「歯磨きするタイミングって、いつがよいのだろう?」と思ったことはありませんか?朝の歯磨きは起きてすぐがよいのか、朝ごはんの後がよいのかなど、考え始めると迷ってしまう方もいるでしょう。
「その都度磨いているけれど、本当に歯磨きのタイミングとして適切なの?」ともやもやしている方もいるかもしれません。
ここでは、押さえておきたい歯磨きのタイミングや、歯磨きが上手になるコツをお伝えします。また、歯磨きできない時の対処法も知っておくと便利です。
この記事の目次
1.食後の歯磨きした方がいい?よくない?
1-1 食後すぐの歯磨きについて
食後の歯磨きのタイミングについては、「食後すぐに磨いた方がよいのか」「少し時間を置いた方がよいのか」と迷う方もいるでしょう。
通常の食事では、食後に歯垢や糖質を早めに取り除くことが、むし歯予防のうえで大切です。歯磨きをせずに放置すれば、むし歯の原因となる歯垢が歯に付着し、時間がたつにつれて落としにくくなることがあります。
一方で、酸性の飲食物を頻繁に摂る方や、酸蝕症(さんしょくしょう)がある方は、歯の表面が酸の影響を受けやすい状態になっていることがあります。酸蝕症とは、酸性の飲食物などによって歯を覆うエナメル質が溶ける状態のことです。
酸蝕症が疑われる場合や、炭酸飲料・柑橘類・酢を使った飲食物などを頻繁に摂る場合は、食後すぐに強い力で磨くと歯に負担がかかることがあります。ただし、自己判断で「自分は酸蝕症かもしれない」と考えて歯磨きを遅らせると、むし歯のリスクを高める可能性もあります。
通常の食事では食後の歯磨きが推奨されますが、酸蝕症が疑われる場合などは歯科医師の指示に従いましょう。
仕事や家事で忙しく、すぐに歯磨きができない場合は、食後に口をゆすぐ、水やお茶を飲むなどして、口の中に残った食べかすや酸性に傾いた状態をやわらげることも一つの方法です。
時間を気にしすぎて歯磨き自体を忘れてしまうようなら、あまり神経質になりすぎず、「食べたら磨く」を基本にすることも大切です。
1-2 おやつの後はうがいだけでもしよう
子どもは、食事だけでは足りない栄養を補うために、おやつを補食として取り入れることがあります。
しかし、ご飯やおやつのたびに歯磨きをするのは大変です。とはいえ、口の中に糖分や食べかすが残ったままだと、むし歯の原因になることがあります。
そんな時は、口をゆすいだり、水やお茶を飲んだりして、口の中を清潔に保つようにしましょう。甘みが入っている飲み物ではなく、水や麦茶・緑茶などがおすすめです。
2.迷いがちな朝の歯磨きのタイミングは?
朝の歯磨きは、起きた直後にするという方と、朝食後にするという方に分かれます。
朝2回しっかり磨くのが負担になる場合は、1回はうがい、もう1回は歯磨きという形に分けてもよいでしょう。
取り入れやすい方法のひとつは、起きた直後にうがいし、朝食後に歯磨きする流れです。起き抜けの口の中は、就寝中に唾液の分泌が少なくなることなどにより、細菌が増えやすい状態です。起きたら口をゆすいで洗い流すことで、すっきりとした状態で朝食を食べやすくなります。
その後、朝食をすませて歯磨きをすれば、食べかすが口内に残りにくくなるため、むし歯や口臭予防にもつながります。
3.赤ちゃんの歯はいつ磨く?
3-1 口に触れられることに慣れるところから
赤ちゃんは1日に何度もミルクの時間がありますし、歯が生えると離乳食も始まります。
「そのたびにしっかり歯磨きするのはやり過ぎ?」と不安になったり、「むし歯をどのように予防すればいいか分からない」という方も多いでしょう。
歯が生える前は、歯磨きそのものが必要な時期ではありません。ただし、将来の歯磨きに慣れるために、清潔な指や濡らしたガーゼで口の周りや歯ぐきをやさしく触り、口に触れられることに少しずつ慣れさせる方法があります。
歯が生えてきたら、ガーゼでやさしく拭いたり、赤ちゃん用の歯ブラシを使って短時間でやさしく磨いたりして、少しずつ歯磨きに慣れさせましょう。
赤ちゃんの口の中はデリケートです。力を入れすぎず、嫌がる場合は無理に長く続けないことも大切です。
3-2 離乳食に移行したら歯磨きを習慣にしよう
ミルクよりも歯に食べかすが残りやすい離乳食が始まったら、歯磨きを少しずつ習慣にしていきましょう。
奥歯が生えてくると、溝に食べかすが残りやすくなります。奥歯は前歯に比べて形が複雑で磨きにくいため、むし歯になりやすい部分のひとつです。
ガーゼと歯ブラシをうまく使い、食べたら磨くことを少しずつ習慣化していくとよいでしょう。
赤ちゃんがいると自分のことがおろそかになりがちです。毎回長時間の歯磨きができないかもしれませんが、寝る前は特に丁寧に磨くよう意識しましょう。食べた後には水やお茶を飲む習慣をつけることも、口の中を清潔に保つうえで役立ちます。
4.歯磨きを上手に済ませるコツ
4-1 磨く順番を決めておく
「長い時間、歯を磨く余裕がない」という時には、磨く順番を決めて、磨き残しを減らす工夫をしましょう。
例えば、上の歯の外側を一周したら内側を一周し、下の歯も同じ順番で磨くなど、自分の中でルールを作ります。
バラバラに磨いていると、いつも磨けていない箇所や、何度も磨いている箇所が出ることがあります。あまり気にしたことがなかったという方は、一度鏡の前で、いつもどおり歯を磨いてみて、自分の歯の磨き方を観察することをおすすめします。
4-2 洗面所の前で歯磨きしよう
テレビを見ながらや、お風呂に入りながらなど「ながら磨き」をしている方も多いですが、歯磨きは鏡の前ですることをおすすめします。
自分が磨いているつもりの歯と、実際に歯ブラシが当たっている場所がずれている場合もあり、磨き残しの原因となります。
どうしても鏡の前での歯磨きが面倒なときは、歯磨きの最後に鏡の前で磨き残しチェックをする習慣を付けるとよいでしょう。
4-3 歯磨きアプリを活用する
順番を考えるにも、歯磨き時間をチェックするにも、専用のアプリを活用すると便利です。
歯磨きの時間を知らせるもの、子どもが楽しく磨けるように工夫されたものなど、さまざまな種類があります。アプリは補助的な道具として活用し、実際に磨けているかどうかは、鏡や歯垢染めだし液、歯科医院でのチェックも組み合わせましょう。
4-4 磨けているか歯垢染めだし液でチェック
子供でも大人でも、それぞれ歯磨きにクセがあり、いつも磨けていない部分があるものです。
たまに染め出しをしてプラークの位置を確認し、自分のクセをチェックすることをおすすめします。磨き残しが見えることで、どこを重点的に磨けばよいか分かりやすくなります。
4-5 歯科医院で歯磨き指導を受ける
歯磨きの効率的な方法を知りたいなら、歯科医院で歯磨き指導を受けるのもよいでしょう。
歯並びや歯ぐきの状態、磨き残しやすい場所は人によって異なります。自分に合った歯ブラシの当て方や、デンタルフロス・歯間ブラシの使い方を教えてもらうことで、毎日のケアに役立ちます。
歯磨き指導を希望する場合は、予約時に歯科医院へ相談し、必要に応じて普段使っている歯ブラシを持参するとよいでしょう。
5.歯磨きできない時の対処
5-1 水やお茶を飲む
仕事などで、どうしても食後に歯磨きできないこともありますよね。
そんなときは、水で口をゆすいだり、水やお茶を飲んだりすることで、食べかすを洗い流しやすくなります。口の中が乾燥すると汚れが残りやすくなるため、こまめな水分補給も大切です。
ただし、無糖のものでも炭酸水は酸性のため、頻繁に飲む場合は歯への影響に注意が必要です。
5-2 シュガーレスガムを噛む
ガムを噛むことで唾液が分泌されやすくなり、食べかすを洗い流す働きや、酸性に傾いた口の中を中和する働きを助けます。
選ぶ場合は、砂糖を含まないシュガーレスガムを選びましょう。キシリトール配合のガムも選択肢のひとつです。ただし、ガムは歯磨きの代わりにはならないため、歯磨きができるタイミングで改めて磨くことが大切です。
6.まとめ
歯磨きのタイミングは、通常の食事であれば、食後できるだけ早めに歯垢や糖質を取り除くことが大切です。
一方で、酸性の飲食物を頻繁に摂る方や、酸蝕症が疑われる方は、歯の状態に合わせた配慮が必要な場合があります。気になる方は、歯科医院で確認してもらいましょう。
時間が経つのを待っていると、歯を磨くことを忘れてしまう場合もあります。そのため、あまり神経質になりすぎず、「食べたら磨く」を基本にしながら、状況に応じてうがいや水分補給も取り入れるとよいでしょう。
定期健診や治療の際に、歯科医院に歯磨きのタイミングや磨き方を聞いてみるのもおすすめです。うがいや歯磨きを使い分け、口の中を清潔に保つことで、むし歯予防につなげましょう。
子供たちにも、無理なく続けられる歯磨き習慣をつけてあげてください。
【参考サイト】
・日本小児歯科学会「食後の歯みがきについて」
https://www.jspd.or.jp/recommendation/article09/
・厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口腔の健康」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth.html
・厚生労働省 e-ヘルスネット「フッ化物配合歯磨剤」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-007.html
・日本小児歯科学会「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」
https://www.jspd.or.jp/recommendation/article19/
・厚生労働省 e-ヘルスネット「歯間部清掃(デンタルフロス・歯間ブラシ)」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-03-008.html
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監修医
飯田 尚良先生
飯田歯科医院 院長
経歴
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る
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