イノマタデンタルクリニック　五橋オフィス

歯周病とインプラント治療です。学生の頃に日本にインプラント治療が本格的に入ってきて、私は興味を持ちましたので、熱を入れて学んでいました。その後、インプラントを長持ちさせるには、歯茎が健康な状態であることが大切だと考えましたので、歯周病治療にも力を入れてきましたね。

そして、2011年3月に起きた東日本大震災によって、私の歯科医療に対する考え方が大きく変わりました。地震から数カ月後、私はスタッフを連れて石巻の避難所まで往診に伺いましたが、歯科医院に通えない方がこんなにもいらっしゃるのかとショックを受けました。その日を境に、通院できない方のお口の健康をお守りしたいと思い、訪問歯科診療にも力を入れるようになりました。私にとって大きなターニングポイントだったと思います。

印象に残っているエピソードはたくさんありますが、真っ先に思い浮かぶのは、80歳でインプラント治療を受けられた患者さまですね。それまでは入れ歯でしたが、お食事の際にとても不便な思いをされており、インプラントを希望して当院に来院しました。治療後、しっかりと噛めるようになったと大変喜んでいただき、定期的なお口のメンテナンスもしっかりと通っていただきました。

学問的に正しい治療をすることです。早く治療を終えられるのは患者さまにとって嬉しいことだと思いますが、すぐにダメになってしまうのでは意味がありません。そのため、基本に忠実に、また治療の工程一つひとつを丁寧に行って、お口のお悩みを改善しています。

言葉には出せない思いを引き出すことを心がけています。

以前、痛みや腫れだけを取り除きたいという方がいらっしゃいました。しかし、じっくりとお話ししてみると、実は歯科恐怖症であることが分かりました。そういったナイーブなお悩みや本音を汲み取れるように配慮しています。歯科医師には相談しにくいことも話しやすいように、当院ではスタッフもお話を伺います。小さなことでも、遠慮せずにご相談ください。

院内で行う勉強会では治療の技術だけでなく、私の考え方についてもよく話しますが、そのことに素直に耳を傾けてくれます。

また、自発的に患者さまとコミュニケーションをとってくれていることも、自慢できる点です。患者さまと歯科医師の架け橋のような存在になっているので、とても助かっていますね。スタッフが患者さまときちんとお話しできる体制にするために、業務以外のことは専門の業者にお願いしています。

人はなかなか本音を言うことができません。その深い部分を引き出すには、コミュニケーションを密にとることが何よりも大切だと考えています。そのため、患者さまとのコミュニケーションの重要性をスタッフに伝えています。また、患者さまがいつでも相談できるように、仕事の用がある時以外はバックヤードには戻らないようにとも言っています。

やはり訪問歯科診療に力を入れていきたいですね。患者さまのお口の健康を守り、楽しい食生活を送れるようにお手伝いしていきたいと考えています。