さくら歯科医院

この医院を開業したのが、ちょうど4月の桜の季節だった…というのも理由のひとつなんですが、日本人で桜をきらいな人、ほとんどいないですよね？それは、「日本人の思う美しいもの＝桜」ということで、私たちにとって桜が美の象徴になっているからじゃないかと思うんです。だから、桜が咲くとみんな笑顔になるし、お花見の時期は、ちょっとワクワクするような気持ちになる。
そんなふうに、関わる人が明るく笑顔になってくれるような歯科医院にしたいな、という願いを込めて名付けました。

奥にあるユニットです。そこは、壁いっぱいの一枚ガラスにするのにこだわりました。日が差し込んで気持ちがよいですし、外がちょっとした中庭のようになっていて、四季のお花をご覧いただけます。ここは、歯科技工士を務める母が手入れしているんですよ。
患者さまも「あじさいが咲いたね」「もう椿が咲く時期なんだね」「ミカンがなっているね」など話してくれて、来院を楽しみにされる方が多いので、親子でうれしく思っています。 このほか、院内にも大好きな緑を置いています。普段からよくフラワーショップを覗いて、葉の付き方とか幹とか、気に入った植物がないか、探しているんです。すると、一年に何回か、「これがいい！」というのがあって。
それこそ一期一会という感じです。そのなかから、院内に飾るとすてきだなというものを、選んで置いています。

セラミックの歯を入れた直後は、とてもきれいなんですよ。それが5年、10年たったときに、歯周病が悪化して、口元がボロボロになっている患者さまがたくさんいらっしゃるんです。歯茎が下がったり、黒いラインが見えたりなど。
多額の費用をかけても、そうなってしまうのは患者さまにとって大きなマイナス。歯科に対して不信感をいだきながらご来院される方も少なくありません。 それは歯周病治療を重点的に行わないと、防げないんですよね。だから、今力を入れているのは、歯周環境を整えること。入れる前に歯の環境をよくするのはもちろんですが、その後のメンテナンスも重視しています。
ですから、患者さまが自分でメンテナンスしやすい、清掃性がいい状態を作っていくことに、気をつけています。 ただ、これには患者さまの協力も必要です。まったくメンテナンスに来られず、10年たって困ったから来たという場合、治療に時間もお金もかかり、納得のいく結果が得られない可能性もあるからです。だから患者さまには、「治療が終わったらそれがゴールではなく、メンテナンスのスタート」ということを伝えています。ただ、患者さまが歯のことを、生活のなかで意識する割合は、ほんの数％というのが現実でしょう。それを意識してもらうために、患者さまとのコミュニケーションの大事さを痛感していますね。自分の現状はどうか、このままだとどうなるのか、治療していったらどうなるか、きちんとお伝えすることに力を入れなければならないと思っています。

やっぱり患者さまが、期間や費用をかけてでも、治療してよかったと思い続けてもらうことです。そのときよかった、というのはもちろん、“思い続けてもらう”というのが大事。5年後に「やらなきゃよかった…」というふうにがっかりさせたくないんです。おかげさまで長いおつきあいとなり、今もきれいな口元を喜んでくださる方を見ると、心からよかったなと思います。
たくさんの患者さまと一対一で向き合うので、ときには大変なこともありますが、仕事は楽しくがモットーです。それと同時に、患者さまの身体に関わる仕事なので、責任の重さも感じます。「歯科医師は天職」と思えるように、日々、勉強し、努力しています。

痛いとか、噛めないとか、笑顔になっていない「マイナス」の状態から「プラス」にするのが歯科医療ですが、特に困ってはいないという「ゼロ」の状態から「プラス」にできるのも歯科医療です。 歯医者に来ればきれいになれる。癒やされて気持ちよくて、なおかつ健康でいられる。そんなふうに、歯科医院で笑顔になれることをもっと浸透させたいという思いが強くあります。これは、日々、スタッフとも共有していること。歯科医師や歯科衛生士、協力いただいている歯科技工士を含め、全員が同じ思いで患者さまの治療にあたっています。 目指すのは「痛くなくても行きたい場所」。そんな歯科医院になれるよう、これからも努力を続けて参ります。スタッフ一同、皆さまを心よりお待ちしております。