家計を預かる親御さんたちが気になるのは、保険適用の有無についてではないでしょうか?子どもの歯列矯正が、保険適用されるのかについても触れていきます。
※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。
この記事の目次
1.子どもの矯正治療のトータル費用はいくら?
治療前にかかる費用は?
ここではまず、治療に入る前にかかる費用について触れていきます。
・初診費用 無料〜5,000円
困りごと、悩みごとなどの相談にのってくれます。見た目、咀嚼についてなど、日ごろ抱えている問題があればここで話しておきましょう。また初診の際には、簡単なお口の診察などをする場合もあります。専門家である歯医者さんが診ることで気づける異変などもあるからです。
※費用は歯医者さんによって違いがあります
・診査費用 10,000円~50,000円
目で見ただけでは分からないこともたくさんありますので、より詳しい検査を行っていきます。レントゲン撮影や口の中の写真撮影、顔の骨格の撮影、唾液検査やCT撮影など、さまざまな資料をとっていきます。また、顎の模型を取ったり、噛み合わせ検査なども行い、総合的にどんな問題があるのかを調べていきます。
※費用は歯医者さんによって違いがあります
・診断費用 10,000円〜50,000円
診査のあとは治療計画を立てていきます。矯正の方法やかかる期間、治療費など、集めた資料を見ながら治療方針を決めていきます。
場合によっては、治療方法はひとつではないこともあります。治療にかかる痛みなど、身体の負担もさまざまで、治療期間や費用等も変わってきます。そのため、患者本人や保護者の意見も踏まえながら、治療計画を立てることもあります。
※費用は歯医者さんによって違いがあります
・トータルでの治療前費用、あるいは検査・診断費用の目安 30,000円〜100,000円
上記で説明した費用をまとめると、治療に入る前に30,000円〜100,000円の費用がかかります。これらの費用は歯医者さんによって違いますので、心配であれば歯医者さんに事前にたずねておくとよいでしょう。
※費用は歯医者さんによって違いがあります
第1期治療にかかる費用は?
子どもの歯列矯正には、第1期治療と第2期治療と呼ばれる区分があります。ここではまず、第1期治療が受けられる年齢の目安、目的などに触れていきましょう。
第1期治療とは、乳歯が永久歯に生え変わる前に行う矯正治療です。第1期治療の目的は、
・これから生えてくる永久歯を健康に生えかわらせること
・顎を正しく成長させること
・第2期治療の治療期間を短縮させること
・永久歯の矯正治療で抜歯をせずにすむようにすること
などがあげられます。
第1期治療をしたからといって、必ずこれらの目的が果たせるわけではありませんが、第1期治療をしないよりもした方が、より健康な状態を手に入れやすくなります。ただし第1期治療だけでは、歯並びが揃ったり、噛み合わせが治ったりすることはありません。第1期治療は歯並びや噛み合わせを揃える前段階だと認識しておきましょう。
第1期治療にかかる料金は20万円〜40万円くらいが目安となりますが、続いて始まる第2期治療にも別途、費用がかかることを把握しておいてください。
※費用は歯医者さんによって違いがあります
第1期から第2期までの治療費用は?
第1期治療に加えて、第2期治療の時期や費用にも触れていきます。歯列矯正を始める年齢によっては、第2期治療のみを行う人もいますが、子どもが小学校低学年など、乳歯の段階から矯正治療を始めている場合は、第1期から第2期まで、通して治療を行うケースが多いです。
第1期治療で抜歯を防げたり、治療期間を短くしたりすることができるため、第1期治療は第2期治療の準備段階と呼んでもいいかもしれません。第1期治療を行っていれば、顎の骨を削るなどの大がかりな治療の必要性も低くなります。
第2期治療では、主に「マルチブラケット装置」という、歯同士をワイヤーで連結させる器具をつけて、歯並びや噛み合わせを治していきます。
第1期治療から継続して第2期治療を行う場合、第2期治療の費用の目安は30万円〜50万円ほどです。
※費用は歯医者さんによって違いがあります
第2期のみの治療の場合の費用は?
次は、第2期のみの治療の年齢の目安と治療内容、目的に触れていきます。
第2期治療は、乳歯が残っておらず、すべて永久歯である場合に行う治療です。「マルチブラケット装置」をつける治療が中心で、上下の歯並びや噛み合わせなどを細かく治療していきます。
第2期治療の費用は50万円〜90万円ていどが目安で、マウスピースがある場合は20〜90万円、インビザラインという特殊なマウスピースを使用する場合は70〜90万円ほどかかります。
※費用は歯医者さんによって違いがあります
2.治療中にかかる意外な費用とは?
ワイヤー交換費用
主に使用される「マルチブラケット装置」での矯正の場合、治療中はワイヤーを交換するごとに費用がかかります。
相場は3,000円〜5,000円ほどですが、交換が頻繁であれば無視できない金額になりかねないので注意しましょう。
※費用は歯医者さんによって違いがあります
歯ブラシなどのケアアイテム代
矯正治療においては自分では着脱することのできない固定式の装置を使用することも多いです。それを掃除するために、数百円の費用ですが、毛束の細い歯ブラシの購入が必要になります。
また、噛み合わせを深めるための歯科専用ガムなどを、歯医者さんで購入することもあります。一つひとつはささいな費用ですが、治療年数が何年にもおよべば、まとまった額になることもあります。
歯医者さんで購入しなければいけないこともあるため、これらのケアアイテム購入も治療費用の予算に含め、準備しておきましょう。
3.治療後にかかる費用とは?
矯正した歯が戻らないようにする器具の費用
歯列矯正の治療後にも、保定装置、リテーナーなどと呼ばれる、矯正した歯が戻らないようにする器具を装着する必要があります。半永久的につけておける装置もありますが、ときにはメンテナンスが必要なこともあります。
マウスピース型やワイヤータイプなど器具によって違いはありますが、相場は5,000円〜10,000円程度かかります。これらの費用もちゃんと頭に入れておきましょう。
※費用は歯医者さんによって違いがあります
メンテナンス費用もお忘れなく
矯正が終わったからといって、歯医者さんに行かなくてもよいわけではありません。定期的なチェックと予防歯科のメンテナンスを行う必要があります。
メンテナンスの頻度はさまざまあり、相場は3,000円〜10,000円程度です。こちらも治療の予算に含めておく必要があるでしょう。
※費用は歯医者さんによって違いがあります
4.矯正は保険適用内で治療できる?
顎変形症などの特例を除き保険適用外
矯正治療で保険が適用されるのは、生まれつきの先天的な病気(定められた疾患に限る)を持っていて、それに起因した歯並びの不正がある場合と、顎の骨のバランスが著しく崩れていて、「顎変形症」などの病名で矯正治療と外科手術を併用して治療を行う場合のみとされています。
それ以外は自由診療のため、歯医者さんによって細かな価格設定は変わるので注意しましょう。
高額費用のためローンが組めることも
歯列矯正は、高いときには100万円近い費用がかかることもあります。そのため、ローンを組めることが多く、きちんと支払い方法などを調べれば、治療費の負担を抑えることも可能です。
クレジットローンやデンタルローンなどで支払う方法もあるため、治療費に不安のある方は、かかる予定の歯医者さんに一度たずねてみましょう。歯医者さんも、治療費が高額であることは承知しています。親身に相談にのってくれる歯医者さんも多いので、遠慮せずに聞いてみてくださいね。
5.トータルの治療費を抑えるなら第1期治療から
矯正の治療費は、個々の症状や状態によって違いがあり、費用や期間なども一定ではないことが多いです。しかし一般的には、第1期治療から行ったほうが費用は抑えられます。第1期治療から第2期治療に向けての土台作りをきちんとすることで、あごの骨を削ったり、抜歯したりする特殊な治療をせずにすむからです。
また、土台づくりをしっかりとしておくことで、歯列矯正がしやすく、治療期間が短くなり、受診回数も減ることによって、治療費を抑えることができるという理由もあります。早期から治療しておけば、費用負担だけでなく、身体の負担を減らすことにも繋がります。痛い治療や大がかりな手術などが必要でなくなれば、治療にも不安なく踏みきれますね。
6.まとめ
子どもの矯正費用といっても、決して安いものではありません。費用負担を減らすには、とにかく早期に歯医者さんに相談しておくことが重要になるでしょう。
矯正治療はほとんどの場合、自費治療になるため、各医院での設定金額の幅が大きくて規定しづらいところがあります。どの歯医者さんも設定費用に対してのキチンとした説明を行なっていると思うので、ここに書かれていることはあくまで目安として、納得のいく説明を受けるようにしてください。
今の時点では大したことがなくても、成長過程で大がかりな治療が必要なほどに悪化するケースもあります。早めに歯医者さんに相談することで、身体にもお財布にも負担の少ない矯正治療が受けられます。ささいな事でも、早めに歯医者さんに相談することが大切なのです。