しげとう歯科医院

予防歯科で特に大切なのは「ブラッシング」です。ブラッシングは、「ただ磨いている状態」と「しっかり磨けている状態」とでは異なります。実を言うと、歯磨きってとても難しいんですよ。

当院では、しっかりとブラッシングのポイントを患者さまにお伝えするようにしています。実際に磨けていないところをご指摘することや、歯ブラシ・フロス・歯間ブラシなどを使ったブラッシング方法を説明するなどの取り組みを行っています。誰に対しても同じように「こういう風に磨いてください」とお伝えするだけならいつでもできますが、患者さまによってお口の大きさ、歯の並び方にもいろいろと特徴があります。その人その人に応じたブラッシングを伝えていかなければいけないと思っています。

歯周病の治療に関しても、歯科医師だけでなく、患者さまの協力がないと改善していきません。それには、普段からのブラッシングが不可欠です。当院の歯周病治療では外科的処置も行っていますが、それでも手の施しようがないという状況になれば歯を抜くしかありません。そうなる前の段階で対応しておかなければいけないから、ブラッシングが大切なんですね。また、現在は介護の現場で「口内ケア」が重視されています。

このように、予防治療はどんな患者さまの治療にあたっても必要になってきます。そこで、手っ取り早くお金のかからない予防治療が「ブラッシング」なんです。「虫歯予防」「歯周病菌とたたかう」など、よく聞くCMの言葉をそのまま信じていませんか？CMの言っていることは間違ってはいないのですが、現実、虫歯や歯周病は歯磨きだけでは撲滅されないのです。なぜなら、歯磨きしても磨き残しがあり歯垢が残っているからです。

では、なぜブラッシングがうまくいかないのか、時間が取れないのか。それは、患者さまが洗面所で一生懸命磨こうとするからですよ。私は行儀は悪いですが、テレビを見ながらリビングで磨いています。また、私は夜寝る前のブラッシングのときには歯磨き粉はつけません。歯ブラシの毛先があたれば、着色は落ちませんが歯垢は落ちます。汚れに対して歯ブラシの毛先をいかにあてていくか、歯と歯の間の汚れを落とすために、いかにフロスや歯間ブラシを使用するか。大事なのは、そこなんですよ。

歯ブラシで汚れが落ちていないのに、歯磨き粉に期待してもまったく意味がありません。歯磨き粉を使っているだけで虫歯や歯周病の予防ができるのであれば、世の中に虫歯や歯周病の患者さまはいないはずですよね。

虫歯菌、歯周病菌はほとんどご家族から感染します。お子さまのお口の状態を良くしようと思うのであれば、ご家族のお口の状態が良好でなければいけません。つまりすべての世代でブラッシング指導が必要なのです。

何人かいらっしゃいますが、特に思い浮かぶのは入れ歯治療をした一人の患者さまですね。根っこだけの状態で「どこで噛んでいたんだろう」と思うような方でしたが、総入れ歯にして、はっきり言ってお顔が変わりました。とても若々しく見えましたね。それはとても思い出に残っています。

現在使用しているものでいえば、「拡大鏡」は歯の根っこの治療や膿がたまっている患者さまの治療など、いろいろな場面で活躍していますね。ものが大きく見えるというだけでなく、ライトがついているというメリットがあります。

拡大鏡がなくても仕事はできるのですが、今まで見えなかった細かい部分まで見えるので、見逃さないようにするために活用しています。使ってみて良かったなと思う場面は多いです。

まずは、患者さまと歯医者さんの「相性」が大事だと思います。あとは、説明を受けてすべてを納得したうえで治療をしてもらえるかです。レントゲン写真をきっちり見せてくれて、しっかり説明してくれる先生の方がいいですね。

また、歯科医師と患者さまのコミュニケーションはとても大事だなと思います。私の親戚の話なのですが、近くの歯科医院に行った後に「歯茎が痛かったから歯医者に行って歯石を取ったら、歯がぐらぐら動き出した」と、軽くクレームみたいに話していたことがありました。

歯がぐらぐら動き出したのが、その歯科医院のせいだ、と思っているのです。でも、それは元々ぐらぐらしている歯にたくさん歯石がこびりついて固定されていたのを、歯石を除去したためにぐらぐらしていたのです。

そこできちんと「歯茎が痛んでいたので歯石をお取りしました」「歯石をお取りして、コーティングを外したのでぐらぐらするようになったんですよ」とお話ししていれば、誤解はなかったはずです。コミュニケーションがうまくいっていないから、治療がうまくいかなかったと誤解してしまったのです。

当院は、コミュニケーションを大切にしています。自分自身、しっかり説明を受けて治療を受けたいと思いますから、患者さまにもしっかりと説明して、納得のうえで治療をスタートするようにしています。

患者さまと末永くお付き合いし、最後までしっかり診させていただけるような歯科医師でありたいです。将来にわたって患者さまのお口の健康管理をしていきたいですね。当院に来院するのが困難な在宅の患者さまでも、ご相談いただければ対応したいと思っています。

気兼ねなく相談していただきたいですし、納得して治療を受けていただきたいと思います。このような当院の目標や将来像に共感し、一緒に目指していってくれる歯科衛生士を採用しています。