この記事の目次
1.うがいができない赤ちゃんの歯をみがくコツ
歯みがき粉は使わなくても大丈夫
ブクブクうがいが上手にできないうちは、無理をして歯みがき粉を使う必要はありません。
歯みがき粉をつけて寝かせみがきをすると、歯みがき粉がのどに流れてしまうので、飲み込んでしまいやすいでしょう。
このようにむせてしまうと、歯みがきは苦しいものだと感じて嫌いになってしまいかねません。
赤ちゃん用の歯みがき粉にも研磨剤や発泡剤、清涼剤などが含まれている場合もあります。
しかし、飲み込んでしまう危険性の高い赤ちゃんに、積極的に使う必要はないでしょう。
歯みがきの目的は、歯の表面をきれいにすることです。
歯みがき粉を使わなくても正しくブラッシングをすれば、歯の表面にこびりついている汚れは落とすことができます。
歯みがき粉を使うのであれば、うがいが上手にできるようになってからにしましょう。
どうしても歯みがき粉を使いたい場合は、研磨剤や発泡剤、清涼剤などが含まれていないものを選びましょう。
赤ちゃん用の歯みがき粉は味や香りの甘いものがそろっているので、そういったものを上手に活用して、歯みがきを喜んでさせてあげたいという場合もあるでしょう。
そのようなときでも、歯みがき粉は歯ブラシの先にほんの少しだけつけるようにしてくださいね。
歯みがきの習慣をつける
赤ちゃんの歯が生え始めたら、すぐに歯みがきの習慣をつけるのが理想です。
個人差がありますが、生後6か月ころから下の前歯が生え始めるでしょう。
ただし、最初から歯ブラシを使って本格的に歯みがきをする必要はありません。
赤ちゃんの時期に身につけたいのは、お口の中をきれいにする習慣です。
なるべく早いうちからお口の中を触られることに慣れさせておくと、歯ブラシを使った歯みがきを開始するときに比較的スムーズにおこなえます。
赤ちゃんに「歯をきれいにしようね」とやさしく声をかけながら、歯みがきをする大切さや歯みがきをすると気持ちいいという感覚を教えてあげてください。
「歯みがきをしないと虫歯になるよ」などと怖がらせるような言い方は、歯みがきに対しても恐怖心を与える恐れがあるので控えましょう。
2.赤ちゃんにうがいを教えよう
うがいの練習は2歳くらいから始める
個人差がありますが、うがいができるようになるのは2歳くらいからと考えておきましょう。
ブクブクうがいは3歳の時点で、半分くらいの子ができるようになるといわれています。
ブクブクうがいより少しむずかしいガラガラうがいは、4歳で半分くらいの子ができるとされているので目安として覚えておくといいでしょう。
親御さんはなにげなくやっていますが、ブクブクうがいもガラガラうがいも最初から上手にできるものではありません。
段階を踏んで、ゆっくりと教えてあげてください。
親御さんがうがいをする様子を日ごろから見せておくと、興味をもつきっかけになります。
真似をしているうちに、できるようになるかもしれません。
ブクブクうがいとガラガラうがい
ブクブクうがいとガラガラうがいでは、やり方だけでなく目的も異なります。
ブクブクうがいはお口の中の細菌や食べ残し、食べかすなどを洗い流すために行います。
一方、ガラガラうがいはのどの粘膜についたウィルスなどが、肺に入ってしまわないようにするためのものです。
風邪やインフルエンザなどの予防に必要なのはガラガラうがいです。
お口の中をきれいにしておかないと効果が半減してしまうので、ガラガラうがいをする前にはブクブクうがいをしておきましょう。
ガラガラうがいは、のどの奥のほうに水を入れてゆすぐので、ブクブクうがいより難しいはずです。
ブクブクうがいを最初に教えて、できるようになったらガラガラうがいを練習させていくというステップをふむのがおすすめです。
ガラガラうがいは5歳くらいまでにはできるようになっておくといいでしょう。
ただし、ブクブクうがいよりもガラガラうがいのほうが簡単にできる子もいます。
お子さんの様子を見ながら、どちらのうがいを最初に教えたほうがやりやすいのか考えてあげることが大切です。
水をペッと吐き出す練習から始める
うがいの練習を始める前に、水をペッと吐き出せるようにさせておきましょう。
まずは、コップで水をお口に含んでから吐き出す練習をします。
お口からだらーっと水がこぼれたり床を濡らしたりしやすいので、お風呂に入ったときに練習するとよいでしょう。
水を吐き出すときには、できるだけ遠くに飛ばすようにするとやりやすいと伝えてあげましょう。
ペッと吐き出せるようになったら、次にお口の中で水をかむようにしてから吐き出すように教えます。
最初のうちはうまくできないかもしれませんが、お手本を見せながら根気よく教え続けていれば、あるとき突然できるようになります。
あせらずに、楽しみながら練習させてあげてください。
ブクブクうがいの教え方
水を上手にペッと吐き出せるようになったら、次はお口の中に水を少しの間ためておけるようにします。
お口の中に水をためることができるようになったら、ブクブクうがいの練習です。
水をお口に含んで、ほほを動かしながらブクブクとします。
お子さんの正面で「ブクブク」と声をかけながら、お母さんも一緒に左右のほほを交互に動かして手本を見せてあげましょう。
ガラガラうがいの教え方
ブクブクうがいができるようになったら、ガラガラうがいの練習を始めます。
水をお口に含んで、そのまま上を向く練習からスタートです。
これができるようになったら、上を向いた状態のままお口をあけて息を出す練習をさせましょう。
息は強くださなくてかまいません。息をだした際にゴロゴロと軽く音がする程度です。
コツがつかめてきたら、息を出す力を少しずつ強めていきます。
そうすると、ガラガラという音がでるようになるでしょう。
3.うがいをしないで歯みがきをする方法
ガーゼで歯をふく
生後6~8か月のころは、ガーゼで歯の表面を軽くふくだけで十分です。
赤ちゃんのうちからいきなり歯ブラシを使うと歯みがき嫌いになってしまう恐れがあるため、お口を触られることに慣れさせることが大切です。
歯の生え始めは歯ぐきがむずむずするので、ガーゼでふいてあげると赤ちゃんも気持ちいいでしょう。
親御さんの人差し指にガーゼを巻いて、歯の表面を軽くこすります。
歯ぐきも全体的になでるようにふいていきましょう。
歯みがきは楽しいと赤ちゃんに思ってもらえるように、時間をかけずにサッと終わらせるのがポイントです。
抱っこして「気持ちいいね」「きれいになったね」などとやさしく話しかけながら、楽しい雰囲気で歯をみがきましょう。
このときに、赤ちゃんのお口の中を観察して、歯の生え方などもチェックしてあげてください。
ガーゼでふけないときには、食後に湯冷ましやお茶などを飲ませてお口の中をきれいにしてあげましょう。
歯みがき粉なしでブラッシングする
生後8か月~1歳くらいになると、上下の前歯が4本そろい始めてくるでしょう。
このころになったら、歯ブラシの感触に徐々に慣れさせていきます。
まだうがいができない時期なので、歯みがき粉をつける必要はありません。
お母さんが仕上げ磨き 用の歯ブラシを鉛筆のように持ち、らせんを描くようにみがいていきます。
歯と歯の間や歯ぐきとの境目をていねいにみがきましょう。
上の前歯は、だ液が届かずに汚れが流れにくいところです。
だ液で汚れが落ちやすい下の前歯よりも、上の前歯をしっかりとブラッシングしましょう。
上唇から歯ぐきにつながっているスジ(上唇小帯)は、歯ブラシがあたって痛みを感じやすい場所です。
上唇小帯に人差し指をのせて、歯ブラシがあたらないように守ってあげましょう。
上唇小帯に歯ブラシがあたる痛さを経験して、歯みがきを嫌いになる子がとても多いとされています。
フッ素配合スプレーを使う
虫歯予防に効果的とされている、フッ素が配合されたスプレーがあります。
フッ素濃度の低いスプレーであればうがいをする必要がないので、歯が生えたての赤ちゃんにも使えます。
フッ素配合スプレーをガーゼにシュッと吹き付けて、通常どおりみがいてあげましょう。
もちろん、歯ブラシにつけてみがいてもいいですね。
ブクブクうがいができるようになったら、フッ素洗口液を使ったうがいやフッ素入り歯みがき粉を使ったケアも始められます。
4.まとめ
赤ちゃんがまだうがいをできないうちには、歯みがき粉を使わないケアをしましょう。
歯みがき粉は無理に使う必要がないので、あせらないことが大切です。
うがいをできるようになる年齢は子どもによって違うため、ゆっくりと練習していきましょう。
すぐにできない子でも、いずれは上手にできるようになるはずです。
ただし、うがいは歯みがきだけに必要なわけではありません。
風邪をはじめとした感染症の予防に有効ですから、うがいの習慣は早めにつけてあげてください。
乳歯が生え始めたら歯医者さんに相談し、フッ素塗布などの予防につとめるといいでしょう。