前歯の生え変わりでよくある3つの気がかりとその対策

前歯の生え変わりでよくある3つの気がかりとその対策

お子さんの乳歯が抜け、いよいよ永久歯への生え変わりが始まると、気になるのがその歯並び。特ににっこり笑った際に見えてしまう前歯の歯並びについて、気になる親御さんが多いようです。せっかく生え揃った乳歯が抜け、なかなか前歯が生えてこない「歯抜け状態」が長く続くことで、心配になってしまうこともあるでしょう。前歯の生え変わりには、さまざまな不安がつきものなのです。そこで、お子さんの前歯が生え変わる際に発生しがちな3つの気がかりを紹介し、その原因と対処法を解説します。

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生え変わり 前歯

前歯の生え変わり、よくある3つの気がかり

前歯が抜けたのになかなか生えてこない

生え変わる歯の中でも、特に目につきやすい前歯は、その状態が気になるもの。そんな前歯の生え変わりでもっとも多いのが、「前歯の乳歯が抜けたのに、永久歯がなかなか生えてこない」という気がかりです。前歯が抜けた「歯抜け状態」のお子さんは、表情もユーモラスでかわいらしいもの。とはいえ、あまり長くこの状態が続いては、「この先ずっとこのままなのでは?」と、親御さんとしては気になってしまうものなのです。

乳歯の前歯の内側に永久歯が出てきた

乳歯の前歯がまだ抜けていない段階で、その内側に永久歯の前歯が重なって生えてくることがあります。特に歯の生え変わりが最初に起こる、下の前歯でこの状態になることが多く、「永久歯の生える位置に影響が出るから、乳歯を早く抜くべきでは?」と、慌てて歯医者さんに駆け込む親御さんも多いようです。

前歯の間に隙間がある

「生えてきた永久歯の前歯に隙間があいているけど、矯正が必要ですか?」という相談も歯医者さんでは多いようです。特に、上の前歯で隙間が発生することが多く、見た目にもよく目立つため、「このままでは将来すきっ歯になってしまうのでは?」という不安にかられてしまうようです。

抜けたあと生えない前歯、その原因と対策は?

抜けた前歯がなかなか生えない!どうすれば?

乳歯の前歯が抜けたのに、なかなか永久歯の前歯が顔を出さないとなると、親御さんが心配になるのも無理はありません。こうした現象が起こるには、いくつかの原因が考えられますが、大抵は乳歯の抜けるペースと永久歯の育つペースがアンバランスであることなどが原因で、様子を見るうちに自然と生えてきます。慌てて受診する必要はなく、まずは3か月から半年程度、経過を観察してみましょう。

生えない前歯で受診が必要なケースとは?

多くの場合、永久歯の前歯が生えてこない状態は、しばらく様子を見るうちに自然に解消します。しかし、場合によっては歯医者さんを受診する必要があるケースもあります。そのひとつが、歯茎が分厚すぎて、永久歯がなかなか生えてこられないケース。もうひとつが、永久歯が生えるのに、邪魔なものが存在しているケースです。これらの原因で前歯の永久歯が生えてこない場合には、歯医者さんでそれなりの対応をしてもらう必要があります。半年様子を見ても前歯が生えてこない場合には、歯医者さんに相談してみましょう。

歯茎が厚すぎる場合はレーザーで処置

歯茎が厚すぎて永久歯がなかなか生えてこない場合には、レーザーで歯肉を焼いて、歯茎に永久歯が出てきやすいように穴を開ける処置が有効です。麻酔を使用するので痛みはさほど感じませんが、麻酔が切れたあとに歯茎に腫れや痛みが生じる場合もあります。とはいえ、永久歯が生えるのが遅れている原因が歯茎の厚みのみである場合には、この処置さえ行えば比較的早い時期に永久歯が顔を覗かせます。

邪魔なものがある場合は切開して除去

前歯が生えてくるのを阻害しているのは、過剰歯といわれる本来必要がない歯であるケースが多いようです。これが原因で、歯間があいたり、永久歯が生えてこなかったりするのです。このケースでは、過剰歯を取り除くことで、永久歯が正常に生えてきます。歯医者さんで診療を受けたうえで切除してもらいましょう。

生えない前歯、受診の目安は半年

前歯の永久歯がなかなか生えてこないと心配していても、様子を見ているうちにいつの間にか生えていたということは多いもの。すぐに受診する必要はありません。しかし、半年様子を見ても生えてこないなら、なんらかの原因が隠されている可能性が高そうです。まずは歯医者さんでレントゲンを撮ってもらって、永久歯の状態を確認しましょう。

乳歯と重なった永久歯、その原因と対策は?

永久歯が重なって生えてきた、これって変?

永久歯が乳歯と重なるようにして生えてくる状態も、比較的よくみられます。歯の生え変わりにはお子さんごとにさまざまなパターンがあり、乳歯が残っているうちに永久歯が生えてくるのも決して珍しいことではありません。

多くの場合は経過観察でOK

歯の生え変わりが最初に起こる下の前歯で、乳歯が抜けきらないうちに永久歯が重なって生えてきてしまうと、お子さんの歯の生え変わりを初めて経験している親御さんは戸惑います。とはいえ、多くの場合は経過観察をするうちに乳歯が抜け、内側からの舌に押される力と、外側からの唇に押される力によって、正常な位置に永久歯の前歯が導かれます。

乳歯がぐらついていない場合は抜歯も

乳歯が残った状態で、永久歯の前歯が生えてきた場合、大抵は乳歯がぐらぐらしていて抜ける準備が整っています。しかし、まれではありますが、乳歯がぐらついていない状態で永久歯が重なるように生えてきてしまうケースもみられます。
これは歯茎の中で永久歯の位置がずれてしまい、乳歯の根を溶かすことができなかったため起こったもの。この場合は、歯医者さんでの抜歯が必要になる可能性があります。乳歯を抜歯することで、永久歯は自然と正常な位置に移動していくでしょう。

乳歯が抜けても移動しない永久歯は歯医者さんに相談

乳歯に重なって内側に生えてきた永久歯は、乳歯が抜け次第徐々に前に出て正しい位置に移動することがほとんどです。しかし、乳歯が抜けたのに永久歯が前に出てこないというケースが近年増えています。これは、顎の発育が十分でなく、永久歯のサイズに見合うスペース顎の中に確保できていないため。顎の成長につれて徐々に永久歯が移動する場合もありますが、歯列矯正が必要となる場合もあるので、気になるなら歯医者さんに相談してみてください。

ぐらつかない、動かないが受診の目安

ほとんどのケースでは経過観察により自然と正常に生え変わる前歯の乳歯と永久歯の重なりですが、永久歯が生えてきたのに乳歯がまったくぐらついていない場合や、乳歯が抜けたのに永久歯が正しい位置に移動しない場合には、歯医者さんの受診をおすすめします。適切なタイミングで適切な処置を行えば、多くのケースでは正しい歯並びを手に入れることも可能です。まずは定期的にお子さんの前歯の様子を観察し、状況を的確に掴んでおくようにしましょう。

隙間が空いた前歯、その原因と対策は?

前歯は隙間があるのが、実は正しい状態

お子さんの前歯が生え変わったとその成長を喜んだのもつかの間、隣に生えてきた前歯との間に大きく隙間があると心配になって歯医者さんに相談する親御さんも多くいます。しかし、歯が生え変わる時期のお子さんの歯では、歯と歯の間に隙間があるのは当然のこと。「醜いあひるの子期(ugly ducking stage)」と呼ばれ、正常な成長段階です。むしろ、生え変わり期にも歯間に隙間がない方が、歯並びに悪影響を及ぼす可能性があるといわれているのです。

「醜いあひるの子期」は12歳前後まで

正常な発育のひとつの段階である「醜いあひるの子期」ですが、だいたい永久歯が生え揃う12歳前後までを目安として、自然と歯並びが整い終了します。隙間が目立つ前歯も、側切歯や犬歯などが生え揃うにつれて徐々に左右から押され、自然と隙間が目立たなくなってくるのです。

生え変わり直後の大きな隙間は歯医者さんに相談を

多くの場合問題がない前歯の隙間ですが、6歳前後で乳歯から永久歯に生え変わった直後に、不自然に大きな隙間が歯間に生じている場合は、少し注意が必要です。骨の中に埋まった過剰歯が影響しているケースや、上の前歯では正中の上唇から伸びた上唇小帯というひだが、歯と歯の間に食い込んで歯並びを邪魔しているケースもあるからです。これらのケースでは、歯医者さんでの処置により、前歯を正しい位置に導く手助けをすることができます。あまりに大きな隙間や気がかりがあれば、歯医者さんで相談してみましょう。

12歳臼歯が生えても隙間があれば矯正も

12歳前後で終了するはずの「醜いあひるの子期」が、12歳臼歯と呼ばれる奥歯が生え揃っても続く場合、別の問題が潜んでいるかもしれません。歯列矯正で歯並びを整えなければいけないケースもあるので、タイミングを見て矯正の知識を持った歯医者さんを受診しましょう。

まとめ

生え変わり 前歯

前歯の生え変わりで問題になるのが、永久歯が生えてこない、乳歯と重なって生えてくる、歯間があいている、の3つのトラブル。多くの場合は、様子を見るうちに自然と解消していくものです。しかし、症状によっては歯医者さんでの処置が必要なケースもあります。基本は経過観察で解決しますが、半年くらい異常が続くようなら歯医者さんに相談してください。もし気になるようなら、早めに受診してレントゲンを撮るなどして状態を把握しておきましょう。

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前歯の生え変わりでよくある3つの気がかりとその対策

監修医 飯田尚良先生

飯田歯科医院

住所
東京都中央区銀座1-14-9 銀座スワロービル 2F