「顎関節症」という言葉を聞いたことはあっても、症状や原因、どこで治療できるか、など詳しいことはあまり知られていないかもしません。しかし顎関節症の原因は、現代の生活と密接に関わっているようです。
ここでは、顎関節症の症状や要因、自宅や病院での治し方について紹介します。
1.顎関節症とは
顎関節症とは、顎の関節や筋肉に痛みや異常が生じる病気です。顎関節症はさまざまな要因が重なり発症するため、すでに痛みがある方は、普段の生活を振り返ってみてください。何気ないことが痛みを招いているかもしれません。
顎関節症の代表的な症状と要因をご紹介します。
症状
・口が大きく開けられない
・口を開けると音がする
・顎のまわりが痛い
要因
・精神的なストレスや不安
・睡眠時の歯ぎしり
・噛み合わせの異常
・顎の関節や顎周辺の筋肉の弱さなど構造によるもの
・長時間のパソコン作業等など、緊張した姿勢が続く環境
2.自宅でできる顎関節症の治し方
ここでは、自宅でできる治し方をご紹介していきます。ですが、ここでご紹介するのはあくまで応急処置です。痛みに対しての診断や処置は専門性が高く難しいため、自己判断せずに歯科口腔外科へ相談しましょう。
■強い痛みがあるときの応急処置
夜中に強い痛みが出てしまった時など、痛みをやわらげる方法を紹介します。
口を動かさなくても痛いとき
まずは冷やしましょう。ズキズキした痛みが冷やすことで落ち着いてきます。保冷剤や濡らしたタオルを当てるだけでも楽になります。10分程度が目安です。
口を動かすときだけ痛いとき
温めましょう。温かい濡れタオルや温湿布などを痛いところに5分程当てて、安静にしましょう。
筋肉を押すと痛い
やさしくマッサージをしましょう。痛みがある場所をソフトタッチで円を描くようにマッサージします。血行が良くなることで痛みが落ち着いてくるでしょう。
■今すぐできるセルフケア
普段の習慣が顎の関節に負担をかけているかもしれません。少し見直すことで顎関節症の症状改善につながります。簡単なことから始めてみましょう。
習慣になっている姿勢を見直す
・猫背や下顎を突き出す姿勢をやめる
・同じ姿勢で長時間作業をする際は休憩を入れる
緊張が続く状態を改め、リラックスする
・精神的なストレスから解放させる
睡眠環境を見直す
・高い枕や硬い枕は避ける
3.歯科口腔外科での顎関節症の治し方
顎と歯は深く関係しています。治療には歯科医院に併設されている歯科口腔外科が適しています。歯科口腔外科は顎関節症の治療はもちろん、顔の外傷や口腔粘膜など口の外と中を診察してくれる科です。
歯科口腔外科での治し方は、「保存療法」と「外科療法」に分けることができます。これらを組み合わせて治療を進めることもあります。ほとんどの場合保存療法を行いますが、状態によってはまれに手術が検討されることもあります。
薬物療法
鎮痛剤を使用して痛みを軽減させます。顎の筋肉が緊張によって生じる痛みには筋弛緩剤を使用し、精神的な要因による症状には抗うつ薬や抗不安薬が処方されることもあります。
スプリント療法
患者さんの歯型を取り、専用のマウスピースを作ります。それを使い顎の関節を安定させるとともに歯ぎしりなど強い力がかかるのを防ぎます。
認知行動療法
顎関節症を悪化させるような癖や習慣を本人に認識させ、それらを行わないようにする治し方です。
運動療法
口が開くようにするためのリハビリをして、徐々に開けやすくしていきます。
外科的手術
内視鏡下で行う関節鏡視下手術と皮膚を切開して行う関節開放手術があります。どちらも全身麻酔や入院が必要になります。
4.まとめ
顎関節症はさまざまな要因が重なって発症する疾患です。治し方によっては自宅で改善する場合もありますが、痛みが続くときは歯科口腔外科での診察をおすすめします。長期間放置しておくと外科手術が必要なこともあります。
食事をする際に口が開かず不自由を感じる、口の開閉に支障があるなどの症状がある場合は、専門である歯科口腔外科で相談をしてみてください。

監修医
遠藤 三樹夫先生
遠藤歯科クリニック 院長
経歴
1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
現在に至る
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