はせがわ歯科

幼いころは、弁護士になりたいと考えている時期もあったんですよ。しかし、父親が内科だったもので…親を見ているうちに、自分も医療の道を志すようになりました。それで歯学部に入学したのが歯科医師になったきっかけです。僕が開業した当時は、市の中心部よりも郊外に人口が増えている時期だった。いわゆるドーナツ化現象ですね。
この下川原で開業することを決めたのは、この街がまだ新しくて若い人がどんどん増えてきている時期だったから。宅地が増え始めて、若い夫婦やファミリーがたくさん引っ越してきていたのです。それに伴ってお子さまの数も増えていてね、ここならチャンスがあるだろうと思ったんです。

大学を卒業したころは、お子さまたちがチョコレートなどの甘いお菓子を普通に口にするようになった時期で、小さい子どもの口の中はいつも虫歯の洪水だった。でも、当時は、歯を真っ黒にして「痛い痛い」と近くの歯科医院に駆け込んでも、お子さまの治療を受け付けてくれない歯科医院もあったんです。まともに治療ができなくて、患者さまを持て余していたんですね。そこで僕は、小児歯科に魅力を感じて、お子さまの治療に力を入れていくことに決めました。
卒業後は、東京の小児歯科のクリニックに勤務して勉強を重ね、小児歯科を行う医院として、この地にはせがわ歯科を開業したのです。おかげさまで、小児歯科をうたっているクリニックが増えた現在でも、「お子さまの歯はこちらに」とわざわざ遠方から通ってくれる患者さまもいらっしゃいます。

小児歯科の魅力は、なんといってもお子さまの成長や発育を見守ることができることです。矯正治療は3歳、4歳ぐらいから始めることも多いのですが、そんな時期のお子さまは来院するたびに成長していて驚きますよ。お口の中だけでなく、身体全体が日々成長して変化していくのを、親御さまとはちょっと違った視点から見守っている感じでしょうか。
お子さまの歯科治療は、咬合育成と言って成長に合わせて行うことが多く、1人の子をしっかり診ることになります。その分、噛み合わせを修正でき、治療が終了したときは感慨もひとしおです。お子さまのころに来院していた患者さまが、中学校に上がり、大人になって…。お母さまになってからもお子さまと一緒に来院されたりすると、とてもうれしくなります。

剣道は、大学を卒業して研修医になったころ、同級生が住んでいたアパートの下に道場があったことがきっかけで始めました。
研修医になりたての時期は、時間的に少し余裕ができて新しいことでも始めてみようかな、と思っていたんです。そんなささいなきっかけで30過ぎから始めた剣道ですが、それから数十年も道場通いが続いています。腕前は…まだ4段でそれほどではありません。試合にはほとんど出ず、稽古のみです。実は、楽しいというより、しんどいことの方が多いように思います、それでも続ける理由としては、適度な運動にもなりますし、思想性がある。年齢を重ねてからでも、十分に上達できるスポーツだと思います。どんなに忙しいときでも、週に数回は診療後に道場へ足を運ぶようにしています。

休みの日は、基本的には何もしてません。小説を読みながら、家でのんびり過ごすことが多いです。妻と日帰り温泉へ出かけたり、家族で食事へ行くこともありますよ。先日も、埼玉に住んでいる長男が帰省したので、久しぶりに家族みんなで食事をしました。普段はまとまった休みを取ることが難しいのですが、もしも長期の休みが取れたら、妻と二人で北陸旅行へ出かけたいですね。能登の方まで足を延ばしたいと思います。あちらも海の幸が豊富だし、駿河湾とは違った種類の魚が揚がるでしょう。おいしいお魚を食べるのも楽しみのひとつですよね。

自分が患者さまの立場だったら、できるだけ負担をかけた治療を行わない歯科医院を選びます。
誤解のないように説明しますと、虫歯や歯周病の治療のために歯を削ったり、抜歯したりという作業は必要なのですが、そのような大きい変化をもたらす治療は、口内のバランスを崩してしまうので、できるだけ避けたいと考えているからです。患者さまに負担をかけてしまう治療をしなくてもいいよう、定期的なメンテナンスをして虫歯や歯周病の予防、早期発見を重視してくれる歯科医院を選びたいです。
歯科医師の考え方もいろいろあるかとは思いますが、大きな治療をして、また再発して…というのを繰り返すよりは、現状をキープしながら先の目標に向かって少しずつ修正していく治療法というか、保存療法の方が、身体への負担が軽減されますし、患者さまの希望にも沿ったものになるのではないかと考えています。歯科医師の治療に対する考え方は、実際に治療を担当する歯科医師と話をしてみないとわかりませんから、カウンセリングの際にいろいろ質問してみるといいですね。