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若々しさにもつながるシニアの矯正

かつては、矯正治療というと19歳以下が多くを占めていましたが、昨今では、20代以上の大人の矯正がおよそ4割になり、その8割が20代から40代、残り2割がシニア世代となる50代以上の方となっています。
そもそも、矯正治療には年齢制限はありません。歯の健康状態が良ければ、基本的にどの年代でも受けられるものなのです。特に、シニア世代の矯正は若々しさにもつながります。シニア世代の矯正のメリットについてご紹介しましょう。

目立つ下の歯の乱れを解消

年齢を重ねると、唇が徐々に下がることで、下の前歯が見えるようになります。従って、反対咬合(下の歯が上の歯よりも前で噛み合わさる状態)や、下の歯の歯列の乱れなどが目立ち、老けた印象になります。矯正をすることで、こうした乱れが整い、口元が若々しく見えるようになります。

顎を動かしやすくなり口元が若返る

歯並びは顎の筋肉にも大きく影響します。左右の筋肉の使い方が偏ったり、常に顎の筋肉が緊張してしまったりと、顎が動かしにくくなっているものです。矯正をして、歯並びを整えることで、顎の筋肉が動かしやすくなり、適切に使えるようになるので、口元が若返ってきます。

滑舌が良くなる

シニアに限らず、不正咬合ではサ行、ラ行が言いにくかったりと、滑舌が悪くなるものです。矯正によって、滑舌の悪さが解消されますし、特に長年、歯並びのせいで滑舌の悪さを感じてきたシニアの方にとっては、話しやすくなることを強く実感できるはずです。

顔の歪みが取れて若々しくなる

歯並びが悪いと、どうしても噛みやすいところを中心に噛んでしまうので、顎の左右の筋肉を均等に使えなくなります。良く使っている側は筋肉が発達し、使っていない側は細ってきます。筋肉の大きさに左右差が生まれて、顔が歪んできます。矯正は、こうした顔の歪みも改善してくれます。

消化を助けてより健康に

噛み合わせが悪いと、どうしても十分に噛むことができないので、きちんと食べ物を噛み砕かず、唾液と十分に混ざらないまま、飲み込んでしまいがちです。これは、胃腸に大きな負担をかけてしまうことになります。しっかり噛むことができれば、自ずと十分な咀嚼ができるようになるので、食事が美味しくなり、胃腸の消化を助け、健康増進にもつながります。

体のバランスが整う

顎の筋肉は、噛むことだけではなく、頭を支える役割もあります。噛み合わせが悪いと、筋肉の左右差が生じたり、顎が動かしにくいので顎の筋肉を使いにくくなります。重い頭を支えることが負担になり、体全体のバランスを狂わせることにもなります。矯正は体のバランスを整えることにもつながり、頭痛や肩こり、自律神経失調症など、長年悩まされてきた症状がスッキリと改善するケースもあります。

歯周病になりにくくなる

歯周病は、口内の原因菌の増殖によるもので、原因ははっきりしています。それでも、歯を失う最大の原因となっているのは、日々のセルフケアだけでは予防が難しいからです。さらに歯並びが悪いと、どうしても磨き残しがでてしまい、歯垢や歯石が歯周病の原因菌の温床になります。歯並びが整うことで、磨きやすくなり、歯周病になりにくくなります。

矯正,シニア

シニアの歯並びが悪くなる原因

もともと歯並びが悪く、なかなか治すチャンスが無かったというケースもありますが、ここでは、シニアに特有の歯並びが乱れてしまう原因についてご紹介しましょう。

歯周病や加齢による歯並びの乱れ

歯周病によって、歯を支える力が弱くなると、前歯が出てきたり、下の前歯の歯並びが乱れてくるケースがあります。歯周病だけでなく、加齢によっても歯茎が後退するので、シニアになると歯列の乱れが、余計に目立ってしまいがちです。

抜けた歯を放置している場合

歯は隣り合った歯どうしで、支え合っています。もし、抜けている歯がある場合、そのまま放置すれば、隣の歯は支えを失うことになり、隙間の空いた部分に倒れ込んでくるので、歯並びが悪くなってきます。

奥歯に詰め物が多い場合

詰め物と天然の歯は、硬さが違います。たとえば、銀歯の詰め物と比べると天然歯の方が少しずつすり減ってくるものなので、徐々に噛み合わせが悪くなり歯並びが乱れる一因になります。特に、力のかかる奥歯に詰め物が多い場合には、歯並びが悪くなりやすいものです。

噛み締めや歯ぎしりの癖がある場合

長年、歯ぎしりや噛み締めといった癖があると、歯のすり減りが大きくなって、噛み合わせが深くなったり、噛み合わせのバランスが崩れます。こうした癖を改善せず、長年が経過していると、歯並びが乱れてくる可能性があります。

シニアの矯正治療で念頭におくべきこと

シニアの矯正には、1章でご紹介した通り、数多くのメリットがあります。もちろん若い人の矯正にはないような不都合もありますが、矯正によって歯の健康を維持しやすくなるメリットの方がはるかに大きいといえます。ここでは、シニアの矯正において、あらかじめ念頭に置いておくべきことをご紹介します。

歯の移動が遅い

矯正によって歯が動く仕組みは、骨の吸収と再生によるものです。押される側の骨が吸収され、反対側の骨が再生することによって、歯が移動します。従って、骨や歯の周囲の組織の新陳代謝が早いほど、歯が移動しやすくなります。新陳代謝が落ちているシニアの矯正では、若い人と比べて、歯の移動が遅くなります。

装置に慣れるのに時間がかかる

ブラケット矯正(歯に固定器具を装着してワイヤーで矯正する方法)の場合、多少の違和感があるものです。口内に異物がある感じや、ワイヤーで引っ張られる際の歯の浮いたような違和感があります。若い方の場合には、こうした違和感にすぐ慣れてくるものですが、シニアの場合には、装置に慣れるのに比較的時間がかかるものです。

食事や発話に支障がある

ブラケット矯正では、装置を装着していること自体の違和感に加えて、慣れない間は食事や発話の時にも、多少のわずらわしさを感じるものです。特に、裏側矯正(ブラケットを歯の裏側に装着する矯正)では、舌が固定器具やワイヤーにあたるため、発音しづらくなることもあります。こうした違和感も、シニアにとっては慣れるのに時間がかかるものです。

歯茎が下がって見えることがある

加齢によって、歯茎が痩せていたり、後退している場合には、矯正で歯並びを整えると、歯茎が後退しているのが目立ってしまう場合もあります。すべてのシニアに当てはまるわけではありませんが、そうなる可能性が高いことを念頭に入れておきましょう。

後戻りしやすい

一般的に、大人の矯正は若い人の矯正と比較して、後戻り(元の歯列に戻っていくこと)しやすい傾向にあります。従って、シニアの矯正では保定期間が長くなる可能性もあります。

シニアに適した矯正例

シニアに限らず、矯正治療では虫歯や歯周病がないことが前提となります。その前提をクリアしていれば、一般的な大人の矯正と同様の治療が可能です。その上で、シニアにはできるだけ負担が少なく、違和感の少ない治療が最適なものとなります。

負担の少ない部分矯正

シニアの矯正では、3章で前述したような負担やリスクなどが考えられます。部分的に歯列を整える部分矯正であれば、こうした負担も少なく、気になるところだけを、比較的短期間で矯正することが可能です。

違和感の少ない矯正装置

昨今では、違和感の少ない矯正装置も多様化しています。ブラケット矯正であれば、一般的なブラケットよりも小さなものがありますし、痛みの少ないセフルライゲーションブラケット(ワイヤーを固定しない特殊なブラケットで矯正に掛かる力が弱い装置)などもあります。また、マウスピース矯正であれば、食事やセルフケアの際には取り外すことができ、発話にも違和感が少ないものです。

矯正を踏まえた総合的な治療

シニアの矯正では、補綴物が多かったり、歯周病のケアが必要であったりする場合、矯正分野以外の治療が求められます。従って、矯正治療だけでなく、一般歯科と連携し、クラウン(被せ物)やブリッジ(抜けた歯をつなぐ補綴物)の改善や口内環境の改善なども合わせた、総合的な治療が理想的です。

インプラントを併用した矯正

歯を失っている箇所がある場合、インプラント治療(チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込む治療法)を踏まえた矯正治療が好都合となる場合もあります。抜けている空間を利用して、歯を移動するスペースに使ったり、移動する余地を考慮してインプラントを埋め込む箇所を決めることもできます。また、インプラントを強い支点として、効果的に歯を移動することも可能です。

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まとめ

若い人の矯正にはない、シニアに特有の負担やデメリットはありますが、矯正治療の大きな障害になるものではありませんし、近年ではシニアの矯正は珍しいものではありません。欠損している歯があれば、逆に移動するスペースとして利用したり、既存のクラウンやブリッジなどを見直して、総合的に治療することも可能です。健全な歯並びは口元の印象を若々しくするだけでなく、消化を助けるなど、全身の健康にもつながるなど、メリットが大きいものなのです。

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2022-08-16T15:02:19+00:00