※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。
この記事の目次
1.唾液検査とは?調べ方やその目的
虫歯のリスクを知るための唾液検査
唾液検査(サリバテスト)では、虫歯になるリスクについてを調べることができます。唾液の量、唾液の中和力、虫歯の原因細菌数、ラクトバチラス菌の数などを調べることができ、それが虫歯リスクを知るための材料になるのです。また、検査の中では食生活などについても振り返ることになります。今後の虫歯になる可能性がどれくらいなのか、必要なケアはどんなものなのかも知ることができます。
意外と簡単!唾液検査の方法とは?
唾液検査の検査方法は、難しいものではありません。まず、5分~10分程度、専用のガムを噛み、次に唾液を出すだけです。検査では唾液を採取するだけでなく、ストリップ(木の棒)などに唾液をつけて、そこへ専用の薬を合わせて検査していきます。
唾液検査で使われるガムは無味で、痛みがある検査ではないため、ガムが噛める子どもなら検査できる点が魅力です。合わせて、飲食の回数やフッ素の使用回数など、生活習慣についても尋ねられます。
唾液検査は、通販などで検査キットを購入することもできます。自宅で検査ができるので、ざっと今の自分の口腔環境がどうなっているのかを知りたい人には便利なものです。
しかし、検査結果から適切なアドバイスをしてもらい、しっかりと生かすためには、できる限り唾液検査は歯医者さんで受けるようにしましょう。検査をしたい場合は、事前に歯医者さんに電話などで連絡をし、唾液検査を受けたい旨を伝えておくとスムーズに受けられます。
唾液検査の唾液から採取した細菌は、数日をかけて培養していきます。検査結果を知るには1週間ほどの時間がかかる場合もありますので、気長に待つようにしてください。
保険は効く?唾液検査の費用
唾液検査は予防歯科の一環となり、保険は適用されません。保険適用外になりますので、歯医者さんによって検査の金額は違います。
一般的な相場は3,000円〜7,000円です。母子でセット料金を組んでいるところや、2回目以降の検査は割引がきくものなど、歯医者さんによって費用やその内容は違います。お子さんと検査を受ける場合はセット料金になっているところがお得ですので、近隣の歯医者さんではどんな料金設定になっているのか、事前に調べてから歯医者さんに行くといいでしょう。
唾液検査を受ける前に
唾液検査を受ける際には、以下に当てはまらないか確認してから検査を受けましょう。もし当てはまる場合は、検査をしても正しい結果が得られないことがあるので注意してください。
・検査前に飲食、喫煙(成人の場合)、歯みがきをしていないか
・激しい運動をした直後でないか
・検査前、5時間〜6時間以内に洗口液でうがいをしていないか
・検査前1か月の間に常用薬以外の薬を服用していないか
・歯のクリーニングを直前にしなかったか
・唾液に潜血が含まれていないか
小さなお子さんの場合は、「激しい運動」「洗口液でのうがい」などが当てはまりやすくなります。唾液検査を受ける日は子どもにいい聞かせておき、検査を受ける前にも念押しで確かめてから検査を受けるといいでしょう。
2.こんな人は唾液検査が必須!?
虫歯になりやすい人
唾液検査は、すべての人にしてほしい検査です。その中でも、特に虫歯になりやすいお子さんには受けてほしいものです。何が原因で虫歯になっているかが唾液検査でわかるため、今後の虫歯予防に大きく役立つからです。もし、自分が虫歯になりやすい理由がいまいちピンとこないのであれば、唾液検査を受けてその原因を探ってみてはいかがでしょうか。
乳歯から永久歯に生え変わる子ども
永久歯に生え変わるころの子どもの歯は、虫歯になるリスクが高いです。そのため、これから永久歯が生えてくる、今まさに生え変わってきているというお子さんには唾液検査はとてもおすすめです。子どものお口の中の環境を把握すれば、虫歯になりやすい時期を乗り越えるための虫歯予防対策が取れるかもしれないからです。
妊娠中の女性
妊娠している女性も、唾液検査を受けることができます。虫歯の原因となるミュータンス菌は、母親から赤ちゃんに感染するのはご存知でしょうか?そのため、唾液検査を妊娠中に受け、自分がどれくらいミュータンス菌のリスクを持っているのかを知っておきましょう。自分のお口の中の環境を知ることができれば、できるだけミュータンス菌を減らす工夫もできるはずです。結果として赤ちゃんの虫歯予防にもつながっていきます。
歯列矯正中の人
矯正をしていると、どうしてもお口の中のケアが行き届かずに、不衛生な環境にさらされがちです。そのため、歯列矯正中の人も定期的に唾液検査を行い、口内環境が悪化していないかどうかをチェックするといいでしょう。お口の中の状態は自分でもなかなか把握できるものではありません。唾液検査をバロメーターとして利用するのは賢い利用法です。
3.唾液検査後、どんなケアが必要になる?
ミュータンス菌が多い場合のケア
ミュータンス菌が多いという結果が出た場合は、お口の中が虫歯になりやすい環境であるといえます。ミュータンス菌がこれ以上増えないように、歯垢(プラーク)を除去するなどのケアが必要になります。
ラクトバチラス菌が多い場合のケア
ラクトバチラス菌は虫歯を促進してしまう菌です。歯と歯の間、詰め物をした場所、虫歯の穴などにたくさん繁殖していきます。この菌が多いということは、すでに虫歯が進行しているかもしれません。砂糖がラクトバチラス菌のエサになるので、砂糖を控えたり、食後に歯みがきをする習慣をつけるなどのケアが必要になります。
唾液の中和力
食後は歯が溶けやすい状態になります。しかし、唾液が出ることでその状態が中和され、歯が守られるのです。その中和の力を調べれば、「再石灰化が始まるまでにどれくらいの時間がかかるか」=「虫歯になりやすいかどうか」を調べることができます。歯の質がいいのか悪いのかの判断にもつながるので、唾液の中和力はとても大切なポイントになります。
唾液の量
唾液は、お口の中の食べ物を洗い流してくれたり、歯の質を強化するのに役立ちます。また、抗菌作用があるので、虫歯菌などの細菌の繁殖を防ぐこともできるのです。唾液の量が少ない人は、虫歯になりやすい状況に陥りがちです。唾液の量が少ない理由は、緊張、ストレスなど心理的原因も含まれるため、普段の生活の様子などを話しながら、唾液をより多く出すための工夫などをアドバイスされます。
4.適切なケアが虫歯を予防するカギに
小児歯科の歯医者さんが唾液検査をすすめる理由
唾液検査をすることで、虫歯になりやすい状況かどうかを確かめることができるのが一番のメリットです。また、「歯みがきをしているのに虫歯になる」など、きちんと虫歯ケアをしているのに虫歯になる場合、虫歯になりやすい口内環境なのか、歯みがきが上手でないなどの問題があるのかを、探るカギにもなります。
子どもの場合、大人よりも虫歯の危険にさらされやすく、一旦虫歯になると一気に虫歯が広がることもあります。そのため、予防法をより的確にアドバイスしてもらい、その予防法を実行していくことが大切です。唾液検査は、そんな予防法を歯医者さんがアドバイスするうえでの有効な判断材料となるのです。
虫歯予防のケアはたくさんあるけど…
最近では、世界的にも予防歯科の考えが広まっています。ただし、なんでも「ケアすればOK」というわけではなく、適切なケアを行うことが大切です。「毎日きちんと歯みがきしても虫歯になる」のは、別に原因があるからでしょう。その原因をきちんと把握しなければ、せっかくどんなケアをしても、無駄になってしまいます。
生活習慣を変える必要も
検査結果を受けて歯医者さんはいろいろなアドバイスをしてくれます。その中には、生活習慣を変えなければいけない内容が含まれていることもあります。
本当に虫歯予防を真剣に考えるなら、食生活などの生活習慣を変える努力が必要になることも頭に入れておきましょう。子どもの場合は、おやつの与え方やその種類などにルールを設けなければいけないケースもあります。歯みがきの習慣も、もっと細かく指示が与えられるかもしれません。
一旦慣れた習慣を変えるのは苦労しますが、検査結果によってもたらされるアドバイスですので、子どもにも説明をしながら、適切なケア方法を実行していきましょう。
5.まとめ
唾液検査(サリバテスト)は、妊娠中の女性でも小さな子供でも、誰でも受けられる検査です。親子であっても、まったく同じ食事をしているわけではなく、虫歯のなりやすさにも違いがあります。だからこそ、唾液検査で個々人のお口の中の状態を知っておくことが大切なのです。子どもだけでなく、ぜひ、お父さんお母さんも一緒に、唾液検査を受けてみてはいかがでしょうか?家族みんなで、正しい予防歯科を始めていきましょう。