出血!赤ちゃんがお口の中を切るケガをしたときの対処法

出血!赤ちゃんがお口の中を切るケガをしたときの対処法

赤ちゃんのお口から、真っ赤な血が出ていたらどうしよう!出血の原因は?まず何をしたら良い?病院は何科?と、正しい対応の仕方がわからず困っているお母さんもいるのではないでしょうか。赤ちゃんがケガをしないように常に気をつけていても、お母さんが予測できない動きから転倒するなどしてお口の中を切るようなケガをすることがあります。急な事態に慌てることのないように、いざというときの応急手当の方法も知っておくと役に立つでしょう。赤ちゃんがお口の中を切るケガで出血したときの対応方法や注意するべきポイント、よくあるケガの症状など、詳しくみていきましょう。

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この記事の目次

1.出血に気づいたときの3つの対応ポイント

 

1-1.慌てずに!まずは落ち着きましょう

出血の量が多いと「どうしたらいいの」と慌ててしまいがちです。
まずはお母さんが深呼吸などして落ち着き、冷静になることが大切です。
そして、お子さんが泣き叫んでいるときは、やさしく抱き寄せるなどして赤ちゃんを少しでも安心させてあげましょう。

1-2.次に観察、赤ちゃんの全身を見る

少し落ち着いたら、お口の中のどこが切れて出血しているのか確認しましょう。
出血の量が多ければまずは吐き出させて、泥や砂がまじっていれば口をすすぎます。

次に、傷口と、傷の深さを確認します。
出血量が多く見えても、傷口はあまり深くない場合もあるからです。

また、転倒などの衝撃が強かった場合は、唇や歯やあご、目や頭部、手足などを強く打っていることも考えられます。
出血している場所だけでなく、赤ちゃんの様子を見て、全身に異変がないか確認しましょう。

1-3.止血をしましょう!清潔なガーゼなどで応急手当

傷口が確認できたら、出血している部分に清潔なガーゼを押し当てるようにして止血します。
ガーゼがなければハンカチ、タオルでも構いません。
ティッシュはちぎれやすく、傷口にくっついたり飲み込んでしまうと危険なため、お口の中に入れないようにしましょう。

通常であれば、5分程度で出血が止まります。
もし、出血が続く場合は、傷口にガーゼをあてたままにして歯医者さんへ向かいましょう。

出血している間、お口の中にたまった血液や唾液を赤ちゃんが飲み込むと、むせてしまったり気持ちが悪くなることがあります。
そういったことを防ぐためにも、顔を前に傾けたりガーゼで吸い取るなどして、できるだけお口の外に出してあげましょう。

2.お口の中の出血で治療を受けるときの注意点

2-1.お口の中を切るケガの治療なら歯医者さん

赤ちゃんがお口の中を切るようなケガをした際には、歯への影響も考慮して、小児歯科のある歯医者さんに相談してみましょう。
さびたものが刺さった、異物がとれない、喉の奥まで切れている、というときも、同様に相談してみましょう。

2-2.重症の場合は急いで救急車を呼びましょう!

喉の奥に異物がささって取れない、意識がはっきりしない、出血が大量で止まらない、痙攣しているなどの場合は、急いで救急車を呼びましょう。
救急にかかるか判断ができない場合は、緊急相談窓口に問い合わせることもできます。

15歳くらいまでのお子さんであれば、休日や夜間に全国共通【局番なしの#8000】に電話すると、居住地の各自治体ごとに異なりますが、小児科の先生や看護師からのアドバイスを受けることも可能です。

2-3.軽症と判断できるときは、メモを必ず残す

出血が少量で赤ちゃんの様子も普段と変わらず元気で食欲もある、という場合は、自宅で様子を見るケースもあります。
その場合でも、あとになって痛みなどの症状が現れることがあり、赤ちゃんを注意深く観察することが必要です。

もし、後日診療することになっても、歯医者さんが最初の症状や経過がわかるように、お母さんはメモなどを残しておきましょう。

3.赤ちゃんがお口の中を切るケガと症状

3-1.よくある、上唇小帯から出血するケース

赤ちゃんのお口の中のケガで多いのは、上唇小帯(上唇の内側から、上前歯の歯茎の中心につながっている膜のような部分)が切れるケースです。
唇の裏側であるため見つけにくい箇所にあり、傷が見当たらないが出血しているというときは、上唇小帯も確認してみるといいでしょう。

上唇小帯は出血しやすい部分で、転倒して顔をぶつけたり、お口に入れたおもちゃや歯ブラシで切れてしまうこともあります。
また、お母さんが歯みがきをしてあげるときに、歯ブラシで強くこすりすぎて切ってしまうこともあります。

万が一切れてしまっても、傷が小さければ10日程度でそのままくっつくため心配しなくてもいいでしょう。
ただし、出血が止まらない、腫れをともなうなどの場合には、歯医者さんに相談してください。

3-2.歯茎から出血するケース

特に歯茎に対して直角に鋭い物があたった場合は、歯茎が裂けて出血しやすく、縫合が必要になることがあります。
また、歯と歯茎の間から出血することがあります。
衝撃の強さにもよりますが、乳歯の根もとの神経が損傷していることも考えられます。

この場合は、歯に血液が行き届かなくなるために、次第に乳歯が黒ずんでくることがあります。
出血が止まっていても心配なときは歯医者さんに相談してみましょう。

3-3.舌や頬の内側から出血するケース

舌を切ると大量に出血して赤ちゃんの命にかかわるのではないかと心配になるかもしれませんが、出血が少なくて傷が小さいようであれば、経過観察で問題ありません。
傷が大きく出血が収まらないときは、縫合が必要な場合もあり注意が必要です。
その際は清潔なガーゼで圧迫しつつ、歯医者さんで診てもらいましょう。

3-4.歯の損傷とともに出血するケース

外部からの衝撃によって歯の一部が折れる、欠ける、グラグラする、めり込む、抜けるなど、歯に損傷が出る場合もあります。
歯が欠けた場合や抜けてしまった場合は、歯の根もとは触らないようにします。
歯が乾燥しないように牛乳やイオン飲料水につけるかラップに包んでおくといいでしょう。

歯の保管状態が良く処置が早いほど、もとの歯を使った治療ができる確率も上がります。
理想的には30分以内を目安に、急いで歯医者さんに持っていきましょう。

4.まとめ

赤ちゃんのお口の中を切る出血は、転倒や転落、衝突など、事故によるケガが原因になることも多く、慌ててしまうお母さんもいることでしょう。
ですが、そういった状況でも慌てず、ますは落ち着いて赤ちゃんの対応にあたりましょう。
赤ちゃんのお口は唾液量が多く、出血が多く見えても血液量は少量であることがあります。

また、唾液のおかげで、意外に早く出血が止まることも事実です。
応急手当もできる範囲で行いましょう。軽症なら、応急手当で済むこともありますが、心配なときは小児歯科のある歯医者さんに相談されるといいでしょう。

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監修医 高橋貫之先生

本町通りデンタルクリニック

【経歴】
2003年 大阪歯科大学 卒業
2003年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 入学
2007年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 修了
2008年 大阪歯科大学 勤務
2016年 大阪歯科大学(歯周病学 助教)退職
2016年 本町通りデンタルクリニック 勤務
現在に至る。
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