子どもの歯を矯正したいお父さんお母さん必見!保険適用されないときの秘策

子ども 矯正 保険

子どもの歯を矯正したいお父さんお母さん必見!保険適用されないときの秘策

子どもの歯並びの悪さが気になっているものの、健康保険が適用されない矯正治療にかかる費用がネックとなって、歯医者さんに行くのを迷っている親御さんは少なくないと思います。しかし、子どもの歯を健康に、そして美しくしてあげるのは親としての大切な役目のひとつです。歯並びの良し悪しは、その後の人生を大きく左右する面もあります。矯正に必要な費用について正しい知識を身につけて、ベストなタイミングで治療を受けさせてあげてくださいね。

52,560 View

この記事の目次

1.矯正治療は原則として保険適用外

子ども 矯正 保険

矯正にかかる費用は10割負担

歯の矯正治療は原則として自由診療とされており、健康保険が適用されません。保険が適用される、虫歯治療をはじめとした一般的な歯科処置の場合、1割~3割ほどの負担ですませることができます。しかし、矯正治療は10割負担なので、どうしても高額な治療になってしまいます。

また歯科において矯正などの自費治療に対しては、保険適用の治療費用では加算されない消費税が、提示されている自費治療費用に加えて請求されることが一般的です

歯医者さんによって料金が異なる

健康保険が適用される歯科処置は、まったく同じ治療内容であれば、全国どこの歯医者さんでも同じ料金で受けられます。ところが、自由診療である矯正治療は、歯医者さんによって料金設定がさまざまです。
お子さんに矯正治療を受けさせる際は、いくつかの歯医者さんの料金を比較するとよいでしょう。ただし、料金だけにとらわれてはいけません。歯医者さんの技術力や信頼性なども歯医者さん選びの重要なポイントです。

保険を適用できる矯正治療もある

歯の矯正治療すべてが自由診療というわけではなく、保険が適用されるケースもあります。国が定めている、先天性の病気が原因で生じている噛み合わせの異常や、顎の外科手術が必要となる顎変形症(がくへんけいしょう)の手術前、手術後の矯正治療には保険適用が認められているのです。
他にも、唇や歯茎などが割れている唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)や染色体異常の一種であるダウン症候群、筋力低下がみられる筋ジストロフィーなども対象となっています。認定されている病気は種類が多く、自分で判断するのは難しいかと思います。そのような場合には、歯医者さんに一度相談してみることをおすすめします。

2.矯正料金の支払いで知っておくべきこと

矯正治療は医療費控除の対象となる

1年間で支払った医療費が10万円以上になると、所得金額から一定の額を控除できるのが医療費控除という制度です。
すべての矯正治療ではありませんが、年齢や矯正治療の目的から必要と認められる場合には、医療費控除の対象となります。発育段階にある子どもの成長に支障をきたすような噛み合わせの異常を矯正する場合は基本的に対象となりますので、事前に確認してみるとよいでしょう。

ただし、美容や審美的な改善を目的とした大人の矯正は原則的には医療費控除の対象には入りません。

分割払いが可能な歯医者さんもある

近ごろでは、クレジットカードやデンタルローンを利用して分割払いのできる歯医者さんも増えています。一括での支払いが難しい場合には、事前に相談してみましょう。自費診療では高額になることが多いので、12回払いなどで支払う人も珍しくはありません。

「トータルフィーシステム」とは

治療を始める前に、総額でいくらかかるのか提示してもらえる定額制の治療費を、トータルフィーシステムといいます。通常は、治療などを受けるたびに支払う必要がありますが、この額には矯正の調節費や経過観察のための費用も含まれているので、通院した際に追加料金を支払わなくてもかまいません。矯正中の子どもが、お金をもたずにひとりで歯医者さんに行くこともできます。
治療が長引くと、支払い額が増えてしまうのではないかと不安になる人も多いでしょうが、トータルフィーシステムではそのような心配は不要です。納得いくまで、何回でも歯医者さんに診てもらえるのもメリットといえるでしょう。
また、トータルフィーシステムで提示された総額を分割払いすることも可能です。

ただし、治療の途中で治療方針が大きく変更になって再検査が必要となった場合や、紛失や過失によって破損してしまった矯正装置を再び製作する費用、追加で特殊な矯正装置が必要になった場合などは、追加で支払わなければなりません。
さらに、予約した診療の無断キャンセルや当日キャンセルが相次いだ場合に請求されるキャンセル料は、トータルフィーシステムには含まれないので注意しましょう。

永久歯の矯正費用から差し引くことができる

乳歯が残っている時期に受ける矯正治療を「第1期治療」、永久歯が生え揃ってからの矯正治療を「第2期治療」と呼んでいます。第1期治療を受けておくと、第2期治療が必要となった際でも、第1期治療分の費用を差し引かれることがあります。歯医者さんにもよりますが、第2期治療を受ける前には、しっかり確認しておいた方がよいでしょう。

3.子どもの歯の矯正はタイミングが重要

子ども 矯正 保険

「第1期治療」と「第2期治療」の違い

8歳~10歳ころに行う早期矯正治療のことを第1期治療といいます。乳歯と永久歯が混ざっているこの時期の矯正治療は、顎の大きさとのバランスや歯の生えるスペースを確保する、いわばきれいな歯並びのための下地づくりです。この段階の矯正治療では、取り外し式の器具を使うことも多いです。
そして、永久歯が生え揃う11歳ころになると、第1期治療で整えた骨格をベースにして歯並びを調整していきます。これが第2期治療です。この時期にはブラケットという装置を歯に装着することが多いでしょう。

矯正が必要なタイミングには個人差がある

矯正治療を開始するベストな時期は、子どもの症状によって異なるので一概にはいえません。第1期治療を必要とせず、第2期治療からの矯正で十分な子どももいるのです。こればかりは自己判断ができませんから、自身のお子さんの歯がどのような治療を受けていくべきなのか、歯医者さんでカウンセリングを受けましょう。
できるだけ早めに治療をスタートしたほうがよい場合もあるので、費用の面で悩んでいるとタイミングを逃してしまう可能性もあります。気になるようなら、相談だけでも早めにしておくことをおすすめします。

4.子どもの歯を美しくするのは親の役目

欧米では矯正治療のために貯金するほど

歯の矯正が一般的になっている欧米では、子どもが生まれると矯正治療用のお金を積み立てる習慣があるといわれています。子どもの歯を矯正するのは親の責任であると考えられている証拠です。また、欧米では日本よりも歯並びに対する意識が高いことも理由のひとつでしょう。
歯並びや噛み合わせが悪ければ治療をするのが当然という考え方は日本も見習いたいものですが、日本臨床矯正歯科医会の調査によると日本でも矯正治療を受ける人は年々増えているようです。

子どもの長い将来を考えて矯正治療の検討を

歯並びに関する知識が乏しい子どもは、矯正したいと自ら訴えかけることはできません。もちろん大人になってからでも矯正できますが、子どものころに治療を受けた方が、メリットが大きいのが事実です。歯並びや噛み合わせが悪いと、心理的に問題を抱えるだけでなく、健康を害する可能性もあるからです。
第1期治療で歯の生えてくる土台をしっかり整えておけば、抜歯を必要とするような矯正治療を行わずにすむ可能性も高まるでしょう。

まずは無料カウンセリングの利用を

ほとんどの歯医者さんでは、初診でのカウンセリングは無料で行ってくれます。矯正治療を受けさせるかどうかの判断をその場ですぐに求められることはないはずです。
歯並びの状態を確認してもらい、これからどのような歯並びになると想定されるのかの説明を受けましょう。その際に、矯正治療の必要性や治療を開始するタイミング、治療に要する期間、費用なども合わせて聞くことができます。

5.まとめ

子どもの歯を矯正するには、計画を立てることが大切です。費用の面は確かに気になりますが、まずは歯医者さんに子どもの歯の状態をチェックしてもらわないと対策を立てることもできません。
子どもに美しく健康的な歯を手に入れさせるために、早めに歯医者さんに相談しましょう。歯医者さんでは、矯正以外にも保険を適用できない治療が数多くあります。ローンを使えることも多いので、費用に関して不安なことがあれば、気軽に歯医者さんに相談してみましょう。

不正確な情報を報告

子どもの歯を矯正したいお父さんお母さん必見!保険適用されないときの秘策

監修医 遠藤三樹夫先生

遠藤歯科クリニック

院長

【経歴】
1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
現在に至る
小児矯正のある歯医者さんを探す