その口内炎、風邪が原因かも?特徴や対処法を歯科医師が解説

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口内炎は風邪が原因で発生していることがあります。口内炎は、口内炎という単独の病気なわけでなく、時として他の病気の症状の一つであることもあります。そうなると、その口内炎を治すのには、根本原因である病気を治すことが必要になりますよね。

あなたの口内炎の治療法を把握するためにも、口内炎と風邪の意外と深い関係性を、ここでは詳しくご紹介していきます。

この記事の目次

1.口内炎を発症する風邪とは?

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは夏風邪の代表格で、ウイルス性口内炎の一つとしてよく挙げられるウイルスです。罹患者は未就学児が9割近くを占めますが、ウイルスは感染しやすいので、子どもから大人へと感染することもあります。

子どもだから重症なのだと思うかもしれませんが、実は大人がかかるとさらに重症となるケースもみられます。身体の抵抗力をつけて、子どもの看病のために感染しないように注意してください。

症状
39度などの高熱があったり、口の中に水疱ができたり、ひどい炎症へと発展することもあります。上顎や咽頭部にただれや炎症ができやすくなったりして、口中が痛くなることもあります。

 

冬の風邪

寒い冬の風邪で口内炎ができるのは、風邪による発熱でビタミンが消費され、免疫が低下することが関係しています。「風邪にはビタミン」というくらい、ビタミンの消費が激しくなる病中病後は、免疫が低下してアフタ性口内炎などの一般的な口内炎が口の中にできてしまう可能性があります。

症状
口の中に白っぽい浅い窪みのある潰瘍ができ、食べ物がしみるなどの痛みが伴います。

2.風邪が原因で発症した口内炎の対処法

もし風邪が原因で口内炎ができた場合、以下のことに注意しましょう。

 

免疫低下を防ぐ

風邪をひくと体力が消耗されやすくなります。そのため、まずは免疫力を下げないように栄養をしっかりとって、無理をせず十分に睡眠を取ることが重要です。免疫が低下すれば口内炎が悪化しやすくなりますが、免疫低下を阻止すれば口内炎の改善につながるでしょう。

 

刺激の強い食事は避ける

口内炎になってしまったら、刺激となるアルコール、喫煙、辛い食事などを避けるようにしてください。これらは炎症を悪化させかねないものです。通常の飲食だけでも刺激を受けますので、より強い刺激はできる限り避けるようにしましょう。

 

ビタミンを積極的に摂取する

ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンA、ビタミンCなど、口内炎にいいビタミン類を食事からも摂取していきましょう。食事ができない場合もあるかもしれませんが、可能な限り必要な栄養を摂るように工夫してください。もし難しい場合は、ビタミン剤などのサプリメントで補ってもいいでしょう。

 

口の中を清潔に保つ

風邪とはいえ、歯みがきなどは怠らないようにしましょう。口の中の衛生環境が乱れると、プラークが雑菌を増加させ、口内炎の悪化につながります。プラークの除去に力を入れて、食後のうがいなどもしっかり行うようにしてください。

3.風邪の症状に似た口内炎もある

風邪に似た症状が出る口内炎があります。「風邪だと思ったら口内炎だった」という場合もあるので、いくつか紹介していきます。

 

喉にできるアフタ性口内炎

喉の痛み=風邪と思っている人も多いでしょう。でも実は、喉にできる口内炎もあるので注意が必要です。よくある口内炎のアフタ性口内炎も喉にできることがありますので、喉が痛いから風邪だと思い込まないようにしましょう。

この場合、喉の痛みは口内炎が原因ですので、喉の痛みに効く薬を飲んでも症状が緩和されない可能がもあります。

 

ヘルペス

ヘルペスウイルスに感染して喉に口内炎ができることがあります。高熱を出した後に口内炎が発生するのがウイルス感染の特徴です。また、ウイルス性の口内炎は他の人にも感染します。気づかすに人と接触して、感染が広がらないように気をつけましょう。

タオルやコップなどを共有しない、マスクをして唾液が付着しないように気をつけるなど、予防対策を取ってください。

 

麻疹

麻疹ウイルスとは、いわゆる「はしか」のウイルスです。口の中にコプリック斑というプツプツした発疹ができるのが特徴で、口内炎と勘違いされることがあります。はしかは子どもがかかるものと思われていますが、はしかワクチンの効果が弱まった大人でも発症することがあります。

 

手足口病

エンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどに感染して発生する病気です。口だけでなく手や足にも水疱ができるのが特徴で、夏に流行します。発熱があったり、かゆみをともなったりすることもあります。

 

溶連菌

舌の表面が白くなって、のどちんこ付近に小さな口内炎ができるのが特徴です。喉の痛みは強く、熱も39度近くなります。また、首や胸などに湿疹ができることもあるため、もし思い当たる症状があれば溶連菌による口内炎を疑ってみてもいいでしょう。

また、アフタ性口内炎との違いは、高熱の発熱を伴うか伴わないかという点です。見極めるには発熱の有無で見分けていきましょう。

 

口角炎

お口の中ではないですが、強い痛みを伴うもので口角炎があります。口の周りに発症することからヘルペスと間違えられることがありますが、口角炎の原因はウィルスではなくカビです。痛くて口が開けづらくなり、食事を取るのも難しくなる場合もあります。

4.病院で診てもらうことも大切

口内炎は風邪をひいた後に発生することが多いです。「風邪はもう治り始めているから」という理由で、口内炎治療を受けないのはよくありません。発熱がひいたりすると、お医者さんに診てもらうのが面倒になるかもしれませんが、まだまだ病み上がりで口内炎は悪化しやすい不安定な時です。不快な口内炎にならないためにも、しっかり治療してもらいましょう。

病後ですので、食事のバランスや十分な睡眠時間を確保するのも忘れないでください。風邪と口内炎の両方を、最後までしっかりと治す意識を持ちましょう。

監修医

遠藤 三樹夫先生

遠藤歯科クリニック 院長

経歴

1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
 現在に至る

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