インビザラインが痛いのはホント?痛みがでる9つのケース

コラムを読んで、歯に関してわからないことや不安なことがあれば、歯科矯正の歯医者さんに相談してみましょう。

インビザラインが痛いというウワサを聞いて、心配していませんか?確かに痛みがあると続けるのがイヤになってしまいますよね。インビザラインは矯正のなかでは痛みが少ない治療といわれていますが、場合によっては痛みを感じることもあります。

インビザラインで痛むときというのは、どのようなケースでしょうか。この記事ではインビザラインの痛みがでやすい9つのケース、対処法などを紹介します。ぜひ治療の前に知っておいてくださいね。

この記事の目次

どんなときに痛む?痛みがでる9つのケース

はじめにマウスピースを装着したとき

歯の根元(根っこ)がしっかりしているため、はじめにマウスピースを装着するときは、力を加えると痛みを感じることがあります。
2~3日で歯が揺れるようになってくると、痛みが緩和してきます。

マウスピースをはずすとき

飲食をするときには基本的にマウスピースを取り外すと考えてください。
マウスピースを交換した直後は歯をきつくしめているので、取り外しに手間どって痛みます。
また、マウスピースをはずしたあとは、上下の歯が上手に噛みあわないため痛むことがあります。

ものを噛むとき

かたい食べ物を噛むときは、噛みしめることで痛みが発生しやすいといえます。
痛くて噛めないこともあるようです。
食べているうちに緩和されるので、少し我慢が必要です。

アタッチメントによって

インビザラインの矯正中にアタッチメントというものをつけることがあります。
アタッチメントとは、レジンと呼ばれるプラスティック素材のデコボコのことで、マウスピースから歯にかかる力を調整する装置です。
歯と同じ色を取り付けるので見た目にはそこまで目立ちませんが、これによって痛みを感じる恐れがあります。
アタッチメントで感じる痛みは、大きくわけて3つあります。

◆歯をしめつける痛み
アタッチメントをつけてマウスピースをはめると、歯にいっそう負荷がかかるので、歯が移動しやすくなります。
歯へのしめつけ感が強くなるからです。
したがって、アタッチメントをつけていない状態(マウスピースだけを装着しているとき)よりも、窮屈に感じ痛みが増すことがあります。

◆マウスピース取り外しの痛み
アタッチメントをつけると、マウスピースの脱着が難しくなります。
特に、取り外すときに時間がかかり、力をいれることで歯だけでなく手や指も痛くなる人もいるそうです。
慣れると脱着も簡単にできるようになるので、そこまで心配する必要はないでしょう。

◆アタッチメントがお口にあたって痛む
アタッチメントを装着しているときは、歯面にプラスティック素材のデコボコをつけた状態です。
マウスピースを外して食事をする際に、頬の内側にアタッチメントが当たることがあります。
咀嚼をする際や、口を開けるときに引っかかり痛むので、気をつける必要があります。

アタッチメントによる痛みを3つ紹介しましたが、これはすべての人に起こるわけではありません。
中にはアタッチメントなしで治療をすすめるケースもあります。
歯並びによってはアタッチメントの数が多くなることも、逆に少なくなることもあります。
一般的にはアタッチメント7個~15個ほどを用いて歯を移動していきます。

IPR(歯を削ること)をおこなったとき

歯を移動させる空間を作りだすために、歯と歯の間をヤスリで削る、IPLという治療法があります。
歯を削るときに響いたり、削ったあとに痛みがでたりすることがあります。

歯がグラグラゆれるとき

マウスピースをとりはずしているときは、歯が乳歯のようにグラグラとゆれている感覚があります。
人によってはその感覚を痛みとして感じることがあります。

マウスピースが歯茎や舌に当たったとき

舌、もしくは歯茎にマウスピースが当たって痛みを感じるケースもあります。
特に多く相談されるのが舌の痛みです。
舌の動かし方や置く位置によっては、マウスピースの内側部分に当たってしまいます。
マウスピースが歯茎に当たるときは歯型にあっていないこともあるので、歯医者さんで相談しましょう。

ひさしぶりにマウスピースをつけたとき

マウスピースをつけるのをやめていて、しばらくぶりに装着すると痛みを感じることがあります。
マウスピースがはまりづらく、装着に時間がかかることもあります。
マウスピースは基本的に毎日つけるもので、1日の装着時間も決められています。
装着をさぼってしまうと痛みがでることを念頭におきましょう。
最悪の場合、マウスピースが歯に入らなくなってしまうこともあります。

顎間ゴム(がくかんゴム)をつけたとき

上の章でも少し触れましたが、インビザラインでもワイヤー矯正と同じように顎間ゴム(がくかんゴム)という輪ゴムをつけることがあります。
このゴムで引っ張りながら歯を移動させていくのですが、あたらしいゴムと交換すると引っ張る力が強いため、痛みがでやすくなります。

インビザラインで痛みがでたときの対処法

矯正やインビザラインで痛みが発生したときは、具体的にどうすればよいのでしょうか。

痛み止めを処方してもらう

無理をして痛みを我慢する必要はないので、痛みを感じたら痛み止めを飲んでください。
歯医者さんによっては事前に処方してくれますが、もし手元に痛み止めがなければ市販の鎮痛剤でも構いません。

鎮痛剤が効かない場合は、早めに歯医者さんに行きましょう。

なるべくやわらかいものをたべる

咀嚼するときに痛みがでやすく、特にかたいものを食べるとひどくなる傾向があります。
様子を見ても痛みが出るようなら、やわらかい食べものを摂るようにしてください。

マウスピース交換時は安静にできる日に

マウスピースを交換する日は、特に痛みがでやすいので注意しなければいけません。
その日に会食や外出、飲み会、イベントごとなどをいれていると、痛みが気になって楽しめなくなってしまいます。
マウスピースを交換したあとはできるだけ予定をあけておき、痛みがひどければ安静にできるようにしておきましょう。
特に飲食の約束は控えることをおすすめします。

歯医者さんに相談する

とても痛みに耐えられない、痛み止めを飲んだのに改善しない、マウスピース交換から3日以上たってもまだ痛みがおさまらないという場合は、歯医者さんに相談するべきです。
場合によっては歯がきちんと動いていない可能性があります。
歯医者さんに連絡してきちんと診察してもらうことが大切です。

インビザラインをするときの注意点

装着中に飲食をしない

マウスピースをした状態で食事をすると大変なことになります。
マウスピースと歯茎のすき間に、噛みくだいた食べ物が入って汚くなるからです。
汚れを放っておけば、マウスピースの中で菌が増えて虫歯や口臭の原因にもなります。
マウスピースだけでなく、歯に汚れが着色してしまうことも考えられます。

水であれば、マウスピースを装着していても飲むことに問題はありません。
しかし、果汁や糖が入ったジュース、甘さのある飲みものは、マウスピースのすき間から入りこみ菌の繁殖につながります。
きちんとマウスピースを取り外して飲むようにしてください。

飲食をしたあとは、歯みがきをしてからマウスピースをつけることが大切です。
インビザラインは使い方を間違えると雑菌の温床となってしまうので、気をつけなければいけません。

清潔にしないとにおいが気になる

インビザラインは毎日20時間以上など装着時間が決まっています。
しかし、そのままつけっぱなしにするのはおすすめできません。
毎日1回ははずして洗うようにしないと、雑菌が繁殖してイヤなニオイがすることがあります。

マウスピースは一定期間したら新しいものに交換となりますが、それでも毎日1回の洗浄は欠かさないでください。
水で軽くゆすいでも菌の繁殖を防ぐことができないので、専用の洗浄剤を使用したり、歯ブラシ(市販のもので構いません)で優しく磨いたりすることが大切です。
歯磨き粉やお湯での洗浄は、マウスピースを痛める原因になるので避けてください。
また、市販の洗浄剤の中にはマウスピースを変形させてしまうものもあるため、注意しましょう。

歯磨きがしっかりできていないと、マウスピースの中で菌が繁殖しやすくなります。
歯みがきするときは歯ブラシだけでなく、デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシやタフトブラシ(毛先が小さくひとつにまとまっているブラシ)を併用してください。

矯正後もあと戻りしないために装置をつける

インビザライン治療がおわったあとも、そのままにしておくと歯が元の位置に戻ろうとします。
歯を舌で押したり、頬づえをついたりするクセがあるときも歯列が乱れやすいです。
マウスピースを取り外した直後はまだ歯を支えるための骨が固定されていなく、歯がグラグラで動きやすいために起こります。

これを解消するために、矯正後は保定装置(リテーナー)というものをつける必要があります。
マウスピースのような透明素材なので、見た目は目立ちにくいでしょう。
少なくとも半年から1年くらいは歯が動きやすいので、この保定装置をつけてください。

定期的に歯医者さんで「歯が固定されてきたか」を診察してもらい、問題がなければ保定装置をつける時間をだんだん減らしていくのが一般的です。
個人差はあるものの、保定期間というのは「歯を矯正した期間」と同じと考えておいてください。
もし1年かけてインビザラインで矯正したのなら、保定期間は1年かかると覚えておくとわかりやすいでしょう。

痛みがあるから…取り外してばかりはNG!

インビザラインの良さは、自分で取り外せることでしょう。
しかし、痛みが気になるからといってマウスピースを装着するのをサボッていると治療がすすみません。
そればかりかマウスピースが歯にはまらなくなることもあります。
計画どおりに治療を終わらせるためには、装着時間を守り毎日つけなければいけません。

インビザライン治療には痛みがあるってホント?

インビザラインは痛みが少ない治療

インビザラインは、ワイヤー矯正などに比べて痛みが少ない矯正といわれています。
矯正とは、歯に対して何かしらの力をかけることで歯を正しい位置に移動していく治療です。
矯正の種類によって歯の動かしかたに違いがあり、痛みにも差が出ます。

ワイヤー矯正と比べて痛みが少ない理由

インビザラインはワイヤー矯正より痛みが少ないといえます。
ワイヤー矯正は、以下のような特徴があるため痛みがでやすくなります。

【ワイヤー矯正で痛みがでやすい理由】
・調整するときにワイヤー装置のねじをきつくしめるから
・上あごと下あごの装置をつなげる顎間ゴム(がくかんゴム)という輪ゴムをつけるときに歯へ負担がかかるから
・装置(ワイヤーやブラケット)が口の粘膜にあたるから
・装置があたって口内炎になることがあるから

インビザラインは装置(ワイヤーやブラケット)をつけることがない治療法です。
そのため、お口の中を装置で傷つけたり、口内炎ができたりしにくいのです。
また、一般的なワイヤー矯正は歯の表側1点に対して力がかかる作りです。

一方で、インビザラインはマウスピースを装着することで歯全体をすっぽり包みこんで移動させます。
つまり、歯全体に力がかかりやすく、ワイヤー矯正と比べて負担が軽減されます。

場合によっては痛みがでることも

ほかの矯正より痛みは少ないといっても、やはり力を加えつつ歯を動かしていく治療なので、場合によっては痛みを感じることもあります。
マウスピースをつけた直後、数時間経ったあと、もしくは数日(1~3日間ほど)痛みがでることもあるようです。
多くの場合は、3日経つと痛みがひきます。

人によって痛みの程度はちがうものの、ジーンとするような痛み、しみるような痛み、むずがゆいような痛み、歯をずっと指で押しているような痛みを感じることがあります。

まとめ

インビザラインはほかのワイヤー矯正と比べ痛みがでにくいといえます。
ただし、まったく痛くならないというわけではありません。
個人差はあるものの、マウスピースを交換したときやアタッチメントを装着したときなどに痛みがでやすい矯正治療です。

しかし、その痛みがずっと続くわけではありません。
大体の場合、数日すればおさまることが多いです。
痛みが出たときは、早めに歯医者さんから処方してもらった痛み止めを飲みましょう。

監修医 野崎康弘先生

医療法人社団 医康会 ジェイエムビル歯科医院 院長

【経歴】
1990年 日本歯科大学 卒業
1990年~1995年 医療法人社団医恵会 勤務
1996年 ジェイエムビル歯科医院 開院

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