歯石は、誰にでもお口の中にできてしまうものです。毎日の歯磨きを怠ったり、そもそものブラッシングのやり方が悪いと、歯石は何度でもついてしまいます。そこで、気になるのが歯石除去についてです。
ここでは、歯石除去にかかる費用や種類、保険適応と保険適応外の違いや、それぞれのメリット、デメリットをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
1.保険適用と保険適用外による違い

歯石除去においても、保険適応できる「保険診療」と保険適応外となる「自由診療」に区別されます。保険適応と保険適応外にはどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、それぞれのメリットやデメリットを考えながら、歯石除去にかかる費用についてご紹介します。
保険適用の場合
一般的な歯科医院では、歯石除去を保険適応の費用で受けることができます。費用は、1回2,000~3,500円程度で、対象者は虫歯や歯周病の方などです。ただし、保険適応するかどうかの判断は、歯科医師にゆだねられていることが多く、事前に相談が必要です。
メリット
・治療費が安い
・短時間の治療で済む(10~15分程度)
デメリット
・厚生労働省が定めるルールに基づいた治療で制限がある
・短時間の治療のため、通院回数が増える
保険適用外の場合
歯の美しさや予防目的の歯石除去は、保険適応外の費用となります。対象者や治療内容に制限がなく、誰にでも治療が可能です。1回の費用は、5,000~20,000円前後です。費用は、医師が自由に設定しており、歯科医院によって異なります。
メリット
・時間をかけた丁寧な治療ができる
・保険適応外の材料が使用できる(フッ素塗布など)
・通院回数が少なくて済む
デメリット
・全額自費となり高額になる
2.歯石除去の種類と費用

歯石除去には、歯の表面の歯石を除去する方法とさらに奥深くの歯石を除去する方法があり、それぞれ費用が異なります。ここでは、歯石除去の種類とその費用についてご説明します。
スケーリング
スケーリングとは、ハンドスケーラーや超音波スケーラーを使用し、歯の表面に付いた歯石、歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)の浅い部分にたまった歯垢や歯石を除去することをいいます。
費用の目安
保険適応の場合:800~1,000円程度
保険適応外の場合:3,000~10,000円程度
ルートプレーニング
ルートプレーニングは、スケーリングでは取りきれない歯石の除去に使います。主に、歯周ポケットの奥に付いた歯垢や歯石を除去する方法です。歯の根元の表面を滑らかにして、歯垢を付きにくくすることができます。
費用の目安
保険適応の場合:180円程度(1本)
保険適応外の場合:10,000円程度(1時間)
PMTC
PMTC(プロフェッショナル メカニカル トゥース クリーニング)とは、歯周病や虫歯を予防することを目的とする専門家による歯の大掃除です。保険適応外になります。歯科医師や歯科衛生士が専用の機械を使用し、歯磨きでは落とせない汚れを取り除きます。自然な歯の白さを取り戻したいという方には利用しやすいケアで、1時間程度で歯がツルツルになります。
費用の目安
5,000~20,000円程度(保険適用外)
3.保険適応の歯石除去

保険適応でできる処置とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。詳しくご紹介します。
保険適応のルール
保険の対象は「治療」に対してです。つまり、検査で病名の診断をすることが必要です。まず、歯科医師によって歯周病や虫歯の検査を行い、歯肉炎や歯周病の診断の上で、治療として歯石除去を行います。
歯石除去の一般的な流れ
①問診
歯科治療に影響がないかどうかを判断するため、病気の有無や服用している薬がないかなど、いくつか歯科医師から問診があります。
②虫歯検査
痛みのある歯がないか、歯の揺れがないか、お口の中の様子を細かく確認します。
③歯周病検査
歯周ポケットの深さや歯茎からの出血があるかを調べます。歯周ポケットが深ければ深いほど、歯周病が進行していることになります。また、出血があれば、炎症を起こし、歯周病が進行している状態であることがわかります。
④レントゲン検査
お口の中を撮影し、画像から歯の状態や顎の様子を確認します。
⑤歯石除去
歯石を取り除きます。歯石が多く、1回の治療で歯石を完全に除去することができない場合、数回通院することになります。
4.何度も歯科医院へ通う必要性

歯科医院での定期健診や歯石除去は、3~6か月に1回が目安です。しかし、その都度費用もかかり面倒に感じる方も多いかもしれません。しかし、そこには大きな意味があるのです。
歯磨きをスムーズにする
歯石が付着していると、歯ブラシが歯や歯茎にしっかり当たらず、よく磨けない状態になります。歯石除去は、歯磨きの邪魔を取り除き、歯ブラシによるブラッシングをスムーズにしてくれます。
汚れ防止になる
お茶やコーヒーなどで付着する着色汚れ(ステイン)は、菌ではありません。しかし、着色汚れがあると、歯の表面がザラザラになり、汚れが付着しやすくなります。歯石除去とともに着色も取り除くことで、歯の表面をツルツルに仕上げ、汚れ防止の役割を果たします。
虫歯の早期発見に繋がる
小さな虫歯でも、その治療費は、1回約1,000~3,000円(保険適応内)がかかります。もし虫歯が進行すれば、身体への負担や費用は大きくなるばかりです。それならば、今のうちから自分への投資として歯石除去する方が、身体への負担もお金も節約になります。
5.まとめ
歯石除去は保険適応でも受けることができる治療でもあり、予防でもあります。保険適応の治療、保険適応外の治療、どちらにせよ、自分が満足する治療が一番です。歯科医師と相談し、自分で治療を選択しながら、早い段階で歯石除去をする方が結果的にお得です。将来、後悔しないための行動を起こしてはいかがでしょうか。
監修医
矢島 昇悟先生
青山通り歯科 院長
経歴
2007年 第100回歯科医師国家試験合格
2007年 日本歯科大学 生命歯学部卒業
2008年 埼玉県羽生市 医療法人社団正匡会 木村歯科医院
歯科医師としてのホスピタリティの基礎を学ぶ。
2010年 埼玉県新座市 おぐら歯科医院
地域に密着した医院で地域医療に携わり、
小児から高齢者歯科まで治療を行う。
2011年 東京都文京区 後楽園デンタルオフィス
施設の訪問診療などにも携わる。
2015年 東京都港区 青山通り歯科 院長
現在に至る
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