この記事では、赤ちゃんの歯がいつから生えるか、どの順番で生え始めるかをまとめました。また、生える順番が違った場合、生まれたときから生えていた場合、生えてくる前に知っておいたほうがよいことなども合わせて紹介します。ぜひ困ったときに参考にしてみてくださいね。
この記事の目次
1.生まれる前・直後の赤ちゃんの歯はどんな状態?
お腹の中にいるとき
意外かもしれませんが、実は赤ちゃんの歯は、お母さんのお腹の中にいるうちから作られ始めています。妊娠6週目~7週目くらいには乳歯のもとになる歯胚(しはい)が作られ始め、妊娠10週目のころまでにできあがっていきます。
生まれた直後
生まれた直後は見えませんが、赤ちゃんの歯肉のなかで乳歯は成長を続けていて、準備が整うと歯肉から出てこようとし始めます。この時期は赤ちゃんによっても違いますが、生後6か月~9か月くらいといわれています。
2.赤ちゃんの歯が生える時期と順番
通常の場合
赤ちゃんの歯は通常であれば下の前歯から生え始め、生後3か月~9か月くらいで最初の1本目が生えることが多いです。ただしこの時期は目安なので、9か月を過ぎてもまだ生えない赤ちゃんもいます。
また、まれではありますが、赤ちゃんの中には生まれたときから歯が生えていたり、1歳を過ぎてもなかなか1本目が生えなかったりする子もいます。
以下に、歯の生える順番の目安をまとめたので参考にしてみてくださいね。
~歯の生える順番~
生後6か月~9か月ころ 下の前歯から生えてくる
生後9か月~10か月ころ 上の前歯が生えてくる
生後11か月~1歳ころ 上下の歯が4本ほど生えそろう
1歳2か月~1歳半ころ 奥歯(第一乳臼歯)が生えてくる
1歳9か月~2歳ころ 犬歯が生えてくる
2歳半ころ 奥歯(第二乳臼歯)が生えてくる
生える順番が違う場合
上で紹介した歯が生える順番は、あくまで目安のひとつにすぎません。2歳半~3歳ころまでにすべての歯が生えそろっていれば、生える順番はそれほど気にする必要はないでしょう。
歯が生えるスピードと同様に、順番にも個人差があります。多少他の子と違っていても過剰に心配することはありませんが、少しでも不安に思うことがあったら、気軽に歯医者さんに相談して、わからないことなどを聞いておくようにしましょう。
生まれたときから生えている場合
生まれた直後にもう歯が生えていたり、生後1か月以内に歯が生えてくることを先天性歯(魔歯)といい、通常より早く歯が形成されるため、歯のエナメル質が薄いなど作りも完全ではなく、ぐらぐらしています。歯の根っこ部分ももろいため、自然に抜けてしまうことが多いです。そのため放っておいても特に問題がないことがほとんどで、歯医者さんに行けば通常は「経過観察」となります。
しかし、お母さんが授乳するときに赤ちゃんの舌が歯にあたり、できものができてしまうことがあります。また、赤ちゃんの歯でお母さんの乳首を傷つけてしまうこともあるので注意が必要です。
~その場合の対処法~
歯医者さんで歯の状態を診てもらいましょう。場合によっては歯を抜いたり、とがっている歯の角を丸く削るなどの対応が必要になります。
3.生えてくる前に知っておくべきこと
歯が生える兆候
歯が生えてくる兆候として、歯茎の部分が膨らんできたりムズムズしたりするため、赤ちゃんが泣いたり不機嫌になったりすることがあります。それを「歯ぐずり」と呼んでいます。
赤ちゃんの乳歯は通常下の前歯から生え始めるので、そのあたりが膨らんできたら歯が生えてくる兆候かもしれません。また、理由が分からず急に泣くことが多くなった場合も歯ぐずりの可能性があるので、注意してお口の中を見てあげてくださいね。歯ぐずりの特徴は以下の通りです。
~歯ぐずりの特徴~
・よだれが多くなる
・タオルやおもちゃなどよく噛む
・手を口に入れる
・夜泣きをする
・赤ちゃんが突然不機嫌になる
・食欲が低下する
かゆみなど不快感を和らげるためには
歯ぐずりのていどは赤ちゃんによってさまざまです。例えば、ほとんど歯ぐずりをしない赤ちゃんもいれば、朝から晩まで泣いてしまってお母さんがヘトヘトに疲れてしまう赤ちゃんもいます。歯の生え始めによるむずがゆさで、不機嫌になったり夜泣きをしたりする場合は、以下のような対策もあります。赤ちゃんが歯ぐずりをすると悩んでいるお母さんはチェックしてみてくださいね。
~歯ぐずり対策~
・冷やした歯がためを渡してあげる
・冷やしたガーゼや濡れタオルで歯茎をふく
・歯や歯茎を軽めにブラッシングする
歯がためを渡してあげると、噛むときの刺激によってかゆみがまぎれるのか、落ちつく赤ちゃんが多いようです。もし歯茎がはれていたりするようであれば、冷蔵庫で冷やした歯がためを渡したり、冷えたガーゼや濡れタオルで拭いたりすることで、かゆみがやわらぎます。
歯がためは、素材もたくさんの種類から選べて、洗いやすく衛生面に配慮したものも多く販売されています。より希望に合ったものを探してみてください。
もし、それでも泣きやまないのであれば、ムズムズする歯茎部分を軽めにブラッシングしてあげましょう。ゴシゴシすると歯茎を傷めてしまうことがあるので、あくまでやさしくするのがポイントです。その際、赤ちゃん用のシリコーン製歯ブラシを使うと傷つけにくくなります。
日中だけならまだしも、赤ちゃんが夜泣きをずっと繰り返していると、お母さんのストレスが溜まってしまいます。適切な対処をして、うまく歯ぐずりと付き合っていきましょう。
4.歯医者さんに行く目安
歯が生える時期は赤ちゃんによって個人差があり、生後6か月を過ぎたとしても下の歯が生え始めない赤ちゃんもいます。生え始めの時期が遅くなったとしても、3歳半くらいまでに乳歯20本が生えていれば特に問題はないです。
しかし、生後1歳3か月を過ぎて歯が1本も生えてこない場合には、歯医者さんに相談した方がよいでしょう。
歯が生えてこない理由として、歯のもとが作られない「先天性欠如歯」や、顎の骨が硬いこと、歯茎が普通より厚いことなどが考えられます。見た目では判断が難しいケースもあるので、不安があるなら一度歯医者さんで受診をしてみましょう。
5.まとめ
まわりの赤ちゃんと比べ、自分の子だけ歯が生えてくるのが遅かったりすると焦ってしまいますよね。実際には、生え始めは赤ちゃんによって個人差があるため、そこまで神経質にならなくてもよいかと思います。また、生える順番についても多少の前後はあるものです。
ただし、1年3か月を過ぎてもまだ1本も生えていないなど少しでも不安があるようなら、迷わず歯医者さんに相談し、お子さんの歯の状態がどうなっているのか診てもらいましょう。