優れた歯材ジルコニア(被せ物・詰め物)!メリットとデメリット

スマイルライン編集部
2022-08-22 更新
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この記事の目次

1.ジルコニアで治療をすると何が良いのか?
1-1 歯をジルコニアにする六つのメリット1-2 ジルコニアにもあるデメリット
2.だいたいの料金体系はこれだ
3.まとめ

最近、歯科治療の中で「ジルコニア」という素材について耳にしたことはありませんか?これは非常に優れた特性を兼ね備えた素材で、治療素材として使われる機会が非常に増えてきています。
では、そもそもジルコニアってなんだろう?ジルコニアのメリットやデメリットは?自分はジルコニアの治療ができるの?そういったいろいろな疑問に対してお答えしていきたいと思いますので、参考にしてください。

※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。

1.ジルコニアで治療をすると何が良いのか?

1-1 歯をジルコニアにする六つのメリット

そもそもジルコニアとは、よく模造ダイヤモンドとして名前を聞くかと思いますが、身近なところでいくと白いセラミック製の包丁などにも使われています。ジルコニアとは、とても丈夫で使い勝手のいいセラミックなのです。今までの治療では、歯の被せ物には金属やセラミックを使用することが一般的でしたが、金属では溶けだした成分が歯茎を変色させたり、一般的なセラミック素材では強度が足りずに強くかみ合わせることができなかったりとデメリットが目立ちました。そこで、近年注目されているのがジルコニアです。ジルコニアはセラミック素材の中でも群を抜いて頑丈で、白く透明感もあるので目立ちにくいという特徴がまず挙げられます。具体的には下のようなメリットがあります。

①金属やセラミック以上の強度

従来のセラミック素材では、あまり強度を保つことができないため、噛み合わせの時に力がかかる奥歯の被せものに使うと、高確率で欠けたり割れたりしてしまいました。

しかし、ジルコニアは「白い金属」と呼ばれるほど頑丈な素材のため、奥歯に使用しても十分な強度を保つことができます。
また、従来のセラミックでは強度不足だったため、インプラントやブリッジの土台に使うときには金属で補強をしていたのですが、高い強度を持つジルコニアでしたら単独素材での使用が可能になります。

②白く透明感があり、目立たない

これまで、被せ物に金属を使うと周りとの色の違いが一目瞭然でした。たとえ奥歯であっても、口を思い切り開けて笑った時などに目立ってしまうんじゃないかと心配になる方もいるのではないでしょうか。

この点、ジルコニアであれば白い素材なので他の歯ともよくなじみ、違和感がありません。さらに透明感もあるので、本物の歯により近い質感を演出できるのも特徴の一つです。

③色が変わりにくい

口の中は歯にとって、意外に厳しい環境です。例えば熱いお茶やスープに味噌汁、それに意外に強い酸性やアルカリ性の食品や飲み物などの刺激に晒され続けています。これは、人工の歯である被せものや詰め物、それにインプラントにとっても、まったく条件は変わりません。

この為、従来のセラミックの中には、経年変化で色が変わってしまったり、艶が回りにある自分の歯と違って見えることもありました。しかし、ジルコニアは非常に安定した素材なので、このような厳しい環境の中でも長期間その機能に変化は起きません。

④幅広い治療範囲

高い強度があるため、治療に使える範囲はかなり広くなります。クラウンといわれている被せものやインレーといわれている詰め物、それにブリッジや土台、インプラントまで、金属の補強無しでも使えるケースがあります。幅広い治療に使用出来る素材だといえます。

⑤金属アレルギーにならない

高い強度があるため、金属の補強無しで使うことが出来ます。このため、金属アレルギーのある人でも治療を受けることが可能です。
また、現時点で金属アレルギーかどうか不明な場合でも、長期間にわたってアレルゲンをため込むことがないので、将来、歯の治療が原因の金属アレルギーを発症するリスクが少なくなります。

⑥仮留めで使用感の様子を見られる

従来のオールセラミックの場合、仮留めをすることが出来なかったため微調整が難しくなっていました。この為、使用感に多少の問題があっても、本人の慣れの問題であるとされるようなところがありました。
しかし、ジルコニアの場合は仮留めが出来るため、その状態で使用感を確認してからきちんとした留め方をすることが出来るので、状態に合わせて調整することが出来ます。

⑦保証のあるケースが多い

ジルコニア治療を受けた場合、多くの歯医者さんは一定期間に起きたトラブルに対して、保証を設けているケースがあります。ただし、保証の内容や期間はそれぞれ違うため事前確認は必要です。

1-2 ジルコニアにもあるデメリット

・歯を削る量が少し多い

ジルコニア治療の場合、どうしても歯を削る量が多くなります。理由としては、ジルコニアの表面をポーセレンといわれるセラミックで覆うため、二重構造になるからです。
二重構造になるとその分はどうしても厚みが増えるため、その分歯を多く削らないと、上手くフィットしなくなるからです。

・割れてしまう場合もある

ジルコニア自体が割れてしまうのではなく、表面を覆っているポーセレンというセラミックが割れることがあります。原因としては、ポーセレンというセラミックとジルコニアの密着度が、セラミック同士との場合や金属とのそれに比べて若干弱い場合があるからです。他にも激しい歯ぎしりをする人の場合、どうしてもセラミックの部分はジルコニアよりも強度が落ちるので割れてしまうケースがあります。
いずれにしても、そんなにたくさん事例があるわけではないのであまり心配しなくても良いと思います。

・治療予後のデータが少ない

ジルコニアが薬事法の認可を受けたのは2005年のため治療予後のデータが多くはありません。若いうちにジルコニア治療を受けたとして、どの人がどの年齢になるまでの耐久性があるのかなどという事に関しては、理論上のデータしかない為、実際のところは残念ながらまったくと言って良いほど不明です。

しかし、最近は日本だけではなく多くの国で歯科治療素材として注目されていて、年間500万本以上の詰め物や被せものである補綴物に使用されています。

・治療費が高い

ジルコニア治療の費用は、従来のセラミックなどに比べると相当高額な料金になってしまいます。これは、いまだに保険適用になっていないためです。

 

2.だいたいの料金体系はこれだ

高額なジルコニア治療の費用ですが、だいたいの料金体系を他素材と比べながら上げてみます。なお、治療費(税別)は歯1本当たりの費用で、単価もあくまでも参考です。歯医者さんによって、開きがありますから注意してください。

◆ハイブリッドセラミックス

セラミック素材と、合成樹脂であるレジンを混ぜて作ったものです。セラミックの美しさとレジンの柔軟性を併せ持ちますが、硬さにやや劣るため、歯ぎしりの激しい人や噛み合わせの力が強い人には向きません。

・インレーの治療費:20,000円以上
・被せものの治療費:60,000円以上

◆歯科切削加工用セラミックス(強化ガラスセラミック)

多様性と柔軟性を併せ持つセラミック素材です。ニケイ酸リチウムを主材としているため、ガラス系なのですが柔らかすぎず硬すぎないという、優れた特徴を持っています。ジルコニアとともに、注目を集めている歯科治療素材です。強い力が加わっても、自分の歯を痛めることが少ないので、歯の寿命を延ばすことが出来る素材でもあります。

・インレーの治療費:40,000円以上
・被せものの治療費:100,000円以上

◆ジルコニア

ジルコニアは二酸化ジルコニウムといって、ジルコニウムの酸化物です。融点が2700度と高く、透明でダイヤモンドのような屈折率を持つため模造ダイヤともいわれています。非常に硬く、熱や酸、アルカリに強いことが大きな特徴です。

このため、歯科医療の素材として優れており、従来は金属と組み合わせなくてはいけないような部分にもジルコニアを単独で使うことが可能です。見た目の美しさや仕上がり感も自然です。普通は安定剤を入れて使いますが、わざと安定剤を少なくして、粘りのある靭性の高い部分安定ジルコニアというものもあります。

・インレーの治療費:60,000円以上
・被せものの治療費:130,000円以上

3.まとめ

いかがでしたか?ジルコニアについて、とても優れた特徴がある事がわかっていただけましたでしょうか。ジルコニアはこれまでの歯科素材で出来なかった「強度」と「白さ」の二つを兼ね備えた素材でもあります。しかしその反面、デメリットがあることもけして見逃してはいけませんね。
現在、歯科治療を考えている方は、ジルコニアについてちょっと覚えておいて下さい。対応できる治療であれば、相談してみてください。

・ジルコニアで治療をすると何が良いのか?
└歯をジルコニアにする六つのメリット
 └①金属やセラミック以上の強度
 └②白く透明感があり、目立たない
 └③色が変わりにくい
 └④幅広い治療範囲
 └⑤金属アレルギーにならない
 └⑥仮留めで使用感の様子を見られる
 └⑦保証のあるケースが多い
└ジルコニアにもあるデメリット
 └歯を削る量が少し多い
 └割れてしまう場合もある
 └治療予後のデータが少ない
 └治療費が高い

・だいたいの料金体系はこれだ
└ハイブリッドセラミックス
└歯科切削加工用セラミックス(強化ガラスセラミック)
└ジルコニア

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