ひらの歯科

実は、父、祖父、叔父が歯科医師だったので、自然と歯科医師になることを意識していたように思います。働く姿を直接目にした、というわけではないのですが、人を治すという特別な職業であることに憧れを抱いていたのは事実です。

大阪で生まれたのですが、進学したのは愛知にある大学の歯学科でした。入学して、「やっぱりそうなんだ」と思ったことがあります。それは同級生が私と同じように親族に歯科医師がいて、それがきっかけで歯科医師を目指した、ということです。家庭環境は、進路を決めるうえで、やはり大きな要因になるんだな、と思いましたね。

まず、「地域に密着し、ゆったりとしたスペースで治療を提供したい」という私の希望がありました。
故郷の大阪に戻って診療を…とも考えましたが、大阪の祖父の歯科医院は街の真ん中にあり、私の希望を叶えることは少し難しいと思い、私の妻の実家でもある香川県高松市で開業することを検討しました。そして、今のひらの歯科の場所に巡り会いました。

結果的に香川へ移ることになりましたが、駐車場も10台分あるので、近隣の方だけでなく、遠方の方でも来院しやすい歯科医院をつくることが出来ました。大阪で開業していたら、このような環境を備えた歯科医院はきっとつくれなかったと思っています。

歯科医院が怖いところと思ってしまうことは、お子さまの将来的にあまり良いことではありません。そこで、緊急性が高くない限り、いきなり治療するのではなく、まずは歯科医院に慣れてもらうことを優先しています。なかには男性の私だと、ぐずるお子さまもいらっしゃいます。そのような時は、女性の歯科衛生士が担当し、まずはブラッシング指導から始めるのですが、それでも駄目なら歯ブラシをくわえてもらう、ということから始める場合もあります。歯科医院という環境に慣れてもらう。そのためには、焦らずゆっくり丁寧に診察を進めていくことが大切だと考えています。

以上がソフト面ですが、ハード面もしっかり整えています。おもちゃで遊んだり、DVDでアニメを観たりすることができるキッズルームや、ファミリールームという親御さまとお子さまが一緒に入れる診察室も設けています。ちなみに、ファミリールームでは、親御さまが治療を受けている間、お子さまは診察室の一角でおもちゃで遊べるようにしています。お子さまは親御さんが治療を受けている光景を目にできるわけですから、歯の治療とはこういうものなんだな、という理解も深まることが期待できます。これもまた、歯科医院を嫌いにさせないための施策のひとつだといえるでしょう。

先程も申し上げた通り、お子さまには歯科医院に慣れてもらえるよう、まずはブラッシング指導からなど診察を丁寧に進めていくようにしています。またお子さまと一緒にいらっしゃる親御さまは、治療中もお子さまのことが気になるのは仕方ないことですから、少しでも治療に専念していただけるように、お子さまと一緒に入れるファミリールームを設けています。常にお子さまが近くにいることを確認できる環境は、心理的にとても良いといえるのではないでしょうか。なお、通常の診察室は半個室で、他の患者さまと顔を合わせるようなことはありません。プライバシーが守られた環境も、患者さまが歯科医院を選ぶ上で重要な要素となるはずです。

お勤め中の方や高齢者の方々向けの環境づくりも余念がありません。遅くまで働いているような方でも余裕をもって来院できるよう診察は夜20時まで行うようにし、高齢の方々が不安なく移動できるよう院内はバリアフリー化しています。さまざまな年代、家庭環境をお持ちの患者さまが無理なく来院できるよう、あらゆる点で配慮の行き届いた院内環境をつくり上げてきました。

患者さまにより良い医療サービスをご提供するために、他の医療現場にて常に当院に活かせる事、スタッフ教育等に取り入れていくべきことを探しています。

例えば先日献血ルームに行きました。 献血はその血液を必要としている誰かの役に立っているわけですから、「来てよかったな」と思っています。

実は献血ルームに来て得られるのは、充実感だけでありません。
スタッフ教育のヒントもたくさん得ることができました。
どなたもお客さまへの対応が終始丁寧で、まさにおもてなしが細部まで行き届いている。
そんな光景を見ながら、患者さまにもっと気持ちよくお越しいただけるように、 スタッフ教育に取り入れられることは力を入れて取り入れようと思いました。

患者さまにより良い医療を提供し、笑顔で帰っていただくことが、 私にとって何よりの喜びなのです。