平均的な歯の白さはどれくらい?歯の色に個人差がある理由とは

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笑顔を見せた口元に、キラリと光る白い歯…憧れますよね。「私の歯ってみんなより黄色いかも?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。しかし人の歯の色には生まれつき個人差があり、さらにお口の中の環境や生活習慣によっても変わってくるのです。

この記事では、日本人の平均的な歯の白さについてや、歯の色には個人差がある理由、人の歯の色を決定する要素についてまとめてみました。

この記事の目次

1.歯の白さの平均はどれくらい?

歯医者さんでは「シェードガイド」と呼ばれる器具を使って人の歯を測定します。作っている会社によってさまざまなものがありますが、最も広く使われているシェードガイドでは、一番白い色の「W1」から、最も暗い「C4」まで20種類近くの色見本があります。アルファベットと数字の組み合わせで成っていて、A~Dのアルファベットは色の種類を、数字は色の濃さを表しています。

 

日本人の平均的な歯の白さは「A3~3.5」

日本人の平均的な歯の色は、「A3~3.5」程度であるといわれています。シェードガイドで見てみると、多くの日本人が白い歯であるとはいえない歯の色をしていることが分かります。外国人のなかには日本人に対して、歯が黄色いという印象を持っている人もいるようです。

 

生まれつきの歯の白さは「W3」以下

加齢によるエナメル質の摩耗や着色汚れなどを受ける前、生え始めの歯の色は多くが「W3」以下であると言われます。つまり、ホワイトニングなどを受けることで、「W3」までは歯を白くすることができるということなのです。

 

「B4」以上になると黄ばみが目立つ

「B4」を越えた歯の色では、多くの人が「黄ばんだ歯」と感じるようです。歯の黄色みが平均を越えてしまうと、すぐに黄ばんだ歯と認識されてしまうのです。

2.歯の色には個人差がある

歯の質による違い

人の歯の色はそれぞれ違いがありますが、これは歯の質や構造の差によるところが大きいです。歯は大きく3層構造からなっており、一番外側に白色半透明の「エナメル質」、その下には、その名の通り黄色っぽい象牙色をした「象牙質」、そして象牙質の中には神経である「歯髄」があります。エナメル質の厚さや色と象牙質の色が、その人の生まれつきの歯の色を決定しているのです。

 

日本人は白人・黒人に比べて歯が黄色い

外国人を見て、その歯の白さに驚いたことはありませんか。白人、黒人は日本人が含まれる黄色人種に比べて、エナメル質が厚い傾向があります。また、肌の色とのコントラストの影響もあるようです。そのため、アジア系以外の外国人は、日本人に比べてとても歯が白いように見えるのです。もちろん、生活習慣の違いもありますが、日本人の歯が黄色いのは、生まれつきの歯の構造によるものなのです。

 

デンタルケア意識の差による違い

歯に汚れが付着していると、当然歯の色は黄ばんで見えます。人は誰もが生まれつきの歯の色をそのままキープできている訳ではないのです。特に、クリーニングや定期健診などといったデンタルケアに対する意識が低いと言われる日本人は、欧米人に比べて歯に汚れが残っている人が多いと言われています。外国人の歯が日本人の歯より白く感じる原因は、こうしたデンタルケア意識の差にもあるようです。

3.生まれつきによる違い

歯の色には個人差があることをご紹介しましたが、生まれつきによる違いも影響しています。

 

エナメル質の厚さが違う

人の歯の色を最も左右するのは歯の表面にあるエナメル質の厚さです。白色の半透明であるエナメル質の下には黄色い象牙質があり、エナメル質が厚ければ厚いほど象牙質の黄色が隠れて歯の色は白く、薄ければ薄いほど色が透けて歯の色は黄色く見えるのです。

 

エナメル質の質が違う

同じエナメル質であっても、人によってその色や透明度には違いがあります。そのため、エナメル質の色が白く透明度が低い人ほど、歯は白く見えます。象牙質の黄色をカバーして歯の色が白く見えるのです。逆に、エナメル質の透明度が高い人では、象牙質の黄色が透けて、歯の色は黄ばんで見えてしまいます。

 

象牙質の色が違う

象牙質の色も、歯の色を左右する大きな要因です。黄色っぽい象牙質の黄色味が強ければ強いほど、エナメル質越しに見える色も黄色っぽくなり、すなわち歯全体の色味が黄色味を帯びて見えるのです。

4.後天的な変化による違い

歯の色の個人差には、生まれつきによる違いのほか、後天的な変化も影響しています。

 

エナメル質が摩耗した

長年使い続けることで、歯も消耗してきます。当然、一番外側にあるエナメル質から摩耗して薄くなるのですが、エナメル質が薄くなることで、下にある象牙質の色がより透けて見えるようになります。加齢とともに歯の色が黄色味を帯びてくるのはこのためです。

 

虫歯で神経が死んでしまった

ひどい虫歯や打撲などによって象牙質の中にある歯の神経(歯髄)が死んでしまうと、歯の色は徐々に変化します。明るかった歯の色は、数ヶ月から数年をかけてだんだん黒ずんできてしまうのです。虫歯の治療で神経を抜いた場合にも、同様のことが起こります。神経のない歯では、基本的にホワイトニングの効果がほとんど出ず、白くするにはセラミックやプラスチックの歯をかぶせる必要があります。

 

飲食物やタバコによる着色

赤ワインやコーヒー、緑茶などに含まれる成分は、歯の表面に付着して着色の原因になります。また、タバコを吸う人は、そのヤニで歯が黄色く着色してしまいます。

 

歯の汚れを落としきれていない

歯磨きや歯のクリーニングなどの不足により、歯についた汚れをしっかり落としきれていないことも、歯を黄ばませる原因になります。特に、日本人は欧米人に比べて歯のクリーニングに対する意識が低いと言われています。

5.まとめ

白人や黒人に比べて歯の色が黄色いと言われる日本人。日本人の歯の白さの平均は、A3~3.5と言われています。これは生まれつきの歯の質や構造の違いが大きく関係していますが、加齢や生活習慣によっても変わってきます。

理想の歯の白さを実現できていない人は、普段の歯みがきに加え、歯医者さんでのクリーニングやホワイトニングも取り入れて、白い歯を目指してみませんか。

監修医

矢島 昇悟先生

青山通り歯科 院長

経歴

2007年 第100回歯科医師国家試験合格
2007年 日本歯科大学 生命歯学部卒業
2008年 埼玉県羽生市 医療法人社団正匡会 木村歯科医院
歯科医師としてのホスピタリティの基礎を学ぶ。
2010年 埼玉県新座市 おぐら歯科医院
地域に密着した医院で地域医療に携わり、
小児から高齢者歯科まで治療を行う。
2011年 東京都文京区 後楽園デンタルオフィス
施設の訪問診療などにも携わる。
2015年 東京都港区 青山通り歯科 院長
現在に至る

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