いつの間にかできている口内炎…食事や会話のたびに、痛んで、イライラしてしまいますよね。歯ブラシが当たるのがイヤで、きちんと歯磨きができない方も多いのではないでしょうか。
そんな嫌な口内炎を少しでも早く改善するために、お家で手軽にできるセルフケアに加え、歯科医院でプロが行う治療法についても紹介していきます。なかなか治らない口内炎で苦しんでいる方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
1.口内炎ができる原因とは?
いつの間にかできている口内炎。
口内炎ができる原因はいくつかあり、主に以下のようなものが考えられます。
・睡眠不足やストレス、疲労による免疫力の低下
・栄養バランスの偏り
・誤って噛んでしまったり、火傷などによる外傷
・入れ歯や矯正器具の干渉による外傷
2.口内炎を早く治す5つの方法
口内炎は通常、1~2週間で自然治癒します。しかし、違和感があったり、痛みが強い場合には1日でも早く治したいですよね。
ここでは、口内炎を早く治すための5つの方法ご紹介していきます。口内炎を早く治したい方は、ぜひ試してみてください。
①口内の清潔を保つ
口内炎を早く治すには、まず口内を清潔にすることが大切です。
うがい薬を使ったうがいは、口内炎の改善に効果的です。30秒ほどのぶくぶくうがいを、起床後、食後、寝る前など1日に数回行いましょう。うがい薬がない場合には、水や、生理食塩水でも代用が可能です。
※アルコール入りのうがい薬には刺激が強いタイプのもあるので注意が必要です
②十分な睡眠をとる
睡眠不足は免疫力を下げ、さらに口内炎を悪化させてしまいます。口内炎は疲労が溜まっているサインとも言われています。口内炎ができてしまったら、しっかり休養をとり、免疫力を回復させることが大切です。睡眠時間をしっかり確保するためにも夜更かしは禁物です。きちんと睡眠を取り、規則正しい生活を心がけましょう。
③食生活を見直す
口内炎ができたときは、消化の良い食事を心がけ、よく噛んで食べることが大切です。口内炎の痛みが強い場合には、ゼリーやスープ、茶碗蒸しなど、栄養がとれて食べやすいメニューを選ぶと良いでしょう。塩辛いもの、すっぱいもの、唐辛子やわさび、からしなどの香辛料は、患部を刺激し、さらに口内炎を悪化させてしまうため避けるようにしてください。
また、アルコールやタバコも、粘膜を刺激してしまうので口内炎が治るまで摂取を控えましょう。
普段偏った食事をしている方は、バランスの取れた食事を心がけることで、口内炎の予防や改善に繋がるでしょう。
④ビタミンB群を摂取する
口内炎の改善にはビタミンの摂取が効果的です。口内炎にとくに効果的なのはビタミンB2やビタミンB6、ビタミンB1といったビタミンB群です。ビタミンB2は皮膚や粘膜を保護し、ビタミンB6には皮膚の再生を助ける働きがあります。また、ビタミンB1には、口内炎の原因ともいわれているストレスを和らげる働きもあります。これらのビタミンB群をできるだけ積極的に摂取することをおすすめします。
ビタミンB2を多く含む食材
うなぎ、鶏・豚・牛のレバー、卵、納豆、乳製品 など
ビタミンB6を多く含む食材
マグロ、カツオ、鶏・豚・牛のレバー、バナナ など
ビタミンB1を多く含む食材
豚肉、豆類、ハム、にんにく、うなぎ、海苔 など
⑤市販薬を利用する
口内炎になったら、とりあえず市販薬を試してみましょう。種類としては、塗り薬や貼り薬、内服薬などがあります。ステロイド入りの薬は、即効性があり、短期間で症状を改善してくれます。ただしヘルペス性口内炎やカンジダ性口内炎に使用すると悪化するので、注意が必要です。
軟膏
最も一般的な、患部に塗るタイプのお薬です。
パッチタイプ
患部を刺激から守り、唾液による有効成分の流れ出しのない貼るタイプのお薬です。軟膏と同じく、患部に直接働きかけます。
内服薬
飲むことで、体の中から口内炎の改善を図るお薬です。
3.なかなか治らない場合は歯科医院で治療を
非常に稀ですが、口内炎の中には、口腔癌など怖い病気が潜んでいることがあります。セルフケアに努めても、なかなか治らない場合は、一度歯科医院で診てもらいましょう。ここでは、歯科医院で行っている口内炎の治療法を紹介していきます。
レーザー治療
レーザーを照射し、患部の表面にかさぶたを作ることで、痛みを和らげて治癒を促す治療法です。
4~5分と短い時間で治療が終わり、痛みはほとんどありません。副作用もなく、2~3日で症状を改善してくれるので、頑固な口内炎でお悩みの方に、特におすすめしたい治療法です。
薬物治療
口内炎の種類を特定し、それぞれに合ったお薬が処方されます。一般的な口内炎には、炎症を抑えるステロイド入りのお薬(ケナログやアフタッチなど)が処方されます。
ただし、カンジダ性口内炎やヘルペス性口内炎にこれらの薬を使うと逆に悪化してしまうため、カンジダ性口内炎には抗真菌剤、ヘルペス性口内炎には抗ヘルペスウイルス薬を処方することになります。
入れ歯や矯正装置の調整
入れ歯や矯正装置が干渉して口内炎になっている場合は、合わない入れ歯や矯正装置を調整します。
先が尖った歯をなだらかにするなど、口の中を傷つけて口内炎を招いている原因を取り除きます。
4.まとめ
口内炎を早く治す方法を紹介してきました。ほとんどの口内炎は、生活習慣を見直し、口内を清潔に保つことで改善されます。また、市販の薬を服用することで、より短期間で症状を改善してくれます。お家で手軽にできるものばかりですので、口内炎がつらい方は、ぜひ試してみてください。
ただし、なかなか治らない口内炎の中には、稀に癌や怖い病気が隠れていることがあります。いつもの口内炎とは、何か見た目が違う、治ってはまたできることを長期間繰り返しているなどの場合には、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。

監修医
貝塚 浩二先生
コージ歯科 院長
経歴
1980年 岐阜歯科大学 卒業
1980年~ (医)友歯会ユー歯科~ 箱根、横浜、青山、身延の診療所 勤務
1985年 コージ歯科 開業
1996年~2002年 日本大学松戸歯学部生化学教室 研究生
歯学博士号 取得
2014年 昭和大学 客員講師
現在に至る
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