今日から実践!赤ちゃん期の虫歯予防

今日から実践!赤ちゃん期の虫歯予防

ご飯を食べて歯を磨かなければ、誰でも虫歯になると思っていませんか?実はこれ、半分は本当で、半分は間違いです。もちろん、小学生のお子さんやお母さんが、ものを食べた後に歯を磨くことをやめてしまえば、そのうち間違いなく虫歯が発生することでしょう。そうならないためにも、私たちは毎日、一生懸命に歯を磨いているのです。けれども、まだ生まれて間もない赤ちゃんとなると、話は別です。

7,162 View

この記事の目次

1.虫歯菌がいなければそもそも虫歯は発生しない?

虫歯というのは、ミュータンス連鎖球菌という虫歯菌によって引き起こされます。ですので、この虫歯菌がお口の中に存在していなかったら、いくら歯を磨かなくても、虫歯にはならないのです。
そして、生まれて間もない赤ちゃんは、この虫歯菌に感染していません。まだ歯が生えていないのですから、当然と言えば当然ですよね。
ですので、虫歯予防では、歯が生え始めてからが最も重要な時期と言えるのです。

虫歯菌

2.虫歯菌はお母さんからうつされる!?

では、虫歯菌への感染はどこで起こるのでしょうか。それは多くの場合、お母さんから感染します。
お母さんが食べ物を噛みほぐして、赤ちゃんに食べさせてあげることがあります。 まだ歯が生えそろっていない赤ちゃんにとっては、とてもありがたいことですよね。また、お母さんの愛情を赤ちゃんに伝える大切な手段とも言えます。
けれども、この口移しという行為が、虫歯菌の初感染の原因となっているのです。

3.感染の窓を乗り切れば一生虫歯にならない!?

かといって、虫歯予防のためだけに、こうした母と子のスキンシップを禁止するというのも、その後の母子関係に影響を及ぼしそうな気もしますよね。そこでお母さんに知っておいてほしいのが、「感染の窓」です。
実は、この「感染の窓」と呼ばれる生後19カ月から31カ月を過ぎれば、いくら口移しをしても、虫歯菌への感染率が極端に低くなるというデータがあるのです。

この時期に、赤ちゃんの奥歯は生え始め、外からの刺激に対して、とても弱い状態となります。そこを狙って、虫歯菌はなんとか赤ちゃんのお口の中に住みつこうとするのです。けれども、この時期を過ぎてしまえば、赤ちゃんのお口の中も強くなりますから、そう簡単に虫歯菌も住みつけなくなるのです。ですから、この期間だけは、口移しなどのスキンシップは避けましょう。

その分、他の面で赤ちゃんと沢山のコミュニケーションをとってあげましょう。そうすることで、お子さんが一生虫歯に苦しめられることのない人生を送ることができるのです。
ちなみに、皆さんの身の回りにも、歯磨きをしなくても、全く虫歯にならない人っていませんか?その人たちは、感染の窓の時期に、虫歯菌の感染を免れた人と考えて、まず間違いないでしょう。

不正確な情報を報告

今日から実践!赤ちゃん期の虫歯予防

監修医 貝塚浩二先生

コージ歯科

院長

【経歴】
1980年 岐阜歯科大学 卒業
1980年~ (医)友歯会ユー歯科~ 箱根、横浜、青山、身延の診療所 勤務
1985年 コージ歯科 開業
1996年~2002年 日本大学松戸歯学部生化学教室 研究生
歯学博士号 取得
2014年 昭和大学 客員講師
現在に至る
小児歯科のある歯医者さんを探す