歯科で笑気麻酔を使用した治療の流れは?メリットとデメリットも解説

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女性 歯痛

歯科治療に対して恐怖心のある方もいるのではないでしょうか。
そんな方でも落ち着いて治療を受けやすい、といわれているのが「笑気麻酔法」です。

この記事では、笑気麻酔とはどのような方法でどういった流れでおこなわれるのか?といった疑問について解説しています。
また、笑気麻酔が保険診療で受けられるか、どんなメリットやデメリットはあるかなどについてもお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。

 

※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。

この記事の目次

1.笑気麻酔の治療に対応している歯医者さんの探し方

1-1.笑気麻酔対応の歯医者さんはどうすれば見つかる?

すべての歯医者さんが笑気麻酔法に対応しているわけではありませんので、笑気麻酔を使用しての治療を希望する方は、直接かかりつけの歯医者さんに問いあわせてみるのがおすすめです。
もしくはインターネットなどで笑気麻酔に対応している歯医者さんを探してみるのもよいでしょう。
また、歯医者さんのHPのなかに「笑気麻酔に対応している」と記載がなくても、笑気麻酔をおこなっている歯医者さんもありますので、確認のためにまずは電話で問いあわせてみましょう。

 

1-2.歯科麻酔専門医が在籍している歯医者さんがおすすめな理由

歯医者さんのなかでも歯科麻酔の知識を深く持ちあわせた「日本歯科麻酔学会認定歯科麻酔専門医」という資格があります。
笑気麻酔を検討されている方のなかには、心疾患など持病を持っている方もいらっしゃいます。
歯科麻酔専門医は、心電計や体内酸素濃度計、血圧計などを用いて患者さんの呼吸や心臓の動きをていねいにモニターチェックしますので、快適な治療を受けやすいです。
「一般社団法人日本歯科麻酔学会」から歯科麻酔専門医の一覧を見ることができます。

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2.笑気麻酔を使用した治療の流れ

2-1.笑気吸入までの流れ

まずは患者さんの楽な姿勢を保つために、治療用チェアを少し起こした状態で笑気ガスの鼻マスクを装着します。
できる限りリラックスした状態で受けた方が治療上望ましいので、雑音や機械音などには細心の注意を払いながら、笑気麻酔をおこないます。

 

2-2.笑気吸入から治療後の流れ

少しずつガスの濃度を上げていきながら、ていねいに患者さんの様子を心電図や血圧計などでモニタリングします。
最終的には笑気濃度を20~30%まであげていき、歯科医師の問いかけに対して、患者さんの反応が鈍くなり笑ったような穏やかな表情になると治療をはじめてよいサインです。
笑気濃度は30%以下で治療をおこなうことがほとんどです。
治療後は待合室などで数十分安静にして、問題がなければそのまま帰宅して普通に日常生活を送れることが多いようです。

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3.笑気麻酔が適用される方とは?メリットデメリットも解説

3-1.こんな方は笑気麻酔を検討してみては?

笑気麻酔を利用される方としては、歯茎のみを部分的に痺れさせる局所麻酔が効きにくかったり、「歯医者さんが恐い」など不安や恐怖心を持ちやすかったり、治療のうえでの痛みや緊張感を緩和させるために用いられることが多いです。
一般的な麻酔は、麻酔薬を注射器で注入する局所麻酔と、針が刺さる痛みを軽減するための表面麻酔などが用いられます。
こうした麻酔が効きにくい方は、リラックスしながら治療に取り組みやすい笑気麻酔を検討してみると良いでしょう。
笑気麻酔は小さな子供にも使えることが多いため、注射の恐怖心を抑えて治療に臨みやすいです。
大人の方で恐怖心が強い方も検討しやすい麻酔方法です。
また、治療や歯型取りの際に嘔吐反射が出やすいという方にも適しています。

 

3-2.笑気麻酔のメリットとは

笑気麻酔法のよい点としては、笑気ガスを鼻マスクから吸い込むだけでリラックスしやすいところが挙げられます。
笑気ガスと同時に酸素も吸いますので、循環器系の疾患がある方でも問題なくおこなえることがほとんどです。
喉や気道にかんしても刺激が少なく、また患者さんの身体の具合や年齢などに応じて笑気ガスの量を調整できるので、治療後も比較的覚醒が早く、いつも通りの生活が送りやすいです。
全身麻酔など意識をなくしてまで治療をおこなう必要性はないけれども、不安やパニックを起こす方や血圧が高くなりやすい方などに適した鎮静法といえます。

 

3-3.笑気麻酔のデメリットとは

笑気麻酔法の短所としては、病気などさまざまな理由によって使用できない方もいるという点が挙げられます。

例を挙げると

・鼻マスクをしなければ治療が成立しないので、日常生活のうえで口呼吸の患者さんにおいては使用できない
・情緒が不安定な方などは鎮静作用が得られにくい場合もある。鎮静作用は個人差が大きい
・てんかんや過呼吸、喘息といった発作症状のある方は、かえって症状が悪化することもある
・妊娠初期の方
・身体のなかに腸閉そくや気腹など、閉鎖腔のある方
・中耳炎で耳管が閉塞していると内圧が上昇して痛みが出る場合がある
・2ヵ月以内に網膜剥離の手術を受けた方

などがあります。

メリットとデメリット

4.笑気麻酔は保険適用はできるの?

4-1.笑気麻酔に健康保険は適用される?

通常、歯医者さんでおこなわれる局所麻酔と違って、笑気麻酔法は「特別な麻酔法だから自由診療ではないのか?」と疑問を持つ方もいるようですが、笑気麻酔法は健康保険を適用できる麻酔法です。
例を挙げますと、3割負担の患者さんが20分間30%の濃度で笑気ガスを吸入し治療を受けた場合の、笑気麻酔法のみの自己負担金額はおおよそ500~800円程度となります。
そのため、一般的な歯科治療ならば、笑気麻酔の料金は1,000円以内におさまることが多いです。

 

4-2.吸入時間や濃度で費用が変わることも

笑気麻酔法は、笑気ガスの濃度や実際に吸い込んだ時間によって費用が変わってきます。
笑気ガスは、患者さんの精神状態や年齢などに応じて効き方に個人差がありますので、一人ひとりに応じた濃度や吸入時間を調整します。
また、吸入時間は5分単位で費用が変わっていく歯医者さんが多いので、詳しくは歯医者さんに問い合わせてみましょう。

保険診療

5.まとめ

笑気麻酔法は、恐怖心や不安を抱えている方に適用されることが多い麻酔法ですが、静脈内鎮静法や全身麻酔と比べると、やや意識や記憶はあるなかで処置をおこないますので「どの方法が自分に合っているのかどうか」は、歯科医師と相談のうえで検討してください。

また、笑気麻酔法は鼻マスクで笑気ガスを吸い込むだけでリラックスしやすい状態を作り、健康保険が適用できます。

費用もおおよそ500~1,000円程度の負担額で済む麻酔法なので、取り組みやすいのがメリットといえます。

 

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監修医

野村 雄司先生

本町通りデンタルクリニック 理事長

経歴

2003年 大阪歯科大学卒業
2007年 大阪歯科大学保存学講座入局
2009年 まごころ歯科勤務
2012年 まごころ歯科退職
2012年 本町通りデンタルクリニック開業
2013年 大阪歯科大学保存学講座歯学博士号取得
現在に至る。

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