10代でも大丈夫?ホワイトニングは未成年でも受けられるのか

    20歳未満の未成年はホワイトニングを受けられないという噂は本当でしょうか?中学生や高校生の10代でも「歯の黄ばみが気になる」「特定の歯の着色汚れが気になる」といった悩みを持つ人は少なくありません。また、子どものホワイトニングを考えている親御さんもいるかもしれません。

    調べてみると、歯医者さんやサロンによって未成年のホワイトニングに関する定義が異なるため、混乱することもありますよね。

    この記事では、20歳未満の未成年がホワイトニングを受けられるのか、未成年と大人のホワイトニング効果の違い、そして未成年がホワイトニングを受ける際の注意点について解説します。歯を白くする前に、ぜひ参考にしてください。

    この記事の目次

    1.未成年のホワイトニングについて

    以前は未成年のホワイトニングは禁止だった

    1980年代にホワイトニングが施術に取り入れられた当初、その安全性はまだ確立されていなかったため、20歳未満の未成年に対するホワイトニングは禁じられていました。これは、ホワイトニングの薬剤が成長し終わった歯に対して効果を発揮するように開発されていたためです。

    歯や歯の根、歯茎がまだ成長途中の状態で過酸化水素などの強力な薬剤を使用すると、歯の成長を妨げる可能性があります。また、永久歯に生え変わったばかりの歯は大人の歯に比べて柔らかく、エナメル質も不安定なため、薬剤の刺激でダメージを受けやすいのです。このため、未成年に対するホワイトニングは行われていませんでした。

     

    薬の開発により未成年でも可能に

    2010年以降、ホワイトニングの技術が進化しました。以前は未成年が施術を受けることができませんでしたが、歯や歯茎に優しい薬剤や効果の穏やかな機材の開発により、年齢制限が緩和されました。これにより、10代でもホワイトニングを受けられる歯医者さんが増えてきました。また、大人でも刺激の少ないホワイトニングが可能になっています。

    ただし、効果が穏やかな薬剤や機材を使用するため、「劇的に白くしたい」という希望には応えられません。過酸化水素などの漂白成分が含まれていない薬剤では、歯の汚れを落とすことはできますが、本来の歯以上の白さにすることはできないのです。

     

    制限付きでOKなところも

    それでも、未成年のホワイトニングを行っていない歯医者さんはまだ多く存在します。例えば、施術を受け付けているものの、保護者の同意書が必要なクリニックもあります。また、年齢によって制限がある場合もあり、その制限はクリニックによって異なります。12歳以上や18歳以上など様々ですが、ほとんどの歯医者さんが18歳を目安にしているようです。

    18歳以上であれば、大人と同様にホワイトニングを受けられるところが多いです。自分が行きたいクリニックのホームページを確認してみましょう。

    2.未成年と大人ではホワイトニング効果が違うのか

    未成年の場合

    20歳未満の未成年はホワイトニングによって歯が白くなりやすいという特徴があります。これは、大人と比べて着色やステインが溜まっていないことが理由の一つです。

    また、未成年で着色が気になる人は毎日の歯磨きが上手くできていないことが多いですが、着色の下の歯はまだ健康で白いため、1~2回のホワイトニングで効果を実感しやすい傾向にあります。

     

    大人の場合

    それに比べて、大人になると加齢によって歯の表面を覆っているエナメル質が薄くなります。エナメル質の下にある象牙質という層は元々黄ばんだ色味なので、それが透けて見えることでホワイトニング効果を実感しにくくなったり、時間がかかったりします。

    また、長年のクセや歯磨きの仕方によって歯の表面が凸凹になり、着色が付きやすくなることがあります。

    3.ホームホワイトニングは購入してしまえば誰でも施術可能に…

    どんなに歯医者さんで未成年のホワイトニングを規制しても、市販のホームホワイトニングキットを購入すれば誰でも施術が可能です。ホームホワイトニングとは、通常歯医者さんで自分専用のマウスピースを作ってもらい、その中に処方された薬剤を入れて歯にはめることで歯を白くする方法です。

    しかし、市販のキットでも簡易的なマウスピースとホワイトニング薬剤がセットになっているものがあります。これを購入すれば、未成年でも自宅で簡単にホワイトニングができてしまいます。

    ただし、市販のホワイトニング薬剤の中には短期間で効果がある反面、刺激が非常に強いものもあります。未成年の中学生や高校生がそれらを自己責任で使うのは非常に危険です。使い方や期間、頻度を間違えると健康な歯茎や歯を痛めてしまうことがあります。特に成長期の歯や歯茎は柔らかく繊細なので注意が必要です。

    どうしてもホワイトニングをしたい場合は、歯医者さんに相談し、自分に合った薬剤を選んでもらい施術を受けるようにしましょう。

    4.デンタルサロンでのセルフホワイトニングは要注意

    最近では、歯医者さんではなく専門のデンタルサロンでセルフホワイトニング(自分で薬剤を塗って歯を白くすること)ができる場所が増えてきました。セルフホワイトニングのサロンではほとんど年齢制限がないため、未成年にとって好都合に感じるかもしれません。しかし、歯科医師がいないサロンが多いため、ホワイトニング時に痛みやしみを感じてもスタッフが対処できないことがあります。

    普通の歯医者さんでホワイトニングを受ける場合、施術前に虫歯や歯周病がないかチェックしてもらえます。これらがあるとホワイトニングによって痛みが発生することがあるからです。しかし、デンタルサロンでセルフホワイトニングをする場合、歯科医師がいないためそのチェックができないというデメリットがあります。

    セルフホワイトニングの良い点は、セルフで施術することで人件費がかからず、費用が安いことです。また、歯医者さんで行うホワイトニングでは過酸化水素などの漂白成分を使用することが多いですが、セルフホワイトニングではそのような強い薬剤は使えません。そのため即効性はありませんが、歯や歯茎に負担をかけずに何度も繰り返すことで白くする穏やかな薬剤を使用することがメリットのひとつです。

    しかし、「セルフホワイトニング」はその名の通り自分で施術するため、自己責任が伴います。費用が安いため中学生や高校生は飛びつきたくなるかもしれませんが、トラブルが発生した場合、それ以上の治療費がかかることもありますので注意が必要です。

    未成年のように成長期で歯が繊細な時期は、安全に施術が受けられる歯医者さんでホワイトニングすることをおすすめします。

    5.まとめ

    未成年でもホワイトニングができる方法は確実に増えています。

    歯医者さんやデンタルサロンで施術を受けるほか、毎日の歯磨きケアで歯を白くすることも可能です。例えば、日本で販売されているホワイトニング歯磨き粉は漂白剤成分(過酸化水素など)が配合されていないため、毎日使用しても歯や歯茎に優しいです。着色汚れを落とす成分が含まれているので、歯の汚れを落とすことはできますが、本来の歯以上に白くすることはできません。しかし、一定の歯の白さを維持するためには効果的です。

    また、歯のマニキュアのようなグッズを使えば、短期間で歯を白く見せることができます。発表会や卒業式など、特定のイベントで歯を白く見せたい場合に利用すると良いでしょう。

    未成年のホワイトニングでは、成長中の歯にダメージを与えないことが重要です。そのため、歯に優しいケアグッズを生活に取り入れることをおすすめします。ただし、着色を落としたいからといって歯磨きの際に力を入れてゴシゴシ磨くと、歯の表面のエナメル質を傷つけてしまうことがあるので注意しましょう。

    監修医

    野村 雄司先生

    本町通りデンタルクリニック 理事長

    経歴

    2003年 大阪歯科大学卒業
    2007年 大阪歯科大学保存学講座入局
    2009年 まごころ歯科勤務
    2012年 まごころ歯科退職
    2012年 本町通りデンタルクリニック開業
    2013年 大阪歯科大学保存学講座歯学博士号取得
    現在に至る。

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