裏側矯正は滑舌が悪くなる!?その原因と対処法

歯の表面にブラケットをつけるワイヤーブラケット治療は、人からブラケットが見えてしまうのがデメリットのひとつです。また、口が閉じにくいなどの問題もあるため、人々を歯列矯正から遠ざけるひとつの理由となってしまっています。

そこで最近人気なのが、ブラケットを歯の裏側に付ける裏側矯正。でも実はこの矯正、滑舌が悪くなるというデメリットがあり、それを理由に治療を始められない人が少なくありません。この記事では、その原因と対処法に触れていきましょう。

■目次
歯列矯正の滑舌への影響
裏側矯正が滑舌に影響を与えるメカニズム
滑舌への悪影響が少ない裏側矯正も
まとめ

歯列矯正の滑舌への影響

滑舌に影響が大きいのは裏側矯正

裏側矯正(舌側矯正)とは、歯の裏側に矯正用のブラケットをつけるという歯列矯正の方法です。
これまでは歯列矯正というと、ブラケットを歯の表につけて治療する方法が一般的でしたが、この方法では人から見える部分に装置が付けられるため、見た目が気になる人、また接客業などで見た目を気にしなければいけない人はハードルを感じる治療でした。
また、歯の表側に装置をつけることで、口が閉じないなどの違和感を感じることも多く、特に大人が歯列矯正をすることはハードルが高かったのです。
そこで、最近人気を集めている歯列矯正が裏側矯正(リンガル矯正)で、ブラケットを歯の裏側につけるため、人に知られることなく歯列矯正ができると注目を集めています。審美性が高く人の目を気にしなくてもいいため、歯列矯正へのハードルも大幅に低くなりました。
他にも、裏側矯正は以下のようなメリットがあります。

・食事中も安心

表にブラケットがついていると、食べかすなどが引っかかっていないかと気になってしまうことがあります。しかし、裏側矯正は人から見えるところにブラケットがないので、食べかすなどを気にせず食事を楽しむことができます。

・虫歯になりにくい

歯の裏側は、いつも唾液で充満しているので、虫歯菌に冒されにくいのが特徴です。表側矯正の場合は、口が閉じず、唾液が充満しにくいため、虫歯が発生しやすいデメリットがあります。

・スポーツをしていても安全

表側矯正は、スポーツ選手などには行えないことが多々ありました。これは、接触などによってケガの原因となる場合があるからでしたが、裏側矯正では安全にスポーツを楽しむことができます。

・出っ歯などの治療に最適

裏側矯正は、歯の裏側から引っ張ることができるので、出っ歯を引っ込めるような矯正に向いています。
いいことばかりに見える裏側矯正ですが、実はこの裏側矯正は滑舌への影響があり、声の仕事をする人などには大きなデメリットになっています。

裏側矯正が滑舌に影響を与えるメカニズム

舌の動きがスムーズにいかない

なぜ裏側矯正が滑舌に影響をあたえるのかというと、歯の裏側に装置が装着されることが1つの大きな原因となっています。歯の裏側にブラケットがつくので、それに舌が引っかかるなどしてスムーズに発音できなくなります。
ブラケット自体の厚みは数mmですが、それでも異物感は大きいものがあります。ブラケットとワイヤーが凸凹としているため、とくに舌が引っかかりやすくなります。
ブラケットとワイヤーが前歯裏にあると、舌が収まるスペースも狭くなります。どうしても舌の動きは圧迫されるため、滑舌が悪化してしまうのです。舌に何かが当たることにも最初のうちは慣れませんので、より意識してしまい、発音がスムーズでなくなります。

裏側矯正で発音しにくい音とは

裏側矯正をすると、サ行、ザ行、タ行、ダ行、ナ行、ラ行の発音に支障が出てきます。これらはの音は、舌を歯茎あたりに当てて発音する音で、ブラケットが舌の動きを邪魔するために滑舌が悪くなるのです。
滑舌が悪くなることで、サはシャ、ナはニャなど、発音がしっかりとできなくなります。日頃から人と話をしたり、人前に立つ仕事をしている人は、ちょっとした不便さが煩わしく感じるかもしれません。

1ヶ月もすれば慣れる

多くの場合、裏側矯正でも1ヶ月もすれば慣れてきます。裏側矯正をしている間、ずっと滑舌に悩まされるわけではありません。1ヶ月程度経てば、その頃には発音にも支障がなくなってくるでしょう。
また、早い人なら数日、数週間で慣れるというケースもあります。個人差があるので、その点も理解して治療を検討してみましょう。

滑舌への悪影響が少ない裏側矯正も

インコグニート

仕事等で滑舌に問題が出るのが困る場合は、ここで紹介する内容を見て、より滑舌に影響のない歯列矯正法を検討してみましょう。それが効果のある対処法になるはずです。
まず紹介するのが、インコグニート(Incognito)という方法です。このインコグニートとは、一人ひとりに合わせて矯正装置を作成して治療していく方法です。
通常、ブラケットの大きさは均一で四角い箱状の形をしていますが、このインコグニートの場合は、ブラケットの厚みを感じにくいように研磨され、また少し凹んだ構造をしています。
滑舌に影響するのは上前歯の裏に付けたブラケットですが、その部分がくぼむので、舌にひっかかりにくいのが特徴です。これまでのブラケットと比較して大幅に発音がしやすくなります。
完全フルオーダーになるインコグニートは、痛みなどを軽減するのにも一役買います。また、既成のブラケットを使わず、個人の歯の形に合わせてオーダーメイドで作成することができ、治療期間も比較的短くすることができます。治療効果を高めるためにも、インコグニートはメリットがあるのです。

クリッピーL

クリッピーLとは、通常よりもブラケットを小型化した装置です。ブラケットが小さいので舌の動きを邪魔しませず、滑舌を邪魔しないとうメリットがあります。
このクリッピーLは、厚さが1.5mmととにかく薄いのが特徴。ワイヤーを固定するのにセルフライゲーションというシステムを採用していて、開閉式のクリップ構造で簡単に取りはずしができるのも1つの特徴になります。
薄いブラケットは違和感が少ないだけでなく、歯や歯周組織への影響も軽減させます。無理に歯を引っ張るシステムではないため、痛みの発生も大幅に減らせます。
歯列矯正の場合は、ブラケットからワイヤーを外して調整し直す作業を度々行います。その度に患者さんは口を開けて調整をしてもらわなければなりませんが、長時間の調整時間は身体にも負担です。
このクリッピーLの場合は、ワイヤーが比較的簡単に外せるため、患者さんが口を開けて椅子に座っている時間を短縮させるのに一役買います。毎回の通院が憂うつにならないためにも、クリッピーLは助けになるのです。

stbライトリンガルシステム

stbライトリンガルシステムも、クリッピーL同様、小型のブラケットです。通常の裏側矯正よりも半分くらいの大きさのブラケットになっていて、違和感の小さなブラケットとして用いられています。
また、通常のブラケットは少し凸凹があり、そこに舌が引っかかりやすいという特徴がありました。しかし、stbライトリンガルシステムは、丸みを帯びていて舌が引っかかりにくくなっています。装置の違和感がないので、より滑舌が悪くなることを避けたい人や、人前に出る仕事をしている人は、このシステムを選択するといいでしょう。
その他にも、このstbライトリンガルシステムは、治療期間が短いのも1つの特徴です。ブラケットが小さい分、ブラケット同士の距離が長くなり、ワイヤーの弾性を利用してより歯が動かしやすくなりました。弱い力でも矯正のコントロールがしやすくなるので、歯への負担を減らすことができます。
小さく丸みのあるブラケットは歯磨きもしやすく、お手入れもしやすいのが嬉しい点ですね。

まとめ

裏側矯正をしたら、滑舌の悪化は慣れるまではある程度仕方がないでしょう。もし、声の仕事をしている、接客業等で滑舌に影響が出ると困る場合は、歯医者さんに相談して、クリッピーLやstbライトリンガルシステムなど、できるだけ影響が出ない治療法を選べると安心です。
裏側矯正は表側矯正と比べてメリットもたくさんあります。滑舌がネックになって治療に踏み出せないのはもったいないので、自分が納得できる治療法を探ってみましょう。

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裏側矯正は滑舌が悪くなる!?その原因と対処法

監修医 松岡浩司先生

松岡歯科クリニック

住所
愛知県名古屋市名東区西山本通2丁目12 エミナンス松岡1階
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