に歯石取りをしていて歯石の量が少ない場合は1回で終わることが多いです。かかる時間は1回につき30分程度です。
自由診療でのクリーニングの施術内容と時間
施術内容
自由診療のクリーニングでは、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)が行われることが多いです。PMTCとは名前のとおり「プロが専用の道具で行う専門的な歯のお掃除」で、自分では取りきることができない歯垢や軽い着色汚れを除去できます。
PMTCの内容や手順は歯医者さんやお口の状況によってまちまちですが、よくある施術の流れは以下のようなものです。
①染め出し、口腔衛生指導
専用の薬液を歯に塗り、歯垢を赤く染め出します。汚れのつき具合が目でしっかり確認できるので問題が分かりやすく、自分に合った歯磨きの仕方も教えてもらえます。
②清掃と研磨
歯の状態に合わせた研磨剤や道具を選び、表面や隙間に残った歯垢を丁寧に落とします。軽い着色汚れならこれできれいになります。器具はどれも柔らかい素材で、痛みはほとんどありません。
③フッ素、トリートメント剤の塗布
清掃と研磨が終わったら研磨剤を洗い流し、虫歯予防のためにフッ素を塗布します。 歯医者さんによっては、このあとさらに歯にツヤを出すためのトリートメント剤を塗布する場合もあります。
施術時間
1度の通院でかかる所要時間は1時間程度です。
3.歯のクリーニングで得られる4つのメリット
歯周病の治療または歯をきれいに保つために行うクリーニングですが、施術を受けることで具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。
①自分で取れなかった歯石が取れる
クリーニングで得られる一番大きなメリットは、歯石を除去できることです。歯石とは、歯垢が集まって石のように固くなったもので、歯にガッチリとくっついているため通常の歯ブラシでは取り去ることができません。
また、歯石の表面はザラザラしていて汚れがたまりやすい構造なので、放置していると細菌の巣窟となり、歯周病や虫歯を悪化させる原因にもなります。歯石の除去は予防の観点からとても重要なのです。
②本来の歯の美しさを取り戻す
歯のクリーニングでは、コーヒーや茶渋などでついた軽い着色汚れをきれいにすることも可能です。歯面にこびりついた着色汚れはPMTCなどの歯面研磨できれいにすることができます。さらに表面を滑らかにすることで、自然な美しさにすることができると同時に、歯石を付着しにくくすることもできます。
長年蓄積したヤニやかなり変色した歯の色は歯のクリーニングで元に戻すことは難しいので、白い歯に戻したいと希望される場合はホワイトニングも取り入れてみるとよいでしょう。
③虫歯や歯周病予防に効果的
歯のクリーニングで汚れや歯石を落とすことで、虫歯や歯周病の原因となる細菌を減らすことができます。また、PMTCによるクリーニングやフッ素塗布を行うことで、歯の再石灰化が促進され、虫歯予防により効果的です。
歯科医師や歯科衛生士と一緒に口の中の汚れを確認し、自分に合った正しい歯磨きの方法を教わることで、予防意識を高めることができます。また、歯のクリーニングを受けることで、見落としていた治療が必要な歯が見つかることも少なくありません。
④口臭予防にも役立つ
歯垢(プラーク)は細菌のかたまりなので、口臭の原因になります。歯と歯の隙間に溜まった歯垢や歯石を取り除けば、当然口臭予防にもなります。
4.まとめ
歯のクリーニングについての基礎知識、保険適用と自由診療の違い、料金形態についてご理解いただけましたでしょうか?自由診療でのクリーニングを検討される場合は、事前に料金などを確認しておくと安心です。治療方法も歯科医院によって異なるため、自分の口腔内の状態に合わせて検討してください。
また、定期的な歯科検診は虫歯や歯周病の早期発見につながります。虫歯を放置すると、後々治療費が高くなり、痛みも続く恐れがあります。最低でも3ヶ月に一回、定期健診を受けることをおすすめします。

監修医
飯田 尚良先生
飯田歯科医院 院長
経歴
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る
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