口内炎が治らない…原因は?考えられる病気についても解説

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口内炎はだいたい1~2週間で治ることがほとんどですが、なかなか治らずに症状が長引いて不安に思われることもあるかもしれません。口内炎とひとくちに言っても様々な種類があり、区別をするのは非常に難しいです。中には他の病気を発症していることもあります。放っておいたり自己判断せず、治りが遅い場合や繰り返し発症してしまう場合には、歯科医院を受診するようにしましょう。

この記事の目次

1.口内炎の種類別・原因と改善策

 

口内炎には主に以下のような種類があり、原因は種類によって異なります。

 

■アフタ性口内炎

<症状>
最も一般的な口内炎です。
白い円形状の腫れができ、さらにその周囲が赤く腫れた状態となり、食べ物や飲み物などがしみるなどの症状があります。

<原因>
免疫力の低下、ビタミンB2の不足、ストレス、口腔内の損傷などが挙げられます。

<改善策>
1~2週間で自然治癒しますが、飲食に支障がでる場合は薬剤による処置を行います。

 

■カタル性口内炎(別名:紅斑性口内炎)

<症状>
赤く腫れて炎症が起き、白くただれたような状態になります。触ると痛みがあります。

<原因>
歯の被せ物の不具合、矯正装置が粘膜に当たり擦れることで起こります。また、免疫力の低下、虫歯や歯周病による口内環境の悪化も関係しています。

<改善策>
被せ物が原因の場合は、被せ物を直します。矯正装置が原因の場合は、ワックスを塗って保護しましょう。口内環境が原因の場合は、ぬるま湯でうがいをして清潔にし、抗生物質の入った薬(軟膏)を塗りこみます。

 

■カンジダ性口内炎(義歯性口内炎)

<症状>
口腔粘膜が入れ歯の形で赤くなってしまい、白い膜のようなものもできます。

<原因>
カンジダとはカビの一種とされ、入れ歯の状態や口内環境が不衛生な場合に起きます。

<改善策>
入れ歯洗浄剤などを利用して入れ歯を清潔に保ちましょう。

 

■ウイルス性口内炎

<症状>
ウイルスや細菌に感染して起きる口内炎で、唇や口腔粘膜に水泡ができます。発熱や頭痛、だるさを感じるといった症状をともなうこともあります。

<原因>
細菌やウイルスが体内に入ってしまった場合に起き、ヘルペスやクラミジアといった種類があります。
とくに多くみられるのはヘルペスで、日本人は20~30代で約半数の人が感染していると言われています。

<改善策>
抗ウイルス剤の薬を使って改善させます。
また、ほかの口内炎と違って唾液から人に感染する可能性があるため、食器やタオルなどの共有、食べ回しは避けるようにしてください。

 

■アレルギー性口内炎

<症状>
金属に接している部分や周辺に白色の潰瘍ができて周囲が赤く腫れ、痛みがともないます。

<原因>
金属の被せ物や詰め物によって起こるアレルギー反応が原因です。

<改善策>
金属の詰め物や被せものを、プラスチックやセラミックなどのアレルギー反応が起こらない素材に替える必要があります。

2.なかなか治らない時に考えられる病気

 

口内炎がなかなか治らない場合、他の大きな病気が隠れていることもあります。

 

■ベーチェット病

口内炎がなかなか治らない場合は「ベーチェット病」という病気である可能性が考えられます。ベーチェット病とは、自己免疫疾患の一種で、本来は細菌やウイルスを排除するために存在する免疫機能が、何かの原因で自身の正常な細胞にまで攻撃をかけてしまう病気です。

なぜベーチェット病を発症してしまうかは不明で、この初期症状として口腔内に口内炎ができるケースが多く、「アフタ性口内炎」との区別がつきづらい点があります。つまり、口内炎がなかなか治らないと思っていたら、実はベーチェット病という聞き慣れない病気だったという想定外のケースもあるのです。自分で薬を飲んで、体調が回復しても口内炎がなかなか改善されないような場合、一度、医師に相談することをおすすめします。

 

■初期癌

治りが悪い口内炎、特に舌や歯肉にできる海洋性の口内炎は、口腔癌の初期症状である場合があります。口の中に違和感があっても、軽度の痛みのため口内炎などと間違いやすいのです。

歯科口腔外科の症例としては、口内炎だと思っていたら初期癌だった、というケースがベーチェット病よりもはるかに多いため、口内炎だと思って放っておかず、早めに専門医の先生に相談して診てもらうようにしましょう。

3.歯医者を受診する目安

口内炎がなかなか治らない場合や、以下のような症状がでている場合は、受診を検討しましょう。

・2週間以上経っても治らない
・痛みが増している
・口内炎がどんどん大きくなっている
・口内炎の数が増えている
・何度も口内炎が再発する

軽度の口内炎であれば自宅でもできる治療法もありますが、治りが悪いものに関しては注意が必要な場合もあるので、「たかが口内炎」と自己判断せず、専門医に診てもらうことが大切です。

監修医

遠藤 三樹夫先生

遠藤歯科クリニック 院長

経歴

1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
 現在に至る

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