子どもの虫歯予防には、自宅と歯医者さんのWケアがおすすめ!

子ども 虫歯 予防

子どもの虫歯予防には、自宅と歯医者さんのWケアがおすすめ!

親御さんならば誰もが、愛する子どもの歯を虫歯から守りたいと願うもの。甘いものは控えて、毎日歯みがきを徹底して…と、一般的な虫歯予防のノウハウは理解していても、忙しい日常やお子さんのぐずりに、ついついおろそかになりがちです。子どもの虫歯予防に大切なのは、自宅での正しい生活習慣を身につけることと、歯医者さんの受診による適切なケア。大切なお子さんの歯を虫歯から守るために、自宅と歯医者さんで、できることをまとめてみました。

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この記事の目次

1.子どもの虫歯予防は自宅と歯医者の2本柱で

子ども 虫歯 予防

歯医者さんにお任せ!では虫歯予防は不十分

お子さんの虫歯予防には、歯医者さんでのケアに加えて、自宅での正しい習慣づけが欠かせません。自宅と歯医者さんの2本柱で取り組んでこそ、お子さんの大切な歯を虫歯から守ることができるのです。つまり、定期的に歯医者さんに通っているからといって、自宅ケアをおろそかにすることはNG。日常的に自宅できちんと虫歯予防を継続しながら、定期的に歯医者さんを受診して、適切なケアを受けるのが理想なのです。

歯みがき習慣と正しい食生活は欠かせない

お子さんの虫歯予防で重要なのは、きちんとした歯みがき習慣と正しい食生活です。習慣というのは、思い立ってすぐに身につくものではありません。正しい習慣は親御さんからお子さんへのプレゼントともいえます。しっかり教育しておけば、大きく成長したあとにきっと深く感謝してもらえるはずです。お子さんの将来の歯の健康を支えるために、乳歯が生え始めた赤ちゃんのうちから、正しい生活習慣を身につけさせてあげましょう。

定期的な歯科受診でチェック&ケアを

「虫歯がないのに歯医者に行かなくても」と思う方も多いはず。しかし、自宅での虫歯予防習慣をきちんと定着させることは重要ですが、それだけでは不十分です。高まる虫歯リスクからお子さんの歯を守るために、定期的に歯医者さんを受診してチェック&ケアを受けることも大切です。虫歯予防の観点からも、将来長く健康な歯を維持するためにも、子どものころから定期的な歯科受診の習慣をつけておきましょう。

子どもの虫歯予防には家族全員で取り組んで

生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、虫歯の原因となるミュータンス菌は存在していません。家族が保持している虫歯菌が赤ちゃんに移行してしまうのが、子どもの虫歯の原因なのです。つまり、子どもを虫歯にしないためには、親御さんや家族も虫歯予防を並行して行うことが欠かせません。家族全員で積極的に取り組むようにしましょう。

子どもも大人も笑顔で続ける虫歯予防

子どもの歯を虫歯にしないことはとても大切なことですが、そのために過度な負担が生じてしまっては、継続することは難しくなります。無理強いすることなく、ケアの必要性を理解させたうえで、楽しく続けられる虫歯予防を模索しましょう。歯はお子さんがこの先一生付き合う人生の相棒です。その大切さを日常的に語り聞かせ、理解させることこそ、子どもの虫歯予防で重要なことであるといえます。

2.子どもの虫歯予防のために自宅でできること

子ども 虫歯 予防

栄養バランスのとれた食生活を整える

お子さんの虫歯予防のためには、栄養バランスの取れた食事内容を整えることが欠かせません。丈夫な歯を作るために必要なカルシウムは、乳製品や小松菜などに含まれますし、唾液分泌を促す食物繊維は、野菜や豆類、ナッツ類、ひじきなどの海藻から摂取することができます。さらに、歯の再石灰化を促進するフッ素も、煮干しや緑茶、芝えびなどの食品から摂ることが可能です。これらの栄養素を中心に、バランスの取れた食生活を目指しましょう。

規則正しい食事リズムを身につけさせる

だらだらと長時間お口に食べものが入った状態は、虫歯リスクをグンと上昇させてしまいます。小腹空きを抑えるちょこちょこ食いなどは避け、食事とおやつなど間食の時間を決めて、規則正しい食事リズムを習慣づけましょう。その際、食事やおやつと歯みがきをセットにして覚えさせるのも重要です。「食べたら歯みがき」の習慣が、お子さんを虫歯から守るのです。

赤ちゃん期からの食後の歯みがき習慣を

「まだ甘いお菓子などは与えていないから」と、赤ちゃんに歯みがきをさせないのは間違いです。歯が生え始めたら、機会を見て赤ちゃんに歯みがき習慣をつけてあげましょう。赤ちゃんのうちから「食べたら歯みがき」を習慣づけておけば、正しい習慣を当たり前のものとして受け入れてくれるはずです。もちろん、小学校低学年くらいまではお父さんお母さんの仕上げ磨きが欠かせません。また、デンタルフロスで歯間の汚れを落としたり、歯医者さんの指示のもと「フッ化ナトリウム洗口液」でのフッ素洗口を行うことも有効です。

赤ちゃん期から虫歯菌を遠ざける

虫歯菌が存在していない赤ちゃんのお口にも、日常生活における家族とのスキンシップなどを通して、虫歯菌がうつってしまいます。食器の共有や、口移しなど、虫歯菌を移行させるような行為は、赤ちゃんのためにはぐっと我慢。3歳くらいまでは、避けるように心がけましょう。

おやつやジュースに気をつける

子どもは甘いものが大好きです。とっても幸せそうに食べる甘い飴、ガム、チョコレートなどをすべて取りあげてしまうのは、さすがにちょっとかわいそう…。しかし、これらの甘いお菓子類に含まれる糖分は、虫歯菌によって分解されると酸(さん)となり歯を溶かしてしまいます。これが虫歯です。甘いお菓子類やジュースなど、糖分を多く含んだ飲食物を摂取しすぎないように、親御さんがコントロールして、上手に付き合うようにしましょう。

よく噛む習慣で唾液の分泌を増やす

虫歯菌は食べものに含まれる糖分を分解し、歯を溶かす酸を作り出します。この働きにより酸性に傾いたお口の中を、中性に戻す働きを担うのが、ほかでもない唾液です。つまり、唾液をしっかり分泌させることで、虫歯予防に力を発揮してくれるのです。唾液の量を増やすために大切なことはよく噛むことです。やわらかいものばかり食べて噛む回数が少ないと、唾液の量が減って虫歯リスクが高まってしまいます。食事には固い食べものもほどよく取り入れて、よく噛む習慣を身につけましょう。

キシリトールやフッ素もうまく活用する

虫歯予防に働きが期待できる成分として、キシリトールやフッ素が注目されています。ガムや洗口液など、これらの成分を使ったアイテムも多数市販されています。マウスウォッシュについては、子どもが使用すると口臭の原因となったり、身体に悪影響を及ぼす可能性があるなどの指摘もありますが、歯医者さんに相談しながら、こうした市販アイテムも取り入れていくのもおすすめです。

3.歯医者さんでできる子どもの虫歯予防

歯のクリーニング・PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)

どんなに丁寧だったしても、自宅の歯みがきで歯の汚れを完全に落としきるのはなかなか難しいです。そして、これらの磨き残しが、虫歯の原因となってしまうのです。歯みがきだけでは落としきれなかった歯垢や食べ物などによる着色汚れ、細菌の塊(バイオフィルム)などは、歯医者さんの「PMTC」で徹底除去してもらいましょう。これは、歯医者さんで専用器具を使って行う歯のクリーニングのこと。定期的に施術を受けることで、歯を清潔に保ち、虫歯予防の働きも期待できます。

フッ素塗布

歯医者さんでのフッ素塗布も、有効な虫歯予防法です。フッ素は歯の再石灰化を促すことに加えて、歯質を強化し、丈夫な歯を作る働きを持っています。虫歯を防ぐためには、通常3か月~4か月に1度、虫歯リスクの高い子の場合は月に1度くらいを目安に行うのがおすすめです。

シーラント

奥歯にある複雑な溝には食べもののカスなどがつきやすく、虫歯菌が繁殖しやすい状態です。虫歯になりやすいこうした奥歯の溝を、虫歯になる前から歯科用プラスティック樹脂などで埋めてしまうのがシーラントです。お子さんの乳歯の溝が深い場合や、生えたばかりの永久歯の虫歯予防に有効なので、気になる場合は歯医者さんで相談してみてくださいね。

唾液検査

唾液に含まれる菌の種類や数、活動度などを測定することで、虫歯のなりやすさ、つまり虫歯リスクを調べることができます。そして検査結果をふまえて、そのお子さんのお口により適した予防やケアが可能になります。

プロバイオティクス

虫歯菌が多く虫歯リスクが高いお子さんの場合、乳酸菌のタブレットなどを食べることで、口内の善玉菌(プロバイオティクス)を増やし、虫歯リスクを低下させることができます。さまざまな商品が市販されていますが、まずは歯医者さんに相談するのがおすすめです。

4.まとめ

お子さんの大切な歯を虫歯から守るためには、さまざまな方向からのケアが必要です。
お子さんが自分で正しいケアをするのはやはり難しいもの。親御さんが必要な知識を身につけて、お子さんへのフォローを欠かさないようにしましょう。
また、長く健康な歯を維持するためには、定期的な歯医者さんでの診療も重要になります。
自宅と歯医者さんのダブルのケアで、お子さんの笑顔と輝く白い歯を守っていきましょう。

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      監修医 飯田尚良先生

      飯田歯科医院

      院長

      【経歴】
      1968年 東京歯科大学 卒業
      1968年 飯田歯科医院 開院
      1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
      1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
      1983年~2009年 東京歯科大学 講師
      現在に至る
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