大人も知っておきたい!歯の健康にフッ素がいい理由

スマイルライン編集部
2022-08-22 更新
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この記事の目次

1.フッ素が虫歯予防になる理由とは1-1 歯の再石灰化がカギ?1-2 あらゆる危険から歯を守る効果1-3 酸の生成を防いで虫歯予防に2.ポイントは濃度?歯磨き粉のフッ素との違い2-1 医療機関で使用するフッ素とは
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2-2 歯磨き粉に入ったフッ素とは3.フッ素を塗る方法にも種類がある3-1 歯面塗布法3-2 トレー法3-3 イオン導入法4.子供だけじゃない!大人にもフッ素習慣を4-1 乳幼児や子供へのフッ素の効果4-2 大人へのフッ素の効果4-3 フッ素塗布の誤解5.フッ素の効果をより高めるために5-1 口の中にフッ素を長く留める5-2 毎日少しずつケアしていく事が重要5-3 歯磨き粉などは量を守って6.まとめ

フッ素といえば、なんとなく歯にいいイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。子供の頃に歯にフッ素を塗った記憶から、子供が歯の健康のために使うものと思っている人も多いですね。でも、なぜフッ素が歯にいいのか、どんな効果があるのかは分かっていない人も多数なのではないでしょうか。ここでは、フッ素がもたらす歯への健康効果と、大人にもおすすめしたいフッ素のパワーについて詳しくご紹介していきます。

1.フッ素が虫歯予防になる理由とは

1-1 歯の再石灰化がカギ?

人間の歯は食べ物を食べたり、繁殖した虫歯菌などにさらされたりすることで、カルシウムやリンなどが溶け出してしまいます。放っておけば虫歯菌に侵されて虫歯になったり、歯周病菌によって歯周病になったりするリスクがあります。そこで効果が期待できるのがフッ素です。

歯からカルシウムやリンが溶け出す機序は、口の中に残った食物残渣を虫歯菌が食べて代謝する事で、老廃物として酸を出します。それが歯に付着することでCaやリンが溶け出す事になります。フッ素は、その溶け出したカルシウムやリンを歯に再び吸収する作用「再石灰化」を促進して、健康な歯へと導いてくれる役割を果たすのです。

つまり、再石灰化とは歯を守るための非常に大切なメカニズムで、この「脱灰」と「再石灰化」のパワーバランスが崩れると、虫歯になりやすくなってしまいます。逆に、積極的にフッ素を用いて再石灰化を促進する事によって歯の表面が強化され、脱灰がしにくくなることがわかっています。それだけ再石灰化のパワーは大きいのです。

1-2 あらゆる危険から歯を守る効果

フッ素は、表面を酸に溶けにくい状態に修復してくれ、虫歯菌、歯周病菌などの細菌から歯を守ってくれます。歯の表面が酸などで溶けてしまうと、虫歯菌や歯周病菌などの細菌が侵食しやすくなります。しかし、フッ素でガードの固い強い歯をつくることで、虫歯や歯周病などの菌にやられないように守ってくれるのです。

1-3 酸の生成を防いで虫歯予防に

フッ素は、歯を酸から守るようにコーティングするだけでなく、酸の働き自体が弱まるよう働きかけてくれます。そのため、歯垢などは歯磨きなどでキレイに落としきれないこともありますが、もし、磨き残しの歯垢があったとしても、虫歯を生み出す原因菌の働きを弱め、発生させる酸の量を抑えてくれるのです。そのため、虫歯予防の一つの砦となり、より虫歯になりにくい環境を整えてくれます。

2.ポイントは濃度?歯磨き粉のフッ素との違い

2-1 医療機関で使用するフッ素とは

医療機関で使用するフッ素と、市販の歯磨き粉に含まれるフッ素には違いがあります。歯科や市町村の保健センターなどで使うものはフッ素の濃度が濃く、歯の強化にもとても役立つのです。
濃度でいうと、医療機関で使用するフッ素は「9,000〜123,000ppm」という数値になります。
医療機関でフッ素を塗る対象は、たいていが乳児などの小さな子供になります。これは乳歯や永久歯などの生えたての歯は特に無防備なため、フッ素を塗布することで強い歯をつくろうという取り組みです。

2-2 歯磨き粉に入ったフッ素とは

市販の歯磨き粉にも、フッ素入りのものが販売されています。しかし、こちらは一般家庭で使うものなので、フッ素の濃度は低いです。
濃度でいうと、「500〜1,000ppm」となり、医療機関で使われるフッ素の足元にも及ばないくらいの濃度です。しかし、低濃度のフッ素でも、毎日使い続ければ歯を脱灰から守る効果が期待できます。

医療機関では頻繁にフッ素を塗ることができませんので、医療機関でのフッ素ケアと併せて、自宅でのフッ素ケアも取り入れるといいでしょう。

3.フッ素を塗る方法にも種類がある

3-1 歯面塗布法

綿棒などにフッ化物を浸し、直接歯の表面に塗っていく方法です。多くの方がこの方法を経験したことがあるのではないでしょうか。他のフッ素の塗布方法に比べて短時間で済ますことができるため、長時間施術を受けられない1歳児などにも施すことができます。
ただし、表面に塗布するだけになるため、この後で紹介する2つの方法に比べると、フッ素の浸透量は少なくなります。

3-2 トレー法

こちらは、トレーと呼ばれるマウスピースにフッ化物を入れ、口に加えてフッ素をつける方法です。上顎と下顎に分け、上下各3〜4分ほどフッ素に歯を浸します。トレーを加えてじっとしなければいけないため、小さな子供では行えないこともありますが、じっとしていられる子供であれば、この方法を利用できます。しっかりフッ素化物に浸すことができるので、大人の方にもおすすめです。

3-3 イオン導入法

トレー法のようにマウスピースを使ったり、フッ化物に浸した綿などを使用します。上下の顎にマウスピースや綿をつけ、歯を浸すようにしたら、そこに微弱の電流を流してフッ素を深く浸透させます。じっとしている時間は上下の顎で3〜4分です。トレー法よりも深くフッ素を浸透させることができ、より表面の石灰化を促すことができます。こちらも子供から大人までが対象です。

4.子供だけじゃない!大人にもフッ素習慣を

4-1 乳幼児や子供へのフッ素の効果

生えたての歯は表面も柔らかく、とても虫歯になりやすい無防備な状態です。そのため、フッ素を塗って虫歯の予防効果を高め、歯の石灰化を促して丈夫な歯にします。歯が無防備となりやすい乳歯が生えてくる時期や、永久歯などに生え変わるタイミングなどで行うと、健康な歯を守ることができます。

4-2 大人へのフッ素の効果

子供がつけるイメージが強いですが、実はフッ素は大人の方にも必要な場合があります。加齢などが原因で歯茎が下がっていくと、歯の根が露出してしまいます。もともと歯茎に覆われていたこの部分は非常にデリケートなので、しっかりとケアをしないと虫歯や歯周病を引き起こしたり、歯が抜ける原因となります。そこで効果的なのが、フッ素です。

歯茎が下がると歯垢がよりつきやすくなり、歯磨きをしても汚れを見落としがちになってしまいます。前より歯が長くなったと思ったら、歯茎下がりのサインです。まずは歯医者と相談し、改善に努めましょう。その時にフッ素を塗ってもらうことで、歯周病や虫歯になるのを防ぐことができます。

4-3 フッ素塗布の誤解

フッ素はしばしば誤解されることがあります。よく耳にするのが、「フッ素を塗っていれば虫歯にならない」です。フッ素は再石灰化を促すため丈夫な歯にしてくれますが、必ずしも虫歯を防いでくれるわけではありませんので、食後の歯磨きはきちんと行いましょう。

そして、今一度確認していただきたいのが、フッ素の毒性の有無についてです。ネットで「フッ素」と検索すると体への悪影響について書かれた記事をよく見かけますが、例えばフッ素塗布に使われるフッ化ナトリウムという成分を歯磨き粉1本分の量を飲み込んだとしても中毒を起こすことはないと言われています。害の出るほど高濃度のフッ素を歯科医院では使用することはありません。

また、フッ素を歯に塗ると変色するという話を聞いたことがある方もいるかもしれません。歯の変色が起こるのは、永久歯が作られる小児期にフッ素を大量摂取するなどしない限り考えられません。
ネットの情報を鵜呑みにしてしまうと、ならないで済んだはずの虫歯になってしまうかもしれません。慎重に、正しいものと正しくないものをしっかりと分けて参考にしましょう。

5.フッ素の効果をより高めるために

5-1 口の中にフッ素を長く留める

フッ素の効果をより高めたいのであれば、フッ素歯磨きなどを使う際にも、フッ素を長く留めることができる製品を選ぶといいでしょう。最近では、フッ素歯磨きだけでなく、フッ素ジェルといった製品も発売されています。唾液に流されることなく長く口の中にとどまるので、フッ素の効果をより実感できるでしょう。
もし、ジェルのヌルヌルとした使用感が苦手であれば、フッ素配合の洗口液などをつかってもかまいません。口をゆすぐようにすればいいだけなので、洗口液は手間もなく手軽です。

5-2 毎日少しずつケアしていく事が重要

歯の再石灰化は日々のケアが重要になります。フッ素はケアした後からだんだんとコーティング力が弱まっていきますので、定期的にフッ素を歯に浸透させる必要があるのです。
自宅でのフッ素ケアは、特に低濃度の製品を使うことになりますので、歯医者さんなどでのフッ素ケアと比べると、すぐに効果が薄れてしまいます。
フッ素によって再石灰化が促されれば、初期の虫歯は修復され、歯医者さんでの治療が必要な虫歯になることを防いでくれます。

5-3 歯磨き粉などは量を守って

フッ素入り歯磨き粉などの使用量はきちんと守るようにしましょう。例えば、フッ素入り歯磨き粉をたくさんつけて磨いたとしても、効果はまったく変わりません。そのため、使用上の注意などをよく読んでから使うのが望ましいです。歯磨き粉には研磨剤が含まれるため、それが歯を傷つける可能性もあります。気になる方は、研磨剤の含まれていない歯磨き粉も販売されているので、試してみてはいかがでしょうか。

6.まとめ

フッ素は、子供から大人までの多くの人が行ってきた歯を丈夫にするためのケアです。どうしてもフッ素は子供のもの…といったイメージがありますが、歯周病などへの不安がある大人にこそぜひ使っていただきたいと思います。
もしわからないことがあれば、まずは歯医者さんに相談してみましょう。毎日の自宅でのケアもいいですが、歯医者さんのプロの手でフッ素のケアをしてもらう方が効果も高くておすすめです。

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